[弁護士自治を考える会]
このブログが始まりましてまもなく10年になります。毎日、毎日弁護士の非行を取り扱っております。弁護士の懲戒処分についてはかなり資料が集まりました。
弁護士の懲戒処分の種類は4つあります。
① 戒告
② 業務停止 (1月から2年)
③ 退会命令  単位弁護士会を辞めて他に行ってください。
④ 除名処分  依頼者からの預り金横領など刑事事件でも有罪になったケース
昨年[2015年1月から12月までに日弁連広報誌「自由と正義」に掲載された弁護士の
懲戒処分の種類  2015年 総数 95件
戒告   59件
業務停止 28件
退会命令 3件
除名   5件
戒告処分と業務停止とはどこが違うのでしょうか 
1970年代80年代には、弁護士の懲戒処分は「自由と正義」にしか掲載されません。
しかも、処分したということだけ掲載し、処分の要旨、詳細はありません。
この頃は1年間に10人程度の処分件数で業務停止2週間というのもありました。
「自由と正義」に懲戒処分の要旨が掲載されたのは1990年ころからです。
「官報」に弁護士の懲戒処分が公告として掲載されたのも最近のことです。
戒 告
注意処分ということになります。弁護士会から決定書が手元に着いた瞬間に処分は
終わります。受任している裁判を辞任することも延ばすことも不要です。
官報と自由と正義に処分が公開されます。ぺナルテイとして弁護士会主催の相談会
には3年間参加できません。3年間弁護士会の役員になることもできません。
日弁連の弁護士検索でも処分を受けたという情報は掲載されません。
戒告処分を受けたとわかるのは、懲戒請求者と官報読者と弁護士しか見ない日弁連広報誌「自由と正義」しかありません。
業務停止
戒告処分とは天と地、月とスッポンくらいに処分の重さが違いが出ます。
一応、弁護士会は業務停止を出した場合に司法記者クラブに記者発表をすることに
なっていますが記者クラブがすべて記事にするかということはありません。
法テラス契約弁護士が業務停止処分を受けた場合は1年~3年間の出入り禁止措置が
取られます。弁護士会主催、市役所主催の相談会には3年間御呼びがかかりません。
また、所属の弁護士会がある地域の裁判所、検察庁に告知されます。
戒告は文書注意だけですが業務停止は、顧問弁護士、受任事件をすべて解約しなければならないとありますが、業務停止1月の場合は顧問先に通知するだけで辞任しなくてもよいという弁護士会もありますが、停止中に職務はできません。
業務停止中の裁判は裁判所と相手方に通知し1回とばしとなるのが普通です。
大きな裁判、有名な刑事裁判、冤罪事件などを受任中の弁護士には業務停止は出せません。どうみても業務停止という二弁の有名な冤罪弁護士は2回とも戒告でした。
業務停止中はひとり事務所の場合、事務所の出入りもできません。郵便物の整理
部屋の掃除くらいは認めてくれますが、看板に電気が点いていてもダメです。
転送電話、FAXも認められません。業務停止を受けて相手方弁護士が元気ですか~と
FAXして「頑張ります~」とFAXで返したら返信用紙を弁護士会に持ちこんでこれが
業務停止中の業務ですとタレこんだ弁護士もいました。
法テラスとの契約弁護士が業務停止処分を受けた場合
法テラスに契約している弁護士が所属の弁護士会から業務停止を受けた場合
法テラスとの契約を凍結されます。期間は1年~3年です。法テラスに出禁となります
逆に法テラスで不祥事を起こして弁護士会で処分にはなかなかなりません。
法テラス自体で処分しかからいいという考え方なのでしょうか、法テラスへ情報開示しましたが氏名を特定できたのは、1名(大渕愛子弁護士)だけでした。
非弁提携は甘い処分
弁護士でないものから仕事をもらい報酬を受け取る、または継続的に仕事をもらい
バックマージンを出す、弁護士の名義を非弁団体に提供する。
戒告から業務停止2年までありますが、初めて処分を受ける場合は戒告もあります。
仕事がない今の時代だから甘いのかもしれませんが、反社会団体に繋がっているのではないかという団体との非弁提携でも業務停止3~4月です。ただし預り金などを依頼者に返還しない場合は業務停止の月数は長くなります。
それでもベテラン弁護士には甘く先生もう設けましたね!という時期までなかなか処分しません。
とにかく処分を受けるなら戒告が一番なのです
弁護士会から書面が届いたら終了です、業務停止は受任事件、顧問の辞任、法テラスへの出入り禁止措置、裁判所、検察庁への通知、事務所の閉鎖などやはり厄介です
業務停止にならないためには
とにかくヨイショです。
ゴルフ、宴会、会務、に参加して顔を覚えてもらいましょう。毎年開催される人権大会などもちょっと会議してあとはゴルフと宴会です。ここで新人は顔を売らなければなりません。
綱紀委員長のいる派閥に入ることも大事です。先輩が指導をしてくれますので派閥は
いいこともあります。特に二弁の全友会という派閥に入れば懲戒委員長を派閥の人間に変更して処分なしということもありました。
弁護士自治という仲間内の人間が仲間の処分を決めるのですから、人間性が勝負となります。テレビに出ているだとか、懲戒の代理人に他の弁護士会の有名なだけの弁護士を連れてきたりすると反発をくらいます。
日ごろから、派閥の仕事、会の仕事を嫌がらずに行い、ゴルフ大会で「会長~ナイスショット」のひとつも言わないような弁護士はかわいがられません。
ここらへんは一般社会と同じかもしれませんね
以上は長年懲戒処分を見てきた個人的感想で、感想、意見には個人差があります