日弁連広報誌「自由と正義」8月号
「綱紀審査会の審査相当事案」について
1件の審査相当事案があったとの記載がありました
□ 綱紀審査会とは
弁護士に非行があれば懲戒請求を出すことができます。
   所属弁護士会に懲戒請求
      ↓
   棄却(処分ナシ)
      ↓
   日弁連に異議申立
 棄却(処分ナシ・所属弁護士会の議決通り)
     ↓
   綱紀審査会に審査請求
 
綱紀審査会は刑事事件でいえば検察審査会のようなものです。弁護士以外の委員が審議します(審査委員がどのような人なのかは分かりません)
 
所属弁護士会には毎年2000件近い弁護士懲戒請求が出されます(昨年は4000件)処分されたのは昨年80件です。処分なしで納得のいかない懲戒請求者は次に日弁連に異議申立を出せます。しかし日弁連で処分になるのは年に23件くらいでしょう(異議申立は約600件だと推測します)
そして、日弁連でも弁護士の非行が認められなかったものが最後に綱紀審査会に出せます。
半年に一度、綱紀審査会の運用状況についての報告があります
 
継続審議  162件 新受 113件 審査不相当 137件 却下 19件 他1件  未済 117
審査相当 1
 
11日から630日までに113件の審査請求があったということです
その中で1件審査相当になったという報告です。たった1件です。
審査相当となっても懲戒処分が決定されるのではありません。
もう一度所属の弁護士会の懲戒委員会に掛けられ処分が決まりますが
処分しないという議決になる場合もあります。
ほんとうに弁護士の懲戒処分は高いハードルです。
 
今回のたった1件の審査相当事案
弁護士が依頼人(審査請求人)に書類を返還したときに、書面に第三者の秘密やプライバシーに関するものがあった。この書類を除外せず混入させたまま交付したというもの
 綱紀審査会の議決の要旨
弁護士が申出人から相談を受けた民事事件について書類を作成するにあたり既済で不要となった他の事件に関する書類の裏面白紙部分を利用していた。この書面には債務整理事件おける債権者一覧表、刑事事件における弁護人の意見書、民事訴訟事件における書類直送書及び民事紛争における相手方代理人からの連絡文書が含まれていた。
弁護士職務基本規定第18条に違反し弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する
          2013212日 綱紀審査会
 
過去に同じような処分例があります。
 
(過去の懲戒処分例)
懲 戒 処 分 の 公 告
横浜弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下のとおり通知を受けたので懲戒処分の公告及び公表に関する規定第3条第1号の規定により公告する
                    
1 懲戒を受けた弁護士
氏名 高 原 将 光 登録番号 21863 横浜弁護士会
事務所 横浜市中区住吉町
高原法律事務所
2 懲戒の種別   戒 告
3 処分の理由の要旨
被懲戒者は懲戒請求者から委任を受けた民事訴訟事件の手控用記録を作成するため既済で不要となった刑事弁護事件記録の裏面白紙部分を利用して書類を印刷し記録として編綴していた
上記刑事弁護事件の記録の裏面白紙部分を利用したものには、詐欺被害者氏名等一覧表被疑者氏名、顔写真のコピー書面及び供述調書の一部等が含まれこれらは第三者の秘密やプライバシーに該当する内容であるにもかかわらず被懲戒者はそのことを失念し2009324日上記民事訴訟事件を合意により辞任した際、廃棄することなく上記刑事弁護事件の記録を利用した書類を含む手控用記録すべてを懲戒請求者に交付した
被懲戒者の上記行為は弁護士法第23条及び弁護士職務基本規定第18条に違反し弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する
4 処分の効力の生じた日  2009728
     2009121日   日本弁護士連合会
 
ひとつ不思議なことだとしたら
私たちが弁護士に相談や事件依頼した時に相談した内容のメモなど
を弁護士からもらってそのメモの裏に何か書いてあってもすぐに弁護士会に「こんなん書いてありました!」というて行くでしょうか?
私なら、先生これはまずいですよ。捨てときますと言いますが
あまり弁護士との信頼関係がなかったのでしょうね