弁護士の懲戒処分を公開しています。
日弁連広報誌「自由と正義」2019年6月号に公告として掲載された弁護士懲戒処分公告
東京弁護士会・高林良男弁護士の懲戒処分の要旨
弁護士法第30条 弁護士の兼業違反
本来、なかなか見つからない弁護士法違反の内容ですが、別件の相続事件から違反行為が分かってしまったようです。本文に懲戒請求者の記載がありませんが、懲戒請求とは通報制度でもありますので、誰かが弁護士会に通報して処分されたという事です。
東京弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表に関する規程第3条第1号の規定により公告する。
1処分を受けた弁護士氏名 高 林 良 男
登録番号 26018
事務所 東京都港区虎ノ門1-5-8
高林綜合法律事務所
2 処分の内容 戒 告
3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は、2008年9月、Aと宅地建物取引業を目的とする株式会社Bを設立し、2009年頃、B社が宅地建物取引業免許を取得する手続をした際、当時の宅地建物取引業法第15条第1項の専任の取引主任者には、常勤性、専従性が求められているにもかかわらず、弁護士業を営んでいた被懲戒者が専任の取引主任者として届けられることを了承した。
(2)被懲戒者は上記(1)の専任の取引主任者となることを了承し、B社の使用人となりながら、所属弁護士会に対し営利業務の届出をしなかった。
(3)被懲戒者は2012年12月にB社の全株式をAとともにCに譲渡し、B社の商号の変更がなされたが2014年4月申立ての遺留分減殺請求訴訟事件及び2015年5月提起の遺留分減殺請求訴訟事件において2013年7月から2014年4月の間に作成されたB社名義の不動産鑑定書を証拠として裁判所に提出した。
(4)被懲戒者は2013年2月にB社が商号変更した後の株式会社Dが宅地建物取引業免許取得のため被懲戒者を専任の取引主任者とする届出をする際、弁護士業を行っていたにもかかわらず、弁護士業に関する職歴を秘匿した略歴書を知事に提出した。
(5)被懲戒者の上記(2)の行為は弁護士法第30条第1項第2号に違反し、上記各行為はいずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4 処分の効力を生じた年月日 2019年2月18日
2019年6月1日 日 本 弁 護 士 連 合 会