弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌2018年2月号に掲載された弁護士懲戒処分の公告
東京弁護士会・太郎浦勇二弁護士の懲戒処分の要旨
過去に処分歴ナシのベテラン弁護士に業務停止2年の懲戒処分。退会命令にならないだけでもマシではないかという処分、武士の情けで最後は自分で出処進退を決めなさいということでしょうか
2018年12月5日現在 日弁連弁護士検索では出てきません。弁護士登録を抹消されたようです。
【処分理由】
相続事件を受任、預かった財産をなかなか返還しなかった。
懲 戒 処 分 の 公 告
東京弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下の通り通知を受けたので懲戒処分の公告公表に関する規定第3条第1号の規定により公告する
1 懲戒を受けた弁護士
氏 名 太 郎 浦 勇二
登録番号 15828
事務所 東京都千代田区九段北4-1-5 市ヶ谷法曹ビル602
太郎浦法律事務所
2 処分の内容 業務停止2年
3 処分の理由
被懲戒者は、懲戒請求者から、2013年4月11日懲戒請求者の財産の管理処分及び死後の遺言書作成執行等に関する一切の件、並びに懲戒請求者の配偶者であったAの相続財産等の処理及び遺産分割に関する一切の件を受任し、その後、懲戒請求者の財産合計7780万7079円及びAの財産8029万2786円を預かったところ、2014年11月7日、懲戒請求者について成年後見が開始し、懲戒請求者の成年後見人B弁護士から懲戒請求者から預託を受けていた預かり金の引き渡しを求められたのにこれを拒み、B弁護士が懲戒請求者を代理して提起した預託金等返還請求訴訟の第1審において、2017年3月28日、懲戒請求者が支払ったとして当時者間で争いのない額及び被懲戒者の正当な報酬額として認定された額を控除した残金である1億3185万0403円及びその遅延損害金の支払を命じる判決がなされ、被懲戒者の控訴が棄却されたにもかかわらず、2018年3月22日にB弁護士と和解契約を締結し、上記1億3185万0403円をB弁護士に支払うまで返還を行わなかった。
被懲戒者の上記行為は弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4 処分が効力を生じた日 2018年8月21日 2018年11月1日 日本弁護士連合会
(東京弁護士会会報【リブラ】に掲載された懲戒処分の公表)
懲 戒 処 分 の 公 表
本会は下記会員に対して、弁護士法第57条に定める懲戒処分をしたのでお知らせします。
記
被 懲 戒 者 太郎浦 勇二(登録番号 15828)
登録上の事務所 東京都千代田区九段北4-1-5
太郎浦法律事務所
太郎浦法律事務所
懲 戒 の 種 類 業務停止2年
効力の生じた日 2018年8月21日
懲戒理由の要旨
1、被懲戒者は、懲戒請求者Aから2013年4月1日①Aの財産の管理処分及び死後の遺言書作成執行等に関する一切の件並びに②Aの配偶者であるBの相続財産等の処理及び遺産分割に関する一切の件を受任し、Aの財産については2013年10月30日までに7780万7079円を、Bの相続財産については2013年11月5日頃までに8029万2786円を受託した。
1、被懲戒者は、懲戒請求者Aから2013年4月1日①Aの財産の管理処分及び死後の遺言書作成執行等に関する一切の件並びに②Aの配偶者であるBの相続財産等の処理及び遺産分割に関する一切の件を受任し、Aの財産については2013年10月30日までに7780万7079円を、Bの相続財産については2013年11月5日頃までに8029万2786円を受託した。
被懲戒者はこのうち2014年7月15日までにAの妹らに対し、Aの旅行代等として530万円を2013年12月4日にBの相続人らに対しBの遺産分割協議に基づいて1637万8818円を支払った。
2、Aの妹らの申立てに基づき2014年11月7日、Aの成年後見人にC弁護士が選任され、C弁護士は被懲戒者に対し上記①②の弁護士報酬を減額すること、A及びBの通帳、証書及び受託した現金の返還を求めたが、被懲戒者は言を左右にしてこれに応じなかった。
そこでC弁護士は、被懲戒者に対し、被懲戒者が支払った上記の金員合計2167万8818円及び正当な報酬額457万0644円を控除した残金1億3185万0403円及びその遅延損害金を支払えとの判決を言い渡した。
その後、被懲戒者が控訴したが東京高等裁判所は、同年9月27日に控訴を棄却するとの判決を言渡しこの判決は被懲戒者が2018年3月22日に上告受理申立てを取り下げたことによって確定した。
その後、被懲戒者は東京弁護士会懲戒委員会において審査中であった2018年3月22日にC弁護士と和解し1億3185万0403円を同弁護士に返還した。
3、上記各判決で認定されているとおり、被懲戒者の行為はAから受託した預り金を分別管理しておらず、被懲戒者の資産と混在した状況で保有し、この一部を他に流用したことが認められC弁護士が被懲戒者に返還を催告した日の翌日から約3年2か月後に懲戒手続を意識して示談するまでの受託した現金を返還しなかったのであるから、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。 2018年8月21日 東京弁護士会長 安井 規雄