2018年上半期 弁護士懲戒処分の要旨
年間 優秀懲戒処分候補
【上半期の特徴】相手方代理人弁護士に対する暴言、誹謗中傷が多かった。
① 「裁判官をトンチンカン・間抜け」
1 処分を受けた弁護士 氏 名 中村忠史 登録番号 22170
事務所 東京都新宿区四谷2-4 四谷の森法律事務所
2 処分の内容 戒 告
3 処分の理由の要旨
被懲戒者はAからAの前の内縁の妻であるBとBの前々夫との間の子であるCびAとBとの間の財産分与請求事件等の代理人であった懲戒請求者D弁護士に対する謝料請求事件を受任したところ、その控訴審で2015年に提出した準備書面にお いて、第一審担当裁判官Eの判断及び訴訟指揮の不当性を訴えるために「トンチンカン」、「間抜け」等といった表現を選択し、その根拠が薄弱であるにもかかわらず、Eが相手方であるBと癒着、違法な裏取引をしている等といった事実を例示した。また、被懲戒者は、同年、Aから懲戒請求者D弁護士に対する慰謝料請求事件を受任し、その第一審で提出した準備書面において「馬鹿な裁判官だったら騙せると思ったのであろうか」等といった表現をし「速やかに法廷に出廷してこい」、「さっさと回答してこい」といった挑発的言辞を記載した。
処分日2017年10月10日 2018年1月1日
② 辞めた弁護士に対して・・・・
1 処分を受けた弁護士氏 名 佐藤博史 登録番号14247事務所 東京都港区赤坂1新東京総合法律事務所 2 処分の内容戒 告
3 処分の理由
被懲戒者は、被懲戒者が代表を務める法律事務所の勤務弁護士であった懲戒請求者A弁護士に対し、懲戒請求者A弁護士が上記法律事務所を退所すると前に被懲戒者を補助した4件の事務所に関し、歩合制に基づき支払った着手金の一部返還を請求するに当たり、上記事件のうち1件については要返還額が客観的に明らかであったものの、他の3件については要返還額が不明であったにもかかわらず、金額が客観的に確定しているかのごとき前提の下に、2014年、被懲戒者の請求に応じないときは、「破産宣告を申告する」、「就職先の事務所に請求する」、「弁護士生命が断たれるに等しい」旨の懲戒請求者A弁護士に恐怖心を抱かせる可能性が高い言葉を用いたメールを送信した。4 処分の効力を生じた年月日 2017年9月16日 2018年1月1日 日本弁護士連合会
③ 弁護士のすることではない 愛知
1 処分を受けた弁護士氏名 平塚 雅昭 登録番号22944
愛知県弁護士会事務所 名古屋市中区丸の内2平塚雅昭法律事務所
2 処分の内容 戒 告
3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は、依頼者であった懲戒請求者と交際し、2011年春以降関係が悪化しはじめていたところ、同年4月30日、標題部に「あなたから受け取った写真の一部」と記載し、メール本文と明確な関連性がないにもかかわらず、懲戒請求者の上胸部から顔までが未着衣で写っている写真を添付したメールを送信した。(2)被懲戒者は、懲戒請求者が2011年5月ないし6月頃に警察署に相談をした件で上記警察署から問い合せの連絡が入ったことを受け、懲戒請求者に対し、警察への虚偽申告を抑止するための警告に続けて「最悪、あんたは逮捕され留置場」、「子供からは『お前なんか親じゃない』」、夫からは、慰謝料、離婚請求されるおそれがある。」等記載したメールを送信した。 2018年1月号
④ 司法書士を小ばかにした弁護士
1 処分を受けた弁護士 氏 名 望月 彬史 登録番号 43146
事務所 静岡県浜松市中区中央2-10-1 渥美利之法律事務所
2 処分の内容 戒 告
3 処分の理由の要旨
被懲戒者は、司法書士第3条第2項各号に定める要件を充足して法務大臣の認定を受けた司法書士である懲戒請求者Aから依頼を受けて送付した受任及び金員の返還を求める通知に関し、2016年5月21日、Aに対し、直接、「法的根拠に基づかない書面」、「流石に内容も含め承服できない」、「弁護士なら『相手もしますが」等と返還請求に対する意見を含み、代理人である懲戒請求者を相手とするのではなく、直接委任者と交渉するという意思表示ともとられる表現がなされ、また「法律家ではない素人の司法書士」等といった、懲戒請求者を含む司法書士という職業に対する侮辱的な表現が含まれているメッセージを、ソーシャル・ネットワーキング・サービスを利用して送信した。4処分が効力を生じた年月日 2017年11月9日
2018月3月1日 日本弁護士連合会
⑤ 裁判所で相手弁護士に『そんなら、表に出て話をするか』
1 処分を受けた弁護士 氏 名 高島 健 登録番号 21476
事務所 兵庫県神戸市中央区中町通2 あしたの法律事務所
2 処分の内容 戒 告
3 処分の理由の要旨
被懲戒者は、有限会社AのBに対するA社の取締役の地位にないことを仮に定める仮処分命令の申立てにおいて、A社の代理人であったところ、Bの代理人であった懲戒請求者C弁護士について2015年9月14日付け主張書面及び同月16日付け主張書面において、それぞれ「この手の弁護士は、交渉時に独自の理論を強弁して、話せば話すほどに混乱を極めるタイプである」「このような主張を堂々と展開する債務者代理人の社会通念には疑問を呈するよりない」と記載した。
また、被懲戒者はBがDを被告として提起した離婚等請求訴訟におけるDの代理人であったところ2016年11月4日、弁論準備手続期日において陳述書の記載内容をめぐってBの代理人であった懲戒請求者C弁護士との間でやりとりがあった後、裁判官が指揮して行う弁論準備手続中に懲戒請求者C弁護士に対して「ほんなら、表に出て話をするか」と強い口調で述べた。4処分が効力を生じた年月日 2018年3月6日2018月6月1日 日本弁護士連合会
⑥弁護士の倫理観が欠如している。ヒステリー気味の言動がみられる
1 懲戒を受けた弁護士 氏 名 佐賀悦子登録番号 25874
事務所神奈川県横浜市中区相生町1 横浜あかり法律事務所
2 処分の内容 戒 告
3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者にかかる本件懲戒請求事件につき横浜弁護士会は被懲戒者、A弁護士、B弁護士、C弁護士及びD弁護士(以下被懲戒者らという)が弁護士である懲戒請求者の実名を挙げて「弁護士としての倫理観が欠如している」「ヒステリー気味な言動が見られる」などの記載がある E作成の報告書(以下本報告書という)を最高裁判所に送付して訴訟記録に編綴されることにより何人でも閲覧することが可能な状態に置いて懲戒請求者の社会的評価及び弁護士としての信用を低下させた行為が懲戒請求者に対する名誉毀損を構成するとともに弁護士職務基本規定第70条に違反するとしながら情状を総合考慮すると直ちに弁護士としての品位を失うべき非行であるとまでは評価できず被懲戒者を懲戒しないと決定した。(2)しかしながら本件報告書はかつてEが作成した文書そのものではなく、もともとの報告書中一部の人についてはマスキングをしてコピーしたもの、手書きの同報告書を作成すると至った経過を被懲戒者において改めてまとめたものからなるものであり、これを被懲戒者らが作成したものではないと有利な情状とした横浜弁護士会の評価は妥当性を欠くというべきである。また懲戒請求者の実名が文書の成立の真正性に結び付くことを示す事情はないし、さらに仮に懲戒請求者の実名を記載することについてEから強い要請があったとしても、そのことによって懲戒請求者に対する行為の不当性が治癒されることは認められない、また判決に従って懲戒請求者に損害賠償金の支払をしたことは弁護士として当然のことでありこれを有利な情状として考慮することは相当でない。本件は被懲戒請求者らが争点は何らの関係がないにもかかわらず弁護士たる懲戒請求者の名誉を毀損する部分を残したまま、これを含む書面を殊更提出したのであり訴訟上の権利の濫用にあたるとされる特段の事情があるというほかなく弁護士として品位を失う非行に当たるといわざるを得ない、したがって被懲戒者を懲戒しないとした横浜弁護士会の決定を取消し、被懲戒者を戒告するのが相当である。4 処分が効力を生じた年月日 2014年9月13日
2014年11月1日 日本弁護士連合会
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以上、暴言心ない発言でした。以下は今年の不思議な懲戒処分
みせしめ懲戒 バイト禁止
懲 戒 処 分 の 公 告1 処分を受けた弁護士 氏 名 大田垣 万里登録番号 33551事務所 東京都江東区塩浜2 木場南法律事務所
処分の内容業務停止1年
3 処分の理由
(1)被懲戒者は、2013年12月分から2015年8月分までの所属弁護士会のうち合計90万8000円を滞納した。
(2)被懲戒者は2014年11月から同年12月までの間アルバイトをし、営利を目的とする業務を営む者の使用人となったにもかかわらず、所属弁護士会への届出義務を果たさなかった。
(3)被懲戒者の上記(1)の行為は所属弁護士会の会則第24条第1項に、(2)の行為は弁護士法第30条第1項第2号に違反しいずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。4 処分の効力を生じた年月日 2017年10月31日2018年2月1日 日本弁護士連合会
よくわからない? 何か起こったらしい
懲 戒 処 分 の 公 告
1 処分を受けた弁護士 職務上氏名 和 賀 弘 恵 登録番号50035
事務所 京都市中京区蛸薬師通烏丸西入る みつ葉法律事務所
2 処分の内容 戒 告
3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は、2014年11月25日、所属弁護士会の会館内において、相談の待機時間中、上記弁護士会の特定の職員を名指しして宗教団体Aに所属しているのか尋ね、また上記弁護士会の職員にA団体の会員がいると指摘した上、特定の宗教団体に属していることは問題であるため辞めさせるように申し述べた。
(2)被懲戒者は、2015年8月11日、ビル内の相談室を予約なしで使用していたところ、予約なしで相談室を使用するのは3回目である旨上記弁護士会のB弁護士から告げられ、相談者と共に退室したが、相談者が帰った後、上記ビル3階フロアにおいてB弁護士と対峙する状態となり、手を振りかぶってB弁護士の頬を平手打ちしようとし、これを避けようとしたB弁護士の前頭部に被懲戒者の手を接触させた。
(3)被懲戒者の上記行為は弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。4 処分が効力を生じた日 2017年10月8日
2018年1月1日 日本弁護士連合会
懲戒請求者は離婚事件の当事者の妻となっているが、代理人の女性弁護士であるということがバレバレ、M地という愛知の女性弁護士が先輩に尊敬もできない風土を作った愛知弁護士会
懲 戒 処 分 の 公 告
1 処分を受けた弁護士氏名 城野 雄博 登録番号 22455 愛知県弁護士会事務所 名古屋市東区泉2-15-4 城野総合法律事務所
2 処分の内容 戒 告
3 処分の理由
被懲戒者は、懲戒請求者の夫Aから面会交流調停等の事件を受任したところ、2015年3月3日、面会交流に関する連絡の際、懲戒請求者の代理人B弁護士の事務所の事務員に対し、同日時点でB弁護士に係る懲戒事由に該当する可能性がある具体的な事実が存在したとは考えられないにもかかわらず、AとしてはB弁護士に対する懲戒申立て等の対応も考えざるを得ない、弁護士自身の姿勢の問題であり、20年先輩の弁護士からの忠告だと述べ、さらにその発言を上記事件の同月17日付け準備書面に記載した。被懲戒者は、上記事件において、同年6月19日付け準備書面に、懲戒請求者の「『ごね得』を許し」と同年9月30日付け準備書面に「これらが全て『演技』であったとすれば、大女優顔負けでその神経は並大抵ではなく」、「笑止千万、呆れてモノが言えない」、懲戒請求者の主張は「『虚飾』」と『我が儘』の域を出ておらず」と記載する等、懲戒請求者を嘲笑する意味合いが含まれていることが否定できず、人に著しく不愉快な思いをさせ、人の心を傷つける文言や文章を記載した。
被懲戒者の上記行為は弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。4 処分の効力を生じた年月日 2017年12月8日
2018年4月1日 日本弁護士連合会
上半期 除名・退会命令
佐々木 寛 35040(東京) 除名 処分日 2018年3月6日
永野 貫太郎 11858(第二東京) 除名 処分日 2018年1月31日
弁護士法人菅谷法律事務所(東京)除名 自由と正義2018年1月号
安達 浩之 39546 (第二東京) 退会命令 処分日1月31日
清水 修 20158 (第一東京)退会命令 自由と正義2018年2月号