弁護士の懲戒処分を公開しています
日弁連広報誌・自由と正義」20185月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・長崎県弁護士会・北穠朗弁護士の懲戒処分の要旨
 
遺産分割事件 委任契約書作成せず、報酬の説明をしなかった。
懲 戒 処 分 の 公 告
長崎県弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告公表に関する規定第3条第1号の規定により
公告する
1 処分を受けた弁護士
氏 名        北 穠 朗
登録番号       12161
事務所        長崎県長崎市築町516
           北法律事務所
2 処分の内容     戒 告
3 処分の理由
被懲戒者は、2007123日、懲戒請求者と面談し、懲戒請求者の父又は母の遺産分割について依頼を受けたところ、懲戒請求者が父の遺産分割の件だけでなく母の遺産分割の件まで依頼したのか必ずしも明らかではなく、その意図や要望は必ずしも一義的かつ明確に表現されなかったにもかかわらず、当初から依頼事項を曖昧なままにして、どのようなことに対する弁護士費用なのかということを適切に説明することなく着手金及び経費として27万円を受領し、また委任契約書を作成しなかった。
被懲戒者の上記行為は、弁護士職務基本規程第29条第1項及び第30条に違反し弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4 処分の効力を生じた年月日 201812620185月1日   日本弁護士連合会
 
【弁護士職務基本規程】
 第29条(受任の際の説明等)
弁護士は、事件を受任するに当たり、依頼者から得た情報に基づき、事件の見通し、処理の方法並びに弁護士報酬及び費用について、適切な説明をしなければならない。
2 弁護士は、事件について、依頼者に有利な結果となることを請け合い、又は保証してはならない。
3 弁護士は、依頼者の期待する結果が得られる見込みがないにもかかわらず、その見込みがあるように装って事件を受任してはならない。

第30条(委任契約書の作成)
弁護士は、事件を受任するに当たり、弁護士報酬に関する事項を含む委任契約書を作成しなければならない。ただし、委任契約書を作成することに困難な事由があるときは、その事由が止んだ後、これを作成する。
2 前項の規定にかかわらず、受任する事件が、法律相談、簡易な書面の作成又は顧問契約その他継続的な契約に基づくものであるときその他合理的な理由があるときは、委任契約書の作成を要しない。