弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2005年6月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・京都弁護士会・近藤忠孝弁護士の懲戒処分の要旨

処分理由・依頼者に無断で債務整理

懲 戒 処 分 の 公 告

京都弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

          記

1 懲戒を受けた弁護士

氏名 近藤忠孝 

登録番号 8345

事務所 京都市下京区新町通七条下がる

近藤忠孝法律税務事務所 

2 懲戒の種別 戒 告  

3 処分の理由の要旨

被懲戒者は2000年11月頃、面識のあるBがAの代理人と称して債務整理を依頼してきたことから、Bが真実Aの依頼してきたことから、Bが真実Aに頼まれてAの債務整理を依頼に来たと誤信し、Aの意思確認を直接確認することもなく、またAから委任状を徴することもしないまま、Aの代理人として懲戒請求者を含む各債権者と債務整理の交渉を行い、同年12月28日付けで債務弁済確認書を交わした、しかし実際はA名義の各債務はBがAの名義を無断で使用して借り入れたものであり、被懲戒者に対する債務整理の依頼についてもBがAに無断でしたものであった。

弁護士に対する社会的信頼は、弁護士は有効適正な代理人活動を通じて正義にかなった紛争解決をするとの期待の上に成り立っているものであると考えると、被懲戒者の上記無権代理行為は極めて軽率であり弁護士全般に対する信頼を損ねかねないものであって、弁護士法第56条第1項所定の所属弁護士会の秩序又は信用を害する行為にあたる。

もっとも被懲戒者は以前Bの紹介でAの離婚調停事件を受任し離婚調停を成立させたり、Bが友人や親せきの事件を被懲戒者に紹介したことがあるなど、被懲戒者が本件についてもA本人の委任があると誤信したことについては酌むべき事情があること、Aが被懲戒者を宥恕しており、また懲戒請求者も宥恕して懲戒請求を取り下げているなどの事情に照らし、戒告処分とすることが相当である。

4処分の効力の生じた日 2005年3月18日 2005年年6月1日 日本弁護士連合会