弁護士自治を考える会

 

 

タイトル
懲戒に付された場合、登録換え・登録取消はできないのでは?

弁護士のツイッターで,このようなツイートがありました。『懲戒請求を出されると弁護士は登録換え(他の弁護士会に異動)も弁護士を辞めることもできない。』というのがありますが『自由と正義』に以下の登録(取消)情報が公表されていました。

 

 

日弁連広報誌「自由と正義」11月号 弁護士登録取消情報

8月14日 平出 馨  9073  山梨  法17条1号

 

 

報道がありました

 

弁護士会元会長が和解金流用か 山梨  2月12日

山梨県弁護士会は12日、同弁護士会所属の平出馨弁護士(80)=甲府市大手=が依頼者への和解金を流用した疑いがあると発表した。弁護士法などに基づき、綱紀委員会で懲戒処分に向けた調査を進めているという。 

(詳細記事は後記記載)

弁護士法第62条(登録換等の請求の制限)

第六十二条 懲戒の手続に付された弁護士は、その手続が結了するまで登録換又は登録取消の請求をすることができない。

平出弁護士は依頼者の和解金を流用し山梨県弁護士会から懲戒の審議に付されていたはずですが

弁護士登録を抹消されています。

 

弁護士が資格を失い登録取消になる場合は以下の場合です。

弁護士法第17条

(登録取消しの事由)

第十七条 日本弁護士連合会は、次に掲げる場合においては、弁護士名簿の登録を取り消さなければならない。

一 弁護士が第七条第一号又は第三号から第五号までのいずれかに該当するに至つたとき。

 

第七条 次に掲げる者は、第四条、第五条及び前条の規定にかかわらず、弁護士となる資格を有しない。

一 禁錮(こ)以上の刑に処せられた者

二 弾劾裁判所の罷免の裁判を受けた者

三 懲戒の処分により、弁護士若しくは外国法事務弁護士であつて除名され、弁理士であつて業務を禁止され、公認会計士であつて登録を抹消され、税理士であつて業務を禁止され、又は公務員であつて免職され、その処分を受けた日から三年を経過しない者

四 成年被後見人又は被保佐人

五 破産者であつて復権を得ない者

 

簡単には以下の3つの理由です。

  • 弁護士が刑事事件で有罪判決が出た場合
  • 弁護士会から『除名処分』の懲戒処分を受けたもの
  • 破産を申請したもの

出弁護士の場合、懲戒処分はまだ出ていません。刑事で起訴もされていません。

残るひとつの自己破産を申請です。破産を申請し弁護士資格が無くなったということです。

山梨県弁護士会は2月12日に報道があって、すぐに綱紀に懲戒の審議を付したが8月14日に破産申請が出た。しかしこの間6か月間で綱紀委員会の審議、次に懲戒委員会の審議を終えることはできなかった。

弁護士法62条(懲戒が出ていたら登録換え、登録取消はできない)と弁護士法17条(資格が無くなれば登録抹消)この2つの法律では法17条が優先するということになります。

破産申請時に、この方は弁護士会に懲戒が出て判断がまだでていませんから破産申請は受け取れません。ということにはなりません。破産申請事件を受けるのも地元の弁護士です。事情はよく知っています。

弁護士会は現役の弁護士が横領したと報道があれば被害者から苦情が多く寄せられます。弁護士会は懲戒処分を出さなければなりません。横領の場合で被害者に弁済がなければ軽くて業務停止2年、または除名か退会命令でしょう。刑事告訴されて有罪の判決が出れば懲戒処分が間に合わなかったということで処分を出さなくて済みますが裁判中も現役でいて欲しくない。弁護士会は『除名』処分を出したくない。当然でしょう。また報道されて弁護士会長のコメントが必要になります。

弁護士会にとって横領弁護士に出て行ってもらう一番の近道は『破産申請』です。元弁護士になり、もう当会とは関係ありません。弁護士で無くなりましたから処分もできません。苦情は受けませんと逃げることができます。

 

 

過去の例です

福岡弁護士会巨額横領事件

福岡の弁護士が約6億円を横領して逮捕、逮捕前に破産を申請して逮捕時は元弁護士として発票、当然弁護士ではありませんから懲戒処分なし、弁済もなし、弁護士会に苦情、懲戒が多く寄せられていたにもかかわらず、破産させて元弁護士にして記者発表させたのではないかと疑惑が残った。

 

 

岡山弁護士会元副会長、巨額横領事件

約9億円の横領、逮捕された時は現役弁護士、被害者は300人近くなり弁護士会に苦情殺到、岡山の弁護士が被害者のひとりから債権者破産の申請をさせ弁護士資格喪失にして元弁護士として裁判となった。岡山弁護士会は元となった事、破産になった事で弁護士会として被害者救済を一切、行わなかった。

 

東京弁護士会、横領弁護士破産し自殺

依頼者の預り金等を横領した弁護士に懲戒請求を申し立てに東京弁護士会に赴くと東弁事務局がこの弁護士は破産を申請しますから弁護士ではなくなりますから懲戒請求は受けられませんと懲戒請求書を突き返された。確かに破産となり第1回債権者会議の前日に自殺を図り死亡していた。

これらのように、横領弁護士に対し弁護士会は破産をさせ資格を無くし元弁護士にして弁護士会とは無関係という態度を取り被害者からの苦情から逃れる、懲戒処分を出さないで済むことになるのです。これに利用されるのが弁護士法第17条です、弁護士法62条の規定などあってないようなものです。

 

報道記事全文 産経

弁護士会元会長が和解金流用か 山梨

2/12(火) 20:00配信

山梨県弁護士会は12日、同弁護士会所属の平出馨弁護士(80)=甲府市大手=が依頼者への和解金を流用した疑いがあると発表した。弁護士法などに基づき、綱紀委員会で懲戒処分に向けた調査を進めているという。 同弁護士会によると、平出弁護士は特定の企業に対する出資金返還請求事件を受任。昨年5月に和解が成立したが、依頼者39人のうち、少なくとも8人への和解金計約800万円を流用した疑いが持たれている。 8人のうち4人が弁護士会に苦情を訴え、4人が平出弁護士の懲戒処分を求めた。これを受けて、弁護士会が事実関係を聴取したところ、平出弁護士は「借金返済に使った」と流用を一部認めた。 弁護士会は、日本弁護士連合会の規程に基づく調査権限で、直近7カ月間の預かり金口座の取引履歴を調査。和解金の総額は弁護士報酬を含め約4900万円だったが、平出弁護士に入金された口座の残高は1月7日時点で約5万円だったとしている。 平出弁護士は弁護士会に「1100万円を借金返済に充てた」と説明しており、弁護士会はさらに被害者がいる可能性もあるとしている。 綱紀委で懲戒にあたる事実が確認されれば、厳重に処分するとしている。 甲光(こうみつ)俊一会長は「弁護士としてあるまじき行為。迅速に調査し、厳重に処分する」と述べた。「弁護士としての責任感と倫理意識を一層高める努力を重ねる」としている。 平出弁護士は昭和39年に法曹資格を取得後、同年に県弁護士会に所属。主に民事訴訟を扱い、昭和56年4月から1年間、弁護士会の会長を務めた。ある弁護士は「ここ数年会っていない」と話した。 平出弁護士の事務所兼自宅の近所の女性(72)は「穏やかな人なのでびっくりした。ここ1週間は家の出入りがない感じです」と驚いた様子だった。

引用

https://www.sankei.com/affairs/news/190212/afr1902120026-n1.html