千葉大集団暴行事件 『不都合な真実』
千葉大医学部生3名による女性暴行事件、千葉県警は当初 『被疑者氏名の公表をしない』ことを貫き『今後一切発表しない』としていたものの、『捜査の進展があれば、発表する可能性もある』と、理由を変えてきていた。
被疑者氏名公表
この事件、今週6日朝には被疑者3名全員の氏名と共に大まかな住所も発表、更には研修医の逮捕(被疑者はこれで計4名)も発表されたのである。
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千葉日報 オンライン (2016.12.6 9:16)
『逮捕学生の実名公表 千葉大医学部生、集団強姦事件 新たに医師逮捕』
集団強姦致傷の疑いで逮捕されたのは、いずれも同大医学部の学生で吉元将也(23)=千葉市中央区亥鼻1、山田兼輔(22)=同区旭町、増田峰登(23)=同区本町1=の3容疑者。逮捕は先月21日。準強制わいせつ容疑で逮捕されたのは、同区院内1、医師、藤坂悠司容疑者(30)。
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理にかなわない 被疑者の非公表
千葉県警が被疑者氏名の公表を差し控えていた上に『今後一切発表しない』とするほどの 『捜査への影響』 、そして何よりも 『被害者の保護(特定を避ける)』 に今回の顛末は 理にかなわず しかも 『被害を他方にまで広めた(ネット上で憶測推測で無関係の千葉大生が疑われるなど)』 逆効果 であったのではなかろうか。
理にかなわない、それどころか その場しのぎの 屁理屈 としか思えない県警が示していた理由、『捜査への影響』と『被害者の保護(特定を防ぐ)』についてちょっと考察してみたい。
『千葉大生集団暴行事件、 なぜ?県警“発表せず”』
TBS News i (JNN)
『捜査への影響』、これは “捜査上” と使えばコメントを控えられるため、何とでもなる『警察の常套句』である。しかし今回は 『今後一切発表しない』 であった。
そもそも、被疑者らが通う 『千葉大』 自体は公表しつつ、 “被疑者の名前を伏せること” にどれだけの効果が見込めるというのだろうか。
また、被疑者3名逮捕から遅れた『研修医逮捕』に関わることに対して、既に先月23日には 『研修医の存在』 をマスコミは伝えていた。
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事件概要(産経ニュース2016.11.23配信 引用 )
『逮捕の千葉大医学部生、自宅でも女性乱暴か 指導的立場にあった研修医も』
医学部生の実習後、この飲食店で飲み会が開かれ、少なくとも10人以上が参加していた。学生の他、指導的立場にあった研修医もいた。
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そして県警の当初の発表、如何様にも 『今後一切発表しない』 には大きな矛盾がある。捜査終結すれば 『捜査上の影響は無い』 のであるから 『今後一切』 は、そもそもあり得ない理由である。
だとすれば 『被害者の保護(特定を防止)』 が 『被疑者氏名公表をしない』 ことで理がかなうほど、大きな要素を占めるのだろうか。
確かに 『被害者保護』は絶対 である。
2次被害を発しては絶対にいけないし、我々国民も自覚、注視していくことである。
しかし、それがイコール 『被疑者氏名公表をしない』 こと、最善策か。
今の現状、その招いた結果は周知の通りである。
被疑者公表しないことで 『注目が更に拡大』 し、『無関係の千葉大生』 まで巻き込む結果の大きな要因になっている。しかも今回の被疑者公表、氏名公表に留まらず、大まかな 住所も通常事件通り発表 しているのである。
また、千葉県警 『今後一切公表しない』 直後から 『被疑者に名門法曹家系』 と、にわかに騒がれていたことを見ると、県警全体にそもそも閉口、すなわち、守秘義務が浸透しているとは感じ得ない。
そのような状況で 『被害者保護』 を堂々まっとうできるのか。
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「圧力はあったか」千葉大集団強姦事件で県警を直撃取材(2016.12.3)
(以下、引用)
『──容疑者の1人は超の付くエリート法曹一家の子息ですが、ご存じですよね。
そこまで(すごいとは)把握できていませんでした。ただ把握していようがしていまいが、捜査にはまったく関係ありません。
──圧力があったということは一切ありませんか。
まったくないです! そんな圧力があって警察がひるむようなら、日本の警察も終わりです。そう言われること自体が私はちょっと気分が良くない。そんな気持ちで仕事をやっている警察官はいない。そんな失礼なことを言うなんて。ほんと失礼だと思いますよ!』
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県警は 『被害者の保護』 も重要に考え、被疑者氏名公表を控えてたはず。
県警が被疑者氏名公表したのは、『12月6日』だったはずです。
この記事は12月3日。取材はその以前であることは明らかです。
『何れ発表する』なら、なぜ当初『今後一切発表しない』としたのでしょうか。
また、シッカリとこのやり取りでは、
被疑者の家系が『そこまで(すごい)とは把握できていませんでした。』と認めてます。なぜ、被疑者氏名公表の前に、家系の話は認められるのでしょう?
『そんな気持ちで仕事をやっている警察官はいない』
ですか。確かに、そうであって頂きたい。しかし、そのお言葉、正確には
『そんな気持ちで仕事をやっている警察官は 多分 いない』
じゃないですか。
神奈川県警では、制服組警察官は『被害者』『交通違反者』などの個人情報を私物の携帯カメラで撮影して、私物化し、メールでやりとりしていますが・・・ね。
しかもその処分の理由では 『警察書類の自宅保管』 です。携帯カメラで撮影し私物化、私的メールで送信を『自宅保管』とは、普通、一般的に言わないでしょう
個々警察官でなくても、警察組織は威信にこだわり、また、圧力にはめっちゃ弱いのじゃないですか?特に定年近い将来、天下りが待つ、キャリア・上層部ノンキャリアにとっては。
警察官の不祥事⑨
「 神奈川県警 幹部の天下り」
警察官という職務に対し、真摯に向きあい、日ごろから正義の心を忘れず取り組む警察官もいらっしゃる。それは事実。
しかし、その 全うな正義感・日々たゆまぬ努めに対し泥塗る行為 を起こすも警察官 で居り、この土壌や根深さは、真っ当に処分をしない警察組織 にある。
『被害者保護』 を重視し、『被疑者氏名の公表をしない』 ということが、本当に有効に導く策だったのだろうか。全く無意味としか思えない。
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日刊ゲンダイ(2016.11.29)
千葉大「集団強姦」 県警ダンマリの真相と“大物”のウワサ
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この事件、“起訴は無い” と千葉県警は捜査当初、考えていたのだろうか。また、このような事件が裁判では 被告氏名 が伏せられるのだろうか。
被疑者は成人であるし、裁判員裁判で審理進むような事件である。
それとも被害者が、事件告訴取り下げる可能性に鑑み、県警は配慮したのか。
でも今回の事件、逮捕容疑はそもそも強姦罪?つまり『親告罪』で、致傷はそもそも容疑になかったのか。
『今後一切発表しない』と当初に公表した県警見解、忘れてはいけない。
不都合な真実
『被害者保護』ではなく 『被疑者保護』 と認識されて当然でなかろうか。
今回の経過、顛末、これら 『被害者保護』 と捉えることよりも数段、 『被疑者保護』と捉える方に合点 がいく。
『今後一切公表しない』 周知の通り、『通常通り公表』 であり、矛盾。
しかも、被疑者の大まかな住所も添えていた。
『被害者保護』 は、どうしたのか。
一方、被疑者の一人は相当な実績持つ弁護士家系である。
弁護士法人を営み、相当な企業にも顧問・社外監査役など就任しているようである。
また、その弁護士法人に所属する家系弁護士は 『瑞宝小綬章』 まで、受賞されている。そんな輝かしい名誉も存在する『弁護士一家』『法曹家系』であるから、千葉県警は萎縮いやいや、現場所轄は躊躇し、キャリア組は配慮したのであろうか。
瑞宝小綬章とは(コトバンク)
『一般行政事務での瑞宝小綬章の対象者は本府省の課長を務めた人で、そのほかでは郵便局長や警察署長、税務署長、公立高校長などに多い。伝達は所管大臣が行うが、総務省関係は都道府県知事が行う。』
如何様にも 千葉県警がこの事件に関していた方針 『今後一切公表しない』 から今や全く逆 『全て 通常通り公表』 の実態である。
私がこうも 『被疑者保護?』 『保護は弁護士一家?』 なる論調を記すのは、今回の事件 『被疑者氏名公表を控える』 ことに対する警察の今回行為に、弁護士が賞賛とは言わずとも、随分と擁護する声が非常に多い実情もある。
宮崎強姦事件示談強要(ビデオ)事件で、弁護士はいかがな行動したのか。
被疑者側弁護士に寄り添うが如く、宮崎県弁護士会所属弁護士1割に当たる12名が懲戒請求に反対した。が、懲戒請求に賛同した弁護士は居たのであろうか。
【宮崎強姦事件弁護士示談強要】懲戒潰しに出た宮崎の弁護士ら
そして、対象ビデオは最高裁も “差し押さえ” を支持、没収された。
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朝日新聞デジタル(2015.11.26)
『被告側保管の盗撮ビデオ、差し押さえ 宮崎の強姦事件』
『 ビデオの原本は、弁護側が捜査当局に一時的に提出。複製された後に返却されていた。検察側は6月、「被害者たちは原本の廃棄を強く望んでいる」として、懲役13年と原本の没収を求刑。弁護側は原本について「押収を拒める『秘密』にあたる」として任意の提出を拒否していた。
宮崎地裁は9月に提出命令を出し、福岡高裁宮崎支部もこれを支持。最高裁は今月19日、「ビデオは公判で証拠として調べられたが、弁護側からも異議が無く、もはや秘密でないことは明らか」として弁護側の特別抗告を退け、提出命令が確定していた。』
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弁護士が 『被害者の保護』 を真摯考えているなら、このときなぜ、まず 『2次被害』へ声を挙げる弁護士が見当たらなかったのか。ビデオを複製 までしている。
お仲間の行為には口出さず の現れ でなかろうか。日光三猿の象徴。
また、日弁連も直近集会で、『死刑制度廃止の宣言採択』している。
日弁連、「死刑廃止」を宣言・被害者に寄り添わない日弁連
日弁連の功罪 – 死刑制度の廃止を表明 –
被害者の視点があるとは到底感じ得ない。
そして今回の千葉県警『被疑者氏名公表しない』ことについて、弁護士方ブログでは『被害者の特定を避ける』『被害者の2次被害を防ぐ』 ことを高く評価し、いかにも『被害者 保護』を思える口調前面にブログなどで発信しているのである。
しかしながら 本心は 『被疑者保護』 ではなかろうか。
繰り返すが『被害者の保護』ならば、当初であれ『大学名』など、もっと一定期間伏せることもできたのでなかろうか。大学名をだし学部も出し、でも、被疑者氏名は捜査に影響?被害者の保護??
頭隠して尻隠さず、本末転倒 ではなかろうか。
弁護士にも当然、思想はあり、信念もある。
だったらなぜ『死刑制度廃止宣言』の採択した、一つの組織 『日弁連』 に弁護士は強制加入されるのであろうか。
国民は 『被害者に寄り添う弁護士』、 『被疑者に寄り添う弁護士』の選択はできず、そしてたった一つの強制加入の組織では、『弁護士の非違に向かう弁護士』『弁護士の非違を援護する弁護士』すら選択できない実態もある。
懲戒請求の結果 『棄却情報』 及び綱紀調査で就任した 『代理人情報』 を募集中。そもそも、弁護士職務にとって我々は消費者(顧客) でもあります。
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