弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2022年6月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・第二東京弁護士会・岩本一馬弁護士の懲戒処分の要旨

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処分理由・破産事件放置、裁判に協力せず、依頼者に連絡せず

過去に処分歴なく、処分が甘いと言われる二弁が珍しくこの処分です。

受任業務放置など 弁護士を懲戒処分=東京 2022年1月17日 読売
 第二東京弁護士会は17日、同会所属の岩本一馬弁護士(44)を15日付で、業務停止1年の懲戒処分にしたと発表した。

 同会によると、岩本弁護士は2017年3月までに依頼者から受任した自己破産の申し立てを約3年3か月にわたって放置。別の損害賠償請求訴訟では、被告側の代理人となりながら19年12月の弁論準備手続きに出頭せず、20年3月に代理人を辞任するまで裁判所の連絡にも返答しなかった。 岩本弁護士は同会の調査にも応じなかったという。

懲 戒 処 分 の 公 告

第二東京弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

          記

1 処分を受けた弁護士

氏名 岩本一馬

登録番号 33063

事務所 東京都新宿区西新宿3-9-7-220

 岩本法律事務所 

2 懲戒の種別 業務停止1年

3 処分の理由の要旨

(1)被懲戒者は、懲戒請求者Aから破産手続開始申立事件を受任し、2017年3月に着手金を受領したが、2018年11月頃、来週破産申立てをすると言った後、2020年3月頃まで懲戒請求者Aからの連絡に応じず、同年6月まで破産手続開始の申立てをしなかった。

(2)被懲戒者は、懲戒請求者B弁護士がCの訴訟代理人として提起した損害賠償等請求訴訟において、合同会社Dらの訴訟代理人として活動していたところ、2019年12月5日の弁論準備手続期日に出頭せず、また、係属裁判所からの次回期日調整のための連絡に対し返答せず、期日呼出状が送達されると期日変更申請書を提出したが、その後も係属裁判所からの連絡に返答しなかった。また、被懲戒者は、その後の弁論準備手続期日にも出頭せず、2020年3月24日に係属裁判所が、被懲戒者が訴訟代理人を辞任する旨の上申書を受領するまで、期日指定を繰り返し行わせ、期日呼出状を受領しようとしなかった。

(3)被懲戒者は、上記(2)の訴訟において、代理人となっていた被告の一人であるEに直接連絡を取ったことがなく、その意思を確認しないまま訴訟追行した。また、被懲戒者は、D社らとの関係では、2019年8月の期日以降2020年5月まで、被懲戒者に連絡を取ることができない状況にし、また、同年3月の辞任の連絡もしなかった。

(4)被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士職務基本規程第5条、第6条及び第35条に、上記(2)の行為は同規定第5条、第6条及び第76条に、上記(3)の行為は同規定第5条、第6条、第36条、第44条及び第74条に違反し、いずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

4処分が効力を生じた日 2022年1月15日 2022年6月1日 日本弁護士連合会