綱紀審査会の審査相当事案 日弁連広報誌「自由と正義」2021年3月号
弁護士に非行があれば所属する弁護士会に懲戒請求の申立ができます。当事者でなくても構いません。
①所属弁護士会で棄却と議決された場合は次に日弁連に異議申立ができます。
②日弁連綱紀委員会で異議が棄却された場合、
③最後に「綱紀審査会」に審査請求ができます。
日弁連で異議が認められ処分なるのは年に1件か2件、綱紀審査会で審査請求が認められるのも年に1件あるかないかです。この後は所属弁護士会の懲戒委員会に付され処分が決まります。
好訴妄想
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E5%A5%BD%E8%A8%B4%E5%A6%84%E6%83%B3/
審査相当事案について
(1)事案の概要
対象弁護士が、ソーシャルネットワーキングサービス(以下「SNS」という。)に意見を投稿した申立外の故人である弁護士(以下「A弁護士」という、)に対しA弁護士に対する否定的表現を含む投稿(以下「本件投稿」という。)をしたことが弁護士としての品位を失うべき非行に当たるとされた事例。
本件投稿の表現内容が問題となり、原弁護士会綱紀委員会は原弁護士会懲戒委員会に審査を求めないことを相当とする旨判断し、当連合会綱紀委員会も結論においてこの判断を支持した。
(2) 綱紀審査会の議決の理由の要旨
① 事実
対象弁護士はSNSであるフェイスブックを利用しており、弁護士や市民運動関係者等の約1000名が対象弁護士の「友達」として登録されていた。対象弁護士はA弁護士の活動に対しフェイスブック上に書き込みをしたが、それが端緒となりA弁護士との間で激論となった、その後A弁護士は死亡し、対象弁護士はほどなくその事実を知り、SNSであるツイッターを通じて「好訴妄想の弁護士さんを知っている。Bに住んでいた人、死去されたらしい。」「好訴妄想(こうそもうそう)」英querulous delusion,独 Querulantenwahn)は妄想反応の一種で、独善的な価値判断により自己の権益が侵されたと確信し、あらゆる手段を駆使して一方的かつ執拗な自己主義を繰り返すものをいう」と投稿した。(本件投稿)
(3)判断
弁護士は弁護士としての職務の遂行に関し批判的な立場を含む様々な立場から論評されることを甘受すべき立場にあるから、弁護士が弁護士を批判する行為が直ちに品位を失うべき非行に当たるとはいえない。 
しかし、対象弁護士は本件投稿において「好訴妄想の弁護士さんを知っている」との表現に続けて「好訴妄想」の英語表記やドイツ語表記を併記し、その具体的病態を記載しており、これを閲覧した一般人に対し、「好訴妄想」があたかも国際的に認められた医学的疾病であるかのような印象を与え、よって、A弁護士が精神的疾患を抱えていたのではないかととの印象を与えるものである。
本件投稿の表現はA弁護士を不当に中傷するものであり、A弁護士の生前の職務の遂行に対する批判として行われたものであることを考慮しても、正当な論評の範囲を逸脱したものと言わざるを得ない。
死者の名誉であっても一定の範囲で保護されるべきであり少なくとも死者の名誉を不当に害する行為は弁護士としての品位を失うべき非行に当たり得る。
そして、対象弁護士のフェイスブックの本件投稿は弁護士職務基本規程第6条及び第70条に違反し、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に当たる。 
(3) 綱紀審査会の議決の年月日 2020年11月10日
弁護士自治を考える会
当会記事2015年11月26日
竹内佑馬弁護士(愛媛)がお亡くなりになりました。11月22日

竹内佑馬先生のご逝去の報を受けまして、ただただ驚くばかりでございます。
心よりお悔やみ申し上げ、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
ご遺族におかれましては、さぞご無念のことと拝察いたします。
お心を強くもたれ一日も早く笑顔を取り戻されますよう祈るばかりでございます。

                                                   平成27年(2015年)11月27日

                                                   弁護士自治を考える会 関係者 一同

高島弁護士の懲戒処分は2016年8月23日、懲戒請求の申立は生前でした。

懲 戒 処 分 の 公 告 2017年1月号

新潟県弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告公表に関する規定第3条第1号の規定により公告する

1 懲戒を受けた弁護士

氏 名  高島章  登録番号22968  事務所新潟県中央区東中通一番町

高島章法律事務所

2 処分の内容  戒 告

3 処分の理由の要旨

(1)被懲戒者は2015年3月31日、多数の者が閲覧することが可能なインターネット上のソーシャルネットワーキングサービスにおいて、懲戒請求者A弁護士に対し『お前は馬鹿だ』、『あなたが弁護士を辞めろ』、『あなたと顔を合わせた際、第一にやることはあなたを殴ることです』等の攻撃的かつ威圧的で懲戒請求者A弁護士を屈辱する書き込みをした。

(2)被懲戒者は、2015年4月13日、上記ソーシャルネットワーキングサービスにおいて、懲戒請求者A弁護士について懲戒事由があることを事実上法律上裏付ける相当な根拠について調査、検討をした形跡もないまま、懲戒請求者A弁護士に対する懲戒請求案として7項目にわたる非行事実の骨子を示した上、相当程度の業務停止処分を科するのが相当である旨の書き込みをした。

(3)被懲戒者の上記行為は弁護士職務基本規定第6条に、上記(2)の行為は同規定第70条及び第71条に違反し上記各行為はいずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

4 処分の効力を生じた年月日 2016年8月23日

2017年1月1日   日本弁護士連合会

 

弁護士職務基本規定

(名誉の尊重)第七十条 弁護士は他の弁護士、弁護士法人及び外国法事務弁護士(以下弁護士等という)との関係において、相互に名誉と信義を重んじる。(弁護士に対する不利益行為)

第七十一条 弁護士は信義に反して他の弁護士等を不利益に陥れてはならない

 

懲戒処分の理由は、A弁護士にSNSで屈辱的な書き込みを行ったという内容です。要旨にあるA弁護士とは愛媛の竹内佑馬弁護士、(47606) 2015年秋に亡くなりました。死因は発表されていません。まだ新婚でした。

竹内弁護士のお子さんも竹内弁護士が亡くなった3日後に死亡されています。彼は元々福島の自由法曹団の有名な弁護士の事務所に勤務していましたが、ある理由から愛媛に帰り自分の事務所を設立しました、純粋でまっすぐな正義感の持ち主で、ベテラン弁護士らの法曹倫理、事件処理には納得いかないものがあったようです。

弁護士でありながら、私たちと同じような市民感覚に近いものがありました。弁護士に対する懲戒請求も多く出していました。 弁護士らは、竹内弁護士が弁護士仲間を批判する。青臭い正義感が許せないと【2ちゃんねる】等に竹内弁護士に対する誹謗中傷を書きこみました。弁護士でもないものが弁護士になりすましての書き込みもあり、彼は心を痛めていきました。

竹内弁護士は、SNSに書き込みをした高島弁護士を名誉毀損で訴えました。そして新潟県弁護士会に懲戒請求を申し立てました。この懲戒処分の要旨には高島弁護士の書き込みしか書かれていませんが実際は互いにバトルをしたのではと思います。高島弁護士からご連絡をいただきましたが、竹内弁護士も相当な攻撃をしていたこと。高島弁護士も「俺も言い過ぎたかも」と述べておられました。懲戒請求者が亡くなっても懲戒審査は続きます。竹内弁護士に対し申し立てられた懲戒請求は対象弁護士死亡につき終了です。竹内弁護士が高島章弁護士を訴えた裁判は原告欠席で終了でした。

今回の綱紀審査会の審査相当の理由は竹内弁護士がお亡くなりになった後の高島弁護士のツイートです。

竹内弁護士が亡くなった後の高島弁護士のツイートです

高島章(弁護士)@BarlKarth· 7時間

「あらゆる手段」「徹底的に」「断固とし て」「直ちに」「懲戒請求」・・・・時々 聞く言葉だよなぁ。

高島章(弁護士)@BarlKarth·

好訴妄想(こうそもうそう、英: querulous delusion、独: Querulantenwahn)は、妄想反応の一種で、独善的な価値判断により 自己の権益が侵されたと確信し、あらゆる 手段を駆使して一方的かつ執拗な自己主張 を繰り返すものをいう。

高島章(弁護士)@BarlKarth·

好訴妄想の弁護士さんを知っている。四国に住んでいた人。死去され たらしい。

2015年当時、弁護士の間で論争となっていた事件、故竹内弁護士はこの宮崎の弁護士に懲戒請求を申立を行いました。 懲戒請求は棄却になったと思います。

宮崎強姦事件告訴取下強要;懲戒請求事件・対象弁護士代理人の主張