弁護士の懲戒処分を公開しています。
日弁連広報誌「自由と正義」2018年6月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・大阪弁護士会・新谷充則弁護士の処分要旨

この懲戒処分は1年に2件程度の珍しいものです。
弁護士に非行があれば所属弁護士会に懲戒を申立てします。
残念ですが、約97%が棄却されます。「懲戒請求者は処分しないのは不当であると日弁連に異議申立ができます」今回、その異議申立が認められたということです。
異議がとおる確率は毎年1%未満くらいです。
【処分理由】
債権譲渡に関して譲渡者の意思確認を怠った。


懲 戒 処 分 の 公 告

大阪弁護士会がなした2016年4月16日付けでなした被懲戒者を懲戒しない旨の決定について、懲戒請求者から異議の申出があった。本会は、上記決定を取消して以下のとおり懲戒の処分をしたので、懲戒処分の公告及び公表に南する規程第3条6号の規定により公告する。
               記

1 処分を受けた弁護士 氏 名  新 谷 充 則
  登 録 番 号   17543
  事務所       大阪市北区西天満4-16-19
            新谷・須田法律事務所     
2 処 分 の 内 容 戒 告   
3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は、懲戒請求者名義の債権譲渡通知書(以下「本件通知書」という)を作成するにあたり、譲渡人である懲戒請求者の債権譲渡意思を直接確認せず、依頼者であるA社の従業員Bの「懲戒請求者の同意を得た」との言を信じ、懲戒請求者の債権をA社に譲渡する旨の本件通知書を、被懲戒者が自ら購入した懲戒請求者名義の三文判を押印して、懲戒請求者の債務者であるCに対し内容証明郵便の発送者に対する郵便局からの通知により、本件通知書の発送の事実を知り、不審に思い調査をして初めて懲戒請求者の債権が無断でA社に譲渡されている(以下「本件債権譲渡」という」事実を知った。
大阪弁護士会(以下「原弁護士会」という)は、被懲戒者の本件行為につき被懲戒者を懲戒しない旨決定した。
(2)しかし、本件通知書にかかる被懲戒者の本件行為は、作成名義人が承諾していない文書の作成及び発送であり、弁護士として認められる行為ではない。被懲戒者は懲戒請求者と面談するか又は同意書の提出を求めるか、少なくとも電話等によって直接、懲戒請求者の承諾を得るべきであった。したがって、被懲戒者がA社の従業員であるBの言を安易に信じた行為には重大なる過失があったと評価するのが相当である。
また、本件行為後の事情として、A社のCに対する共有物分割等請求訴訟において、被懲戒者はA社の代理人として本件債権譲渡に係る金銭債権を請求していたところ、懲戒請求者が本件債権譲渡の承諾をしていなかったことを知ってから約1年間、懲戒請求者から追認を得られる具体的な見込みもないのに、無効な本件債権譲渡にかかる債権額部分の請求金額について訴の減額変更をせず、また、裁判所及び相手方代理人にその事実を告知しないまま訴訟を遂行したという事情も認められる。
(3)以上からすると、被懲戒者の本件行為は、上記本件行為後の事情も併せて考慮すれば、弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
よって、被懲戒者を懲戒しないとした原弁護士会の決定を取消し、被懲戒者を戒告することが相当である。

4 処分が効力を生じた年月日 2018年4月16日
2018年6月1日 日本弁護士連合会