弁護士が依頼者から借金して懲戒処分になった例

 

 

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弁護士が依頼人から金を借りてはいけません。

弁護士に金を貸してはいけません。

弁護士職務基本規定
(依頼者との金銭貸借等)
第二十五条 弁護士は、特別の事情がない限り、依頼者と金銭の貸借をし、又は自己の債務について依頼者に保証を依頼し、若しくは依頼者の債務について保証をしてはならない。
 とありますが、
事件を依頼している弁護士から『金借してくれ!頼む!』『裁判勝って相手から取った金から払う』とか、『報酬から引いてもらっていいから!』と懇願されたら、断れるでしょうか?!
裁判を人質にとられているのですから貸すしかないようです。
当会にも相談がありました。大阪の弁護士が夜に豊中から依頼人の住む堺市までタクシーで乗り付け、『頼む100万円貸してくれ』と言ってきたそうです。民事裁判をお願いしているのでやむなく弁護士に100万円を貸してしまいました。弁護士はオレの事務所は中之島の豪華なタワーマンションにあるから大丈夫だと依頼人に言って安心させていましたが、調べたら事務所は賃貸で、豊中のマンションは、所有権は既に、ほとんど奥さんが名義に移しており、本人名義の持ち分には金融機関から差押えがついていました。しばらくして、弁護士は会費滞納で退会命令になり弁護士を辞め、貸した金は返って来ず、裁判もうやむやで終了となりました。
弁護士会の下す懲戒処分は甘く、返せば『戒告』がほとんどです。また、金を借りるのは若い弁護士ではなくベテラン弁護士の処分が多いのも特徴です。 くれぐれも弁護士に金は貸さないように、弁護士会が肩代わりすることはありません。 弁護士会が困った弁護士にお金を貸付けすることもありません。
 
いくつか懲戒処分例をピックアップしました。
懲戒処分の公告  第二東京

1 処分を受けた弁護士 真木吉夫  登録19847    

2 処分の内容      業務停止1
3 処分の理由の要旨
被懲戒者は2013311日顧問先である懲戒請求者から、返済期限を同月末日として800万円を借り入れた被懲戒者は上記借入金の返済期間の延長を二度にわたり申し入れたが、それぞれの期限に返済せず、懲戒請求者から提起された貸金返還請求訴訟において20131128日に請求認容の判決が言い渡された後も半年間にわたり返済しなかった。
4 処分の効力を生じた年月日 2014930日  20151月1日   日本弁護士連合会

 

懲戒処分の公告   大阪
1処分を受けた弁護士氏名 小畑雄治郎 28418
2 処分の内容     戒 告
3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は、200825日頃、懲戒請求者Aの夫であるBから損害賠償請求事件を受任するに当たり、報酬に関する説明を適切に行わず、委任契約書も作成しなかった。また被懲戒者は、同日頃、上記事件の弁護士費用としてBから415000円を受領し、それ以降の報酬請求権を放棄したにもかかわらずBから損害賠償請求権を譲り受けた懲戒請求者Aに対し20111017日付け文書で報酬として83万円を請求した、
(2)被懲戒者は2009925日及び同年103日に上記事件の紹介者で懲戒請求者Aの父親である懲戒請求者Cから上記事件の処理中に合計40万円を借入れ返済しなかった。
(3)被懲戒者は懲戒請求者Aから離婚事件の相談を受け公正証書案を作成するに当たり弁護士費用について説明しなかった。
(4)被懲戒者は懲戒請求者Aから離婚事件の相談を受けていた20101210日に懲戒請求者Aから15万円を借り入れた。
4 処分が効力を生じた年月日 2014923日  201511日  日本弁護士連合会

 

 

懲戒処分の公告  第二東京

1処分を受けた弁護士氏名 荒井 鐘司 登録番号 9019 

2 処分の内容  業 務 停 止 1 月

3 処分の理由(1)被懲戒者は20061220日依頼者である懲戒請求者Aから1000万円を借りた(2)被懲戒者は20061220日懲戒請求者Aの株式会社Bに対する6000万円の借入についての連帯保証をした。(3)被懲戒者は200728日依頼者である懲戒請求者Cから200万円を借り入れた。(4)被懲戒者は2007713日懲戒請求者Cが代表取締役を務める有限会社DB社に対する2500万円の借入れについて連帯保証した。4 処分の効力を生じた年月日 201375日  20139月1日   日本弁護士連合会

懲戒処分の公告    第二東京
1 処分を受けた弁護士氏名  野口 政幹 登録番号 19845
事務所 チュール法律事務所2 処分の内容  戒 告
3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は、遺産分割調停事件の依頼者である懲戒請求者から2010127日に1200万円同年319日に300万円同年512200万円の計1700万円を資金繰りの都合で借り入れた。(2)被懲戒者は懲戒請求者の父の遺産である不動産が担保権の実行としての競売手続きに付され懲戒請求者が競売代金余剰金を受領したことについて懲戒請求者の代理人としての活動をほとんどしていないのにもかかわらず20091217日懲戒請求者から成功報酬として210万円を受領した。
 (3)4 処分の効力を生じた年月日   201312420142月1日   日本弁護士連合会

 

 

懲戒処分の公告   東 京

1処分を受けた弁護士氏名 林 幹夫 登録番号18098 

事務所 林幹夫法律事務所  懲戒の種別    戒 告
処分の理由の要旨
被懲戒者は継続して法律相談及び法律事件の依頼を受ける関係にあった懲戒請求者に金員借り入れの申込みをし200477日借用書等の書面を交わさないまま金700万円を借りた。被懲戒者は20061030日までに元金金額及び民事法廷利率年5%の割合による利息分を返送した、しかしながら年15%の利息や遅延損害金等を求める懲戒請求者が納得せず、紛議調停を申し立てた。その後2007330日紛議調停手続きにおいて被懲戒者がさらに40万円を懲戒請求者に支払うことで解決する旨の調停が成立した
被懲戒者は廃止前の弁護士倫理第41条が禁止しているにもかかわらず依頼者との間で安易に金銭の貸借を行ったことにより信頼関係を破壊し紛議を生じさせて弁護士の信用を損なったのであり被懲戒者の行為は弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する
処分の効力の生じた日2008年11月4日
2009年3月1日  日本弁護士連合会

 

 懲戒処分の公告  東 京

1 処分を受けた弁護士   山田一郎 第二東京弁護士会

登録番号  16853      山田法律事務所
2 懲戒の種別     業務停止1
3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は、当時依頼者であった懲戒請求者から、懲戒請求人が受任弁護士である被懲戒者の要求を断りきれないといういう関係を利用して19911128日、自らが連帯保証人となり、被懲戒者の別件の依頼者を借主とし、返済期限を翌1992110日とする1300万円の借入を行い、さらに1992217日、自らが借主となり返済期限を同年317日とする3000万円の借入を行った、
(2)前者の借入は上記借入金のうち後者の借入金の内金1000万円を返済したのみで、その後長期間にわたって上記の借入金残金を返済せず放置した。
(3)被懲戒者は1992525日ころ、懲戒請求人の代理人として懲戒請求人の貸付先から返済金550万円を受領したが、懲戒請求人に対して懲戒請求人名義の預り金口座を開設してそこに入金して預かる旨の虚偽の説明をなし、本件懲戒申立後も同様の虚偽の主張をして上記預り金を懲戒請求人に引き渡さなかった。
(4)被懲戒者は19927月中旬ころ、懲戒請求人から受任事件の中間金名義で300万円を受領したが、被懲戒者がこの時期に同金額を中間金として受領すべき根拠は認められず、上記金員は報酬請求権と清算することを前提とする預り金として保管していたものと認められるのが相当であるところその後被懲戒者が報酬金との清算をした事実は認められない。
(5)被懲戒者は19976月に懲戒請求人から上記各貸付金及び預り金の返済引渡しを求められた後になって、懲戒請求人の代理人との交渉に応じ、1998319日懲戒請求人への支払額を3500万円とする合意書を作成したが、上記合意書に基づく割賦払を初回から遅らせ、懲戒請求人が19991112日に本件懲戒申立をした時点で残元金1000万円が未払いであった。上記のうち、借入行為はいずれも依頼者から借り入れ行為を禁じた弁護士倫理台41条に違背し、借入金現金返済債務の不履行は弁護士倫理第5条に違背し、懲戒請求人に損害を及ぼしたばかりでなく、約束した割賦支払の期日も徒過するなど依頼者ひいては国民一般の弁護士全体に対する信頼を大きく損なうものであり弁護士の品位を失うべき非行に該当する。被懲戒者が本件懲戒申立後である2000914日に至って合意書による支払をすべて履行すること等を考慮して業務停止1年の処分とする。4処分の効力の生じた日  20038月21日2003年11月1日 日本弁護士連合会
懲戒処分の公告  愛 知
1 処分を受けた弁護士氏名 棚瀬 誠 登録番号  28743
事務所  棚瀬誠法律事務所2 処分の内容  戒 告
3 処分の理由の要旨(1)被懲戒者は2004年から2010年までに8名の依頼者からそれぞれ債務整理事件を受任したが事件処理を遅滞し2012年には上記依頼者から多数の苦情を受けた弁護士会から度々指導を受け弁護士会に対し事件処理を進めることを約する書面を提出等したが速やかに事件処理をしなかった。(2)被懲戒者は20121029日、依頼者から200万円を借り入れた。4 処分の効力を生じた年月日 2014513
20148月1日   日本弁護士連合会

 

懲戒処分の公告  札 幌
1 処分を受けた弁護士氏名 越前屋民雄 登録番号18329
事務所 越前屋法律事務所2 処分の内容 業務停止2月
3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は国税庁から消費税法違反の嫌疑で捜索を受け、査察の対象とされていたAに対して201323日直ちに弁護士を依頼し告発の阻止に向けた活動をすることを強くアドバイスした上で、それだけでは告発を免れるに十分ではないとして、被懲戒者の知人で元首相や元関税局長と知り合いの者がいるのでこの者を仲介者として政治家や元関税局長から国税局の首脳部に働きかけを行い、刑事事件としての立件を阻止する方法がある等不当な方法を提案して依頼を勧誘した。
(2)被懲戒者は上記(1)の事件を受任するにあたりAとの間で委任事項の具体的内容や弁護士報酬に関する事項を取り決める委任契約書を作成しなかった。
(3)被懲戒者は、上記(1)の事件を受任中の2013322Aから140万円を借り入れた、4 処分が効力を生じた日 2016225日 201661日日本弁護士連合会
 
懲戒処分の公告  東 京

1 処分を受けた弁護士氏名 笠 井 浩 二 登録番号 17636

事務所  東京都新宿区大京町4-4‐101‐2山田ビル 街の灯法律事務所
2 処分の内容 戒 告
3 処分の理由の要旨
被懲戒者は懲戒請求者から交渉事件を受任していたところ、2016年3月24日特別の事情がないにもかかわらず、懲戒請求者から100万円を借り入れた。
4 処分の効力を生じた年月日 20186月18201410月1日  日本弁護士連合会

 

懲戒処分の公告   京 都
1 処分を受けた弁護士氏 名 島崎 哲朗登録番号22769
事務所 京都市中京区夷川通高倉東入る百足屋町146    
             島崎法律事務所            
2 処分の内容      戒 告
3 処分の理由の要旨
被懲戒者は、2014年、懲戒請求者から離婚等請求事件を受任したが、特別の事情がないにもかかわらず、同年12月30日依頼者である懲戒請求者から100万円を借り入れた。
4 処分が効力を生じた日 2018年7月11日 2018年10月1日 日本弁護士連合会
事務員から借金  懲戒処分の公告   第一東京
1 処分を受けた弁護士氏名 渡邊 征二郎  登録番号6876
新虎ノ門法律事務所2 処分の内容    戒 告
 3 処分の理由の要旨
(1)     被懲戒者は2010111日被懲戒者の事務所の事務員であった懲戒請求者Aとの間で懲戒請求者Aが立て替えていた事務所経費220万円を毎月20万円ずつ分割払いする旨合意し、合計90万円を支払ったが20111116日に懲戒請求者らが紛議調停を申し立てるまで残金を支払わず紛議調停申立て後に60万円を支払ったものの残金70万円を支払わず紛争を未解決のまま放置した(2)被懲戒者は上記紛議調停において正当な理由なく呼び出しを受けた4回のうち3回を欠席した。
特異な処分例  依頼者に100万円貸付けた

齊藤哲弁護士(仙台) 戒告  2019年2月号https://jlfmt.com/2019/02/20/32135/

 懲戒処分の公告     仙 台
1 処分を受けた弁護士氏名 齊藤 哲 登録番号 37994
事務所 仙台市青葉区一番町116齊藤哲法律事務所
2 処分の内容   戒 告
3 処分の理由の要旨
被懲戒者は自動車保険の保険代理店の役員である懲戒請求者の紹介により、2014819日に交通事故の被害者であるAから損害賠償請求事件を受任し、弁護士費用等補償特約を利用して損害保険会社から着手金を受領した後、Aから金銭の貸借を明示的に求められたこともなく、特別の事情がないにもかかわらず、同年1023日に、Aに対し100万円を貸し付けた。