弁護士の懲戒処分を公開しています

「日弁連広報誌・自由と正義」2017年9月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・神奈川県弁護士会・石井晋一弁護士の懲戒処分の要旨

<簡単な内容>
240万円の着手金、実費を支払ったが資金回収はできなかった。
訴訟も受任したが、訴訟は行っていない。
着手金の一部の返還を求めたが、返還せず逆に依頼者である懲戒請求者に対し不利な立場になるよう行動した。
神奈川では、これで戒告です。

懲 戒 処 分 の 公 告


神奈川県弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告公表に関する規定第3条第1号の規定により公告する

1 懲戒を受けた弁護士

氏 名          石 井 晋 一

登録番号         34582

事務所          神奈川県横浜市中区山下町223-1             

             山下町綜合法律事務所

            

2 処分の内容      戒 告

3 処分の理由の要旨
被懲戒者は2011年9月頃、懲戒請求者から、A及びAの経営する会社Bに対する7190万円の貸金等の回収について相談を受け、懲戒請求者が代表取締役である会社Cと顧問契約を締結し、2012年1月7日、上記貸金等の回収に関する
仮差押さえ、訴訟、強制執行等について包括的に委任契約を締結し、その後着手金210万円及び実費30万円の計240万円の送金を受けた。
被懲戒者は同月末頃、A及びB社を債務者として仮差押さえの決定を受けたが奏効しなかった。
被懲戒者は2013年2月8日、懲戒請求者からメールで仮差押さえの取下げを依頼された際に、「わかりました。手続きを進めます。ただし費用等はお願いします」と応答したが、費用等とは何を意味するかを明確に提示して、速やかに取下げをするよう努めるべきであったのに、具体的な提示をせず取下げの意向に応じなかった。
また被懲戒者は当初の予定とは異なり仮差押えしか行っておらず上記資金の回収は全くできていないこと等から、訴訟を提起しないまま同年3月27日に懲戒請求者によって仮差押えが取り下げられたことが分かった時点で、清算について具体的な提案をし、依頼者の意向を確認し、実費清算及び着手金の一部を返還することが求められていたにもかかわらず、これを怠った。
さらに、被懲戒者は同年6月25日、懲戒請求者の夫D及びDの父Eを代理して、懲戒請求者に対して懲戒請求者がC社の代表取締役の地位を濫用してAに対して7190万円の貸付けをしたことが業務上横領に当たり、また懲戒請求者から何ら資金を回収していないことで更に損害を与えている等として、懲戒請求者の取締役解任を目的とするC社の株主総会の招集を求める等の内容を記載した内容証明郵便を送付した。

被懲戒者の上記行為は弁護士職務基本規程第22条、第27条第1号及び第45条に違反し弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

4処分が効力を生じた年月日

2017年5月22

2017月9月1日   日本弁護士連合会


弁護士職務基本規程
(依頼者の意思の尊重)
第二十二条 弁護士は、委任の趣旨に関する依頼者の意思を尊重して職務を行うも のとする。
2 弁護士は、依頼者が疾病その他の事情のためその意思を十分に表明できないときは、適切な方法を講じて依頼者の意思の 確認に努める。
  第二節 職務を行い得ない事件の規律
(職務を行い得ない事件)
第二十七条 弁護士は、次の各号のいずれかに該当する事件については、その職務を行ってはならない。ただし、第三号に 掲げる事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない。
一 相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件

(預り金等の返還)
第四十五条 弁護士は、委任の終了に当たり、委任契約に従い、金銭を清算したうえ、預り金及び預り品を遅滞なく返還しなければならない。