弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2007年6月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・京都弁護士会・竹下義樹弁護士の懲戒処分の要旨
処分理由・競争妨害に加担
京都弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。
記
1 処分を受けた弁護士
氏名 竹下義樹
登録番号 18989
事務所 京都市中京区御幸町通夷川上ル松本町568
つくし法律事務所
2 懲戒の種別 戒 告
3 処分の理由の要旨
被懲戒者は2002年10月中旬頃、約1か月半後に改札日の指定された競売手続中の土地上に建物の所有名義を有するAらから借地権確認訴訟を提起してほしい旨の相談を受けた。同建物は、Aらの関係者が2001年7月6日に競落したものであって、その時の物件説明書には土地利用権限がない旨の記載があり、相当長期間代金が支払らわれたこともなく、Aらも借地権承継に関して地主の承諾を得ていなかったが、被懲戒者は、別の関係者から土地賃貸借契約は締結している旨聴取し、また、建物の保存登記が土地の抵当権設定の日付けに先んじていることから早期に勝訴できると判断し2002年10月28日、土地所有者を相手に借地権確認訴訟を提起した、
ところが同年11月3日頃、当該建物に借地権があることや係争中であること等が記載された被懲戒者の法律事務所名義の外観のある看板等が多数掲示されるに至った。
これを知った被懲戒者は競売妨害になると思い、Aらに看板等の撤去を指示したが、法律事務所の名義部分のみ削除される止まり、結局、看板等が撤去されないまま競売手続及び借地権確認訴訟が進行し、被懲戒者は、第2回口頭弁論後の2003年3月15日に訴えを取り下げるまで同訴訟を進行した。
被懲戒者はAらの競売妨害目的に積極的に加担したももではないが、弁護士として競売妨害目的に利用されないよう慎重かつ適正な判断と行動を求められるところ、借地権確認訴訟の提起に際して借地権が合理的に認められる程度の事実関係及び法令関係の調査を尽くしたとは言い難く、しかも遅くとも上記看板の掲示を知って以降は、自らが競売妨害行為に利用されていることを認識しながらその妨害行為の外形を確実に排除することを怠って訴訟を追行し、結果的にAらの競売妨害行為に荷担したものといえ、上記被懲戒者の行為は弁護士法第56条第1項の品位を失うべき非行に該当する。
4処分の効力の生じた日 2007年2月3日 2007年年6月1日 日本弁護士連合会