弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2022年1月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・大阪弁護士会・清河雅孝弁護士の懲戒処分の要旨

処分理由・事件記録の書類の取扱いの不手際

弁護士職務基本規程第18条では上記の違反となっていますが、厳密にいえば守秘義務違反にも問われそうな事案、

弁護士職務基本規程第18条(事件記録の保管等)
弁護士は、事件記録を保管又は廃棄するに際しては、秘密及びプライバシーに関する情報が漏れないように注意しなければならない。

弁護士は書き損じの訴状等がもったいないからと裏の白紙をメモ用紙にして相談者に渡す場合があり。メモの裏に他の事件の内容が書かれてあり驚くことも。依頼者との関係が良好なら『先生ダメですよメモの裏にいろいろ書いてありましたよ、破棄しますね!』で済みそうですが、依頼者との関係で何かあれば懲戒申し立てとなります。

以前、新橋の二弁の懲戒スターの先生、依頼者に準備書面ができたとUSB一個を渡した(一太郎)USBには他の事件の訴状やら準備書面もありました。これも依頼者との関係が悪化したため懲戒申立になりましたが、この先生はUSBは誰かに盗まれたと答弁し二弁綱紀もそれを信じ二弁綱紀は懲戒請求者が盗んだと棄却した。

この程度の内容で処分されたのではなく、他にも懲戒事由はあったけれど、処分するにはこれしかなかった、と見るのがよいのではと思います。

懲 戒 処 分 の 公 告

 大阪弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。          記

1 処分を受けた弁護士氏名 清河雅孝

登録番号 30312

事務所 大阪市北区西天満1-8-9ヴイーグタワーOSAKA2406

清河法律事務所 

2 懲戒の種別  戒告  

3 処分の理由の要旨

被懲戒者は、懲戒請求者から損害賠償請求事件を受任していたところ、懲戒請求者と打ち合わせをする際、事務職員に対して資料を印刷して作成するよう指示し、上記事務職員が裏面に他の依頼者の顔写真が印刷された用紙を使用して資料を作成したが、その裏面に秘密情報等が印刷されていることを確認することなく懲戒請求者及びその通訳人に交付した。

被懲戒者の上記行為は弁護士職務基本規程第18条に違反し、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

4処分が効力を生じた日 2021年9月7日 2022年7月1日 日本弁護士連合会

(別件)懲 戒 処 分 の 公 告 2009年12月号

横浜弁護士会(現神奈川県弁護士会)がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。          記

1 処分を受けた弁護士氏名 高原将光 登録番号 21863  高原法律事務所

2 懲戒の種別  戒告  

3 処分の理由の要旨

被懲戒者は懲戒請求者から委任を受けた民事訴訟事件の手控用記録を作成するため既済で不要となった刑事弁護事件記録の裏面白紙部分を利用して書類を印刷し記録として編綴していた上記刑事弁護事件の記録の裏面白紙部分を利用したものには、詐欺被害者氏名等一覧表被疑者氏名、顔写真のコピー書面及び供述調書の一部等が含まれこれらは第三者の秘密や プライバシーに該当する内容であるにもかかわらず被懲戒者はそのことを失念し。2009年3月24日上記民事訴訟事件を合意により辞任した際、廃棄することなく上記刑事弁護事件の記録を利用した書類を含む手控用記録すべてを懲戒請求者に交付した被懲戒者の上記行為は弁護士法第23条及び弁護士職務基本規定第18条に違反し弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する

4 処分の効力の生じた日  2009年7月28日 2009年12月1日   日本弁護士連合会

弁護士懲戒処分「守秘義務違反の処分例」 【2】