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日弁連広報誌「自由と正義」に公告として掲載された弁護士懲戒処分の要旨1月号から12月号まで厳選してお届けします。
 

 

2016年 懲戒処分 ベストセレクション ①

 

 

① 1月号  ああ~やっちゃった

 

懲戒処分の公告

 

懲戒を受けた弁護士 南 健夫9790 松山市柳井町2  南法律事務所 戒告 
〈処分の理由の要旨〉
被懲戒者は懲戒請求者から民事訴訟の依頼を受け、その訴訟の証拠書類として懲戒請求者が500万円の価値があると訴訟で主張している美術作品の制作者の直筆サインがありその作品の真正を証明するものとして作品と一体として存在し評価される鑑定書原本を預かっていたところ、上記鑑定書原本の2か所に穴を開け、『乙第 号証』のゴム印を押した上、『第』の次に「7」と「証」の次に「1」とそれぞれ書き込んで毀損した
② 1月号  よくぞ言った!

懲戒処分の公告 井上孝一 29256 金沢市笠舞2井上孝一法律事務  戒告  

〈処分の理由の要旨〉
(1)被懲戒者は損害賠償求事件の被告の代理人として、担当裁判官について「この裁判官は、神聖な法廷で、いつも権力側に媚びるように零細下民を笑っている」と記載した。2011530日付け準備書面を裁判所に提出し、また担当裁判官について「邪心を抱きながら顔だけスマイルは恐ろしき悪鬼の姿に映る」などと記載した2013520日付け準備書面を裁判所に提出した。
(2)被懲戒者は損害賠償請求訴訟事件の原告代理人として2013827日の弁論準備期日において被告代理人弁護士に対して徹底的にずるいやつ」「根性が悪い」などと怒鳴るように発言し、かつ「耳が悪いなら弁護士やめなさい」などと発言した、
3)被懲戒者は離婚等請求控訴事件の被控訴人代理人として受命裁判官及び控訴人代理人弁護士について「その受命裁判官は勘違いもいいところ、本訴では年金は関係がないからといって、その証拠を全く見もしない無能をさらけ出している」「弁護士と具体的な縁故関係でもあれば自発的に担当を外れてください、心理的に、傾倒し金縛りにあっているなら、忌避します。」などと記載した2012618日付け文書提出申立書を裁判所に提出した。
 (4)被懲戒者は損害賠償請求訴訟控訴事件の控訴人代理人として原審裁判官について現在の金融資本、金貸しの下部機関と成り下がって零細庶民を苦しめている岡っ引きのような裁判官の姿であったなどと記載し、かつ被控訴人について要するに人格劣等であり嘘の可能性が大きいから彼らの弁解は採用しないとするのが正当である。」などと記載した20121017日付け準備書面を裁判所に提出した。

 

 1月号 全部ばらしてやる
懲戒処分の公告 高﨑 仁 23991東京都中央区日本橋3新保・高崎法律事務所         
戒 告
〈処分の理由の要旨〉
被懲戒者は2013125AからAが懐胎した子の堕胎、認知をめぐる懲戒請求者との紛争の処理を受任し、同日、上記紛争が発生しているという具体的事実と懲戒請求者の態度をAが非難する内容を記載した懲戒請求者宛ての内容証明郵便を作成して懲戒請求者に送付したが併せて、同日、上記内容証明郵便の写しを封入した封書を、懲戒請求者の父であるBの宛名でBの現住所及び旧住民票上の住所に、またBが経営するC株式会社及びD株式会社の各宛名でBの個人名及び親展を記載せずに両社の住所に、各送付した。
④ 2月号 怖~い弁護士
懲戒処分の公告 野田隆之 48019 岐阜県大垣市新町1   野田法律事務所           

戒告

〈処分の理由の要旨〉
(1)被懲戒者は懲戒請求者の妻が懲戒請求者を相手方として申し立てた離婚調停事件における妻側の代理人であったが懲戒請求者を畏怖、困惑させ、もって紛争を有利に導こうとする意図に基づいて2014128日付け主張書面において懲戒請求者に対し過去の不貞相手の氏名、住所、勤務先を開示するよう求め、その開示に応じない場合は、懲戒請求者の勤務先の過去及び現在の直属の上司、同僚等に対する聞き取り調査等を行う予定である旨記載しまた同年47日付け主張書面において懲戒請求者が職場を抜けて平日等に妻子が住む自宅を訪問した場合には懲戒請求者の直属の上司等に厳重注意や法的な対処を行う予定である等、家事事件における弁護士の言動として許容される限度を逸脱した不適切な記載をした。
(2)被懲戒者は上記離婚調停事件が不調により終了した翌日である2014919日懲戒請求者の代理人に対して何らの問い合わせもすることもなく、懲戒請求者本人に直接内容証明郵便を送達し、その中で懲戒請求者の代理人の言動を強要と断じて法的措置を採る予定であると述べ、かつ明確な法的根拠があるか疑問であるのに上記代理人と委任契約を締結している懲戒請求者の法的責任も問う予定である等記載し、懲戒請求者をして、上記代理人に委任していることにより自分も何らかの法的責任を追及されるのではないかとの無用な不安を畏怖を与えた。
⑤ 2月号  この人さえいなければ・・・大分県弁護士会

 

昨年懲戒処分の弁護士 新たに業務停止
 201551日(金)(大分合同新聞)
 離婚訴訟で反訴を起こすよう依頼されたのに起こさなかったなどとして、県弁護士会は30日、同会所属の秦文生弁護士(60)=大分市=を新たに業務停止4カ月の懲戒処分にしたと発表した。処分は26日付。不在者財産管理人として管理していた金銭を適切に取り扱わなかったなどとして、同会は昨年11月にも秦弁護士を業務停止6カ月の処分にした。その後の調査で他に非行行為があったと認定した。 同会によると、弁護士は2012年、離婚訴訟で訴えられた夫側の代理人になり、妻側に慰謝料などを求める反訴を起こすよう依頼された。しかし、弁論終結までに提起せず、昨年4月に判決期日が指定されたのに、こうした経緯を夫に伝えなかった。和解を希望していた夫に、和解できるかのような虚偽の説明をしていた。 さらに離婚までの生活費を夫が支払うとの審判が出たのに、弁護士は知らせなかった。夫は裁判所から178万円の支払い勧告を受け、初めて審判の確定を知った。弁護士は夫に178万円の賠償を約束したものの、支払っていない。夫は昨年5月に懲戒請求した。 弁護士には精神疾患があるという。同会が今回の件で求めた弁明書は提出されなかった。 会見を開いた西畑修司会長は「誠に残念。職務放棄のような事案で、病気が影響したかは本人が来ないのではっきり申し上げられない」とした。
 
懲戒処分の公告
 秦 文生 22419 大分市明野南2 秦文生法律事務所  業務停止1
 〈処分の理由の要旨〉
被懲戒者は2008519日依頼者Aから1230万円を預ったがAのために支出した金員を控除した残金約1000万円についてAに返還しなかった。
被懲戒者は所属弁護士会が20141031日付けで行った預り金等の保管状況等に関する照会に対し回答しなかった。
⑥ 3月号 知らないこともある
懲戒処分の公告  澤田儀一 12661 富山市西田地方町12  澤田法律事務所 戒告
〈処分の理由の要旨〉
被懲戒者は201114日、風俗営業の許可を受けて麻雀荘を開業していた懲戒請求者から破産手続開始申立ての依頼を受け、破産手続開始決定が風俗営業の許可の取消事由に当たるかどうかについて懲戒請求者が重大な関心を寄せていたことを十分に認識しながらその調査を怠り破産者で復権を得ない者であることは風俗営業の許可の取消事由に該当するにもかかわらず、同年310日に破産手続開始決定を受けた。その結果、同月18日懲戒請求者は営業許可を返納するに至った。
 

⑦ 4月号  弁護士はDV
懲戒処分の公告 太田明良36031 長野県伊那市西町4864  ひなた法律事務所   戒告
〈処分の理由の要旨〉
(1)被懲戒者は配偶者がいるにもかかわらず20104月下旬、懲戒請求者と性的関係を持ち、その後懲戒請求者が被懲戒者との結婚及び出産の願望を有していることを知りながら懲戒請求者の上記願望に乗じて201112月に既婚者であることが発覚するまで交際を続けた。(2)被懲戒者は既婚者であることが発覚した後、責任を追及する懲戒請求者に対して複数回暴行を行って傷害を負わせ、また懲戒請求者の物品を損壊した。
 ⑧ 5月号  反省したので処分変更
懲戒処分の公告 大塚和成 26914 東京都千代田区丸の内3  二重橋法律事務所
 退会命令(平成281123日業務停止2年に変更)
〈処分の理由の要旨〉
被懲戒者は、20132月、ホテルの客室において、懲戒請求者の意思に反して性行為に及んだ。被懲戒者の上記行為は弁護士法第56条第1項に定める弁護士として品位を失うべき行為に該当する。
上記行為は強い非難に値する行為であること、被懲戒者が何ら反省せずに無責任に態度に終始していること等を考慮し、退会命令を選択する。

 

 ⑨ 6月号 1億隠して戒告なら
週刊新潮331日号
(弁護士が1億円の所得隠しでも注意で済ませる弁護士会を信用できるか)
懲戒処分の公告 長谷川鉱治 30243古屋市昭和区阿由知通4 
長谷川鉱治法律事務所  戒告
〈処分の理由の要旨〉
被懲戒者は2006年から2009年までの税務申告において合計1億円を超える所得の申告を行わなかった。
⑩ 6月号  もう1回お願い!

懲戒処分の公告  折本和司 21350 神奈川県横浜市中区日本大通14 並木道法律事務所 業務停止2

〈処分の理由の要旨〉
被懲戒者は2008年以降、懲戒請求者から損害賠償請求訴訟事件等を受けていたが事件の処理中であった201311月から、複数回にわたり懲戒請求者に対し性的行為に及び、20141月懲戒請求者からメール等で上記性的行為に困惑している旨を伝えられ、被懲戒者は上記性的行為が懲戒請求者を傷つけていたと謝罪していたにもかかわらず、その後も懲戒請求者に対し性的行為に及んだ。