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【判例時報】
弁護士が事務員を解雇した際における屈辱的発言に係る不法行為が認められた事例

【地位確認等請求(本訴)委任契約報酬要求(反訴)事件
東京地裁平25(ワ)25357号 平26(ワ)20897号平27・3・11
民19部判決・本訴一部認容・一部棄却・反訴棄却(’確定)】

本件は法律事務所を経営する事務員との雇用をめぐる紛争であり
雇用契約上の地位の確認、不当解雇、セクハラ、屈辱的発言に係る不法行為に基づく損害賠償が問題になった事件である。
Xは平成24年3月法律事務所を経営する弁護士Yから事務員として
採用内定を受けた後、平成25年2月雇用された、Yは平成25年平成
25年3月14日Xを解雇した、(第1解雇)
Xは同年10月地位保全等の仮処分を申し立てたがYは同事件の答弁書によって解雇の意思表示(第2解雇)をしさらに準備書面によっても解雇の意思表示(第3解雇)をした、XはYに対して前記
各解雇が無効であるなどと主張し雇用契約上の地位確認、バックベイの支払、不当解雇、セクハラ、屈辱を主張し不法行為に基づき損害賠償を請求した。これに基づきYが反訴し委任契約に基づく
報酬の支払いを請求した。

本件では雇用契約の終了の成否(合意契約の成否、使用期間の有無、各解雇の有効性)不法行為の成否(不当解雇の成否、セクハラの有無)(屈辱の有無)報酬請求権の有無(養育費減額調停事件の委任の成否)等が争点にmなった。
本判決は解雇に至る経緯を認定し試用期間は定められているたとはいえないとした上、解雇の有効性について第一解雇は客観的に合理的な解雇理由にならない等とし即時解雇しても普通解雇しても解雇権を濫用したものであって無効であるとし、第二解雇は普通解雇として有効であるとし第三解雇は即時解雇として無効であるとし結局平成25年11月14日をもって雇用契約が終了したものとし本訴のうち、賃金の支払請求を一部認容した。本判決は。また不法行為については、第一解雇が無効であるものの、賃金の支払により損害が発生したとはいえないとし、セクハラに関するXの主張を排斥したが、屈辱につき第一解雇が行われた最のYの発言内容(判決文参照)が一般的社会通念に照らして他人の、名誉を侵害することは明らかであるとし、不法行為を認め慰謝料50万円、弁護士費用5000円の損害を認め損害賠償請求を一部認容した。
本判決は、さらに反訴についてはYの主張に係る委任契約が締結されたか疑問である等とし請求を棄却した。

本件は法律事務所を経営する弁護士と事務員との雇用、不法行為、委任を巡る紛争であるが本判決は即時解雇を無効とし、普通解雇を有効とし、また解雇の際の弁護士の言動につき事務員に対する屈辱に係る不法行為を認めたものであり法律業務を専門とする事業所における紛争事例の一端を示すものである。
法律事務所は事業者としての側面があるものの、法律専門家
として通常の企業等の事業者とは異なるコンプライアンスの要請に対する一般社会の期待があるところ、様々な紛争が発生することも否定できないようである。本判決は法律事務所の紛争の一例。特に弁護士の不法行為を認めた一例として事例的な意義を持つものとして紹介する。

以上。

原告の女性とは判決言渡日に東京地裁でもお会いしたことがあります。弁護士からの屈辱的な発言はとてもブログで書けるような内容ではありませんので書きません。また女性も今は静かに生活をしていますので、辛い過去は早く忘れて新しい生活を始めていただきたいと思います。

なお、弁護士に対して所属弁護士会に事務員に対するセクハラ行為などが非行であると懲戒請求を申し立てましたが棄却をされています。

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