弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」20210年11月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・愛知県弁護士会・瀬辺勝弁護士の懲戒処分の要旨
処分理由・預り金を流用
報道
愛知県弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。 記
1 処分を受けた弁護士氏名 瀬辺 勝
登録番号 12859
事務所 名古屋市南区呼続1-3-22 第2三和ビル203号
総合法律事務所ZERO
2 懲戒の種別 業務停止1年6月
3 処分の理由の要旨
(1) 被懲戒者は、2017年9月11日に死亡したAの遺言執行者に就任したところ、同年10月12日、A名義の普通預金口座を解約し、解約に伴う払戻金2399万3277円を同日付けで被懲戒者が通常業務で使用している被懲戒者名義の口座に入金して自己の金員と区別せずに管理し、遺言執行業務とは何の関係もない支払や預り金の返金に繰り返し流用した。
(2) 被懲戒者は、懲戒請求者Bから受任していた交通事故による人身損害についての損害賠償請求事件に関し、懲戒請求者Bに対し、2020年2月に上記事件を辞任する旨の書面を送ったが、懲戒請求者Bから預かった各書類をどこでどのように保管していたか明確にすることができず、また、懲戒請求者Bに対し、預かった書類の多くが存在すると思われる場所を伝えただけで書類の返還義務を果たさなかった。
(3) 被懲戒者は、上記(2)の交通事故による車両損害に関し、懲戒請求者Cから損害賠償請求事件を受任したが、2019年9月頃、車両の保管場所を変更したことを懲戒請求者Cに報告しないなど、適切に事件の経過を報告しなかった。また、被懲戒者は、懲戒請求者Cに対し、2020年2月に上記事件を辞任する旨の書面を送ったが、被懲戒者Cから預かった各書類をどこでどのように保管していたかを明確にすることができず、懲戒請求者Cに対し、預かった書類の多くが存在すると思われる場所を伝えただけで書類の返還義務を果たさず、また、委任の終了に当たり事件処理の状況の報告を適切に行わなかった。
(4) 被懲戒者の上記(1)の行為は預り金等の取扱いに関する規定第2条及び第4条並びに弁護士職務基本規程第38条に、上記(2)の行為は同規程第39条及び第45条に、上記(3)の行為は同規程第36条、第39条、第44条及び第45条に違反し、いずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4処分が効力を生じた日 2020年6月1日 2021年11月1日 日本弁護士連合会