弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2022年6月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・神奈川県弁護士会・佐々木智英弁護士の懲戒処分の要旨

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処分理由・事件放置、会費滞納、苦情処理に対応しない、連絡が取れない

佐々木智英弁護士は登録を取消されました。

当会会員に対する懲戒処分についての会長談話 2021年12月21日

本日、当会は、2021年10月20日付け懲戒委員会の議決に基づき、当会の佐々木 智英会員に対し、業務停止1年の懲戒処分を行い、効力を生じました。今般の懲戒処分は、同会員が、

①録音反訳等を自ら発注し、その納品を得ておきながら、受注者が提訴した少額訴訟の認容判決が確定しても直ちにはその代金を支払わなかったこと、

②当会の会費等を上記議決日現在において15か月分滞納したこと、

③当会市民窓口に同会員に関する多数の苦情が寄せられたために、当会役員から繰り返し呼び出しや連絡を試みたものの適切に対応せず、当会と連絡困難な状況を作出し、同市民窓口の機能や設置目的を妨げる等したこと、

④国選弁護人として選任された刑事弁護事件において、裁判所が同会員と連絡がとれなくなり、裁判所により解任されたこと、⑤受任した損害賠償事件について、依頼者に処理状況等を適時適切に説明せず、連絡のとれない状況にしたことによるものです。

これらの多岐にわたる行為は、いずれも弁護士の品位を失う非行(弁護士法第56条1項)に当たる行為であり、当会のみならず、市民や裁判所、諸機関等に多大な支障を及ぼす重大なものです。ひいては、弁護士や当会に対する市民の皆様の信頼を損なうものであって極めて遺憾と言う外ありません。

当会としては、弁護士及び弁護士会に対する信頼回復に努め、弁護士の職務の適正の確保に向けてより一層真摯に取組を行う所存です。

2021年12月21日 神奈川県弁護士会 会長 二川 裕之

報道 苦情に対応しないか 男性弁護士を業務停止の懲戒処分 2021年12月20日

業務に対して依頼者などから30件を超える苦情があったにも関わらず対応しなかったなどとして県弁護士会は21日、所属する40歳の男性弁護士を業務停止の懲戒処分にしました。 1年の業務停止の懲戒処分となったのは、横浜市神奈川区にある法律事務所の代表である40歳の男性弁護士です。 県弁護士会によりますと、男性弁護士は、おととし4月からおよそ2年間、県弁護士会に設置された市民窓口に30件以上の苦情が寄せられたにも関わらず依頼人などからの連絡に応じなかったなどということです。 苦情の内容は主に「弁護士と連絡がとれない」などで県弁護士会は男性弁護士に対して繰り返し呼び出しを行いましたが、「体調不良なのでいけない」などとして応じませんでした。 県弁護士会の二川裕之会長は、「弁護士職務の適性確保に向けて、より一層真しに取り組みを行う所存です」とコメントしています。

tvkニュース(テレビ神奈川)https://news.yahoo.co.jp/articles/46a209da53b3b18ffee992b2ae46215b8b187b18

懲 戒 処 分 の 公 告

 神奈川県弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

          記

1 処分を受けた弁護士

氏名 佐々木智英

登録番号 40257

事務所 横浜市神奈川区六角橋5-6-5スぺランツア六角橋101

佐々木智英法律事務所 

2 懲戒の種別 業務停止1年 

3 処分の理由の要旨

(1)被懲戒者は、2015年5月28日、懲戒請求者Aに対し、音声の完全逐語反訳等を発注し、その成果物の納品を受けたが、懲戒請求者Aから代金5万7200円の支払を再三督促され、その支払を求める少額訴訟を提起され、懲戒請求者Aの請求を認める判決が確定したにもかかわらず、その支払を速やかに行わなかった。

(2)被懲戒者は、2017年11月18日、懲戒請求者BからCに対する損害賠償請求事件を受任したが、懲戒請求者Bに対し、損害額の算定やCとの交渉について十分な連絡をせず、その後連絡がつかなくなり具体的な事件処理を進めず、また、2020年3月11日にようやく連絡がついた際、事件処理が進んでいないこと等を謝罪するとともに事件処理に関する誓約書を提出したがこれも実行せず、Cとの交渉状況につき事実に基づかない説明をした。

(3)被懲戒者は、2019年8月分から2020年6月分までの11か月分の所属弁護士会及び日本弁護士連合会の会費を滞納した。

(4)被懲戒者は、所属弁護士会の市民窓口に被懲戒者について多数の苦情申出がなされたことを受け、所属弁護士会から複数回の呼出しや連絡を求める通知等がなされたにもかかわらず、これに応答せず、自己の都合により所属弁護土会の役員との対応をも適切に行わなかった。

(5)被懲戒者は、弁護人として選任された国選弁護事件において、2020年3月25日の期日を最後に連絡が取れなくなり、裁判が進行しないことを理由に、裁判所から弁護人を解任された。

(6)被懲戒者の上記(3)の行為は所属弁護士会の会則第110条及び日本弁護士連合会会則第95条に違反し、上記各行為はいずれも弁護土法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

4処分が効力を生じた日 2021年12月21日 2022年6月1日 日本弁護士連合会