京都地裁 損害賠償請求訴訟・反訴請求事件 9月12日 101号大法廷 当事者尋問

平成29年夏に父親とその愛人が子ども(当時小1女児)を連れ去った。令和3年に実の母らに連れ戻された。すると父親の愛人が『その子は私が育てる方がいい、なぜ連れもどしたのよ!』と実の母、祖母に損害賠償請求訴訟を提起、実の母は『何言ってんのよ、あなたが私の子どもを育てる権利を奪ったじゃないの』と反訴9月12日当事者尋問だったが、原告の愛人さんは欠席、実の母親に裁判官・母親の代理人(南出喜久治弁護士)愛人さんの代理人から質問があった。

101号大法廷 筆者がこの法廷で裁判を傍聴するのは3回目、1回目はあの青酸連続殺人事件の裁判員裁判の第1回目約50倍の抽選に当選したあの裁判。

青酸連続殺人事件・6月26日裁判員裁判 傍聴記 午後の部

2回目が、杉田水脈議員(自民)が大学教授らに科研費の問題で訴えられた第1回の損害賠償請求訴訟の裁判、裁判の1回目は被告(杉田水脈氏)の欠席は当たり前ですが満員の傍聴席から逃げた!とか不満の声、原告の大学教授が意見陳述をした。閉廷後、原告らが集会を弁護士会館で開催した。パフォーマンス目的の裁判としかいいようがない裁判

3回目が今回の裁判

前2回は傍聴席満員でした。しかし今回は法廷には当会の人間2名の他3名 計5名、ずいぶん寂しいな~そのうち、2人は裁判所の係員、もうひとりが報道関係者、結局当会の2人しか傍聴人はいなかった。こんな広い法廷ではなくとも他に法廷あるではないか!

やはり私の予想は的中でした。連れ戻し側の南出喜久治弁護士は絶対にマスクをしません。裁判所から言われてもそれは強制か!義務か!お願いか!と問いただし「私はマスクしない」という主義、昨年、傍聴した大阪地裁でもマスクはしていません。101号大法廷であればマスクなしでも大丈夫との京都地裁の計らいだったのでしょうが、大きな法廷で代理人、当事者、裁判官はマスクをしており、大きな法廷で何を言ってんのか不明なところが多くあり、要点のみです。

連れ戻しを実行した実母の陳述(要旨)

母親は連れ戻しとは言わない。親権・監護権のないものから「保護」をしたという。父親と愛人の行為は「連れ去り」と主張。「保護」の後、子どもは不登校(小学校)になった。また父親が連れ去りに来るかもしれない。父親と愛人と暮らしていた時には、夜に母親が誰か連れてやってくると恐怖を与えていた、今度は父親が誰か連れてくると思いこんで家から出られなくなった。警察の保護の下にいること、地元警察が父親に警告を出してようやく登校できるようになった。

何年も裁判を続け双方があの母親はね・・・あの父親はね・・・ということをたくさん聞いて親の、大人の顔色を見るような子どもになったようだ。裁判所で母親への引渡し命令が出た時に返してほしかった。まだ離婚が決まっていないが、父親と愛人が付き合っていたのは子ども連れ去りの前からであり計画的である。

愛人さんの代理人からの質問と回答(要旨)

令和3年3月4日 連れ戻し実行について(写真付きで連れ戻し(保護)様子が証拠として提出されている)それを見ながら代理人は何人で実行したか、実行者に金を払ったか、暴力を振って連れ戻したのではないかと質問

母 親

子どもを保護した時に愛人に暴力は振るっていない。子を守ろうと子どもに覆いかぶさっただけ、事前に警察に知らせてある。小学校の担任と前担任もワンボックスに乗り込んでくれた。子は車に乗って落ち着いた、車の中で子を抱きしめた。子どもはうれしそうだった、その後警察に報告をした。

ここで真実を聞きたければ当事者の一人である原告の愛人さんが出てきて、あの時に私は暴力を受けたとか、子どもは私と離れることを抵抗した。等主張すれば良いと思いましたが欠席ではどうにもならないのではないかと、尋問で愛人側、実母親側代理人は準備書面を示しながら質問をする。ちらっとみえた書面には「連れも戻し」(保護)実行の様子が書面で提出されているようだ。
父親側(連れ去り側)の主張

当日の尋問はないが、父親が連れ去るにも理由があった。裁判資料からみると、母親は子を虐待しており母親の子へのDVからの緊急避難で連れ去ったという医師の陳述書を添えて主張をしている。

最近、ネットなどで「子ども連れ去りは違法」「実子誘拐!」というtweetを見ることが多くなりました。そのほとんどが父親側です。離婚で母親が子どもを連れ去った。もう二度と子どもと会うことはできない。金銭も養育費、婚費、財産分与と父親は出て行くだけだ。

だから先に連れ去った。どこが悪い!離婚とは子の取り合いだ、単独親権なのだから先に連れ去ったものが勝つ!先に連れ去りできなかった人が泣きをみるのだ!

ある日、突然、子どもがいなくなった

そんなことはありません。きっちり用意周到のはず、どこに行くか、どこで暮らすか決めてからの行動です。その証拠に連れ去りした後1日~2日で弁護士からの事件受任通知や調停のご案内が届くはずです。

警察に「未成年者略取誘拐」で告訴する。

どこかの現場を良く知らない国会議員が言ったそうですが、発言以後多くの告訴状が出たと聞いていますが、1件も起訴になったものを知りません。先ず現行法では無理です。ただし警察は告訴状が提出されれば受理してくれます。捜査もある程度やってくれます。今回の母親も警察に告訴状を出し、京都に愛人と同居していると連絡してくれたのは警察だと9月12日の尋問で述べています。

この父親は裁判所の子ども引渡し命令が出たのにも従いませんでした。裁判所が執行に訪れた時に、「ほら怖い人たちが君をさらいにきたよ」と子どもが泣き叫んで、執行官は帰ったとのこと、裁判所の命令があろうと従わなくてもどうということはありません。再度、執行の申立てをすればいいことです。それが民事です。

ただ、この父親の目論見が狂ったのは、「連れ戻し」(保護)されたこと。まさかでしょうね。

父親も刑事告訴

当然、父親も警察に「未成年者略取」容疑で母親らを告訴したそうです。警察で母親らに事情聴取がなされ検察に送られましたが「不起訴」。「連れ去り」も「連れ戻し」も警察は事件化できません。新しく「実子誘拐禁止法」を作らなければ現場の警察官が対応できません、(面会交流中に子どもを車に乗せて逃走、旅館やアパートに潜む事案は逮捕、起訴、有罪の事案はあります) 

今回の裁判は非常に珍しいものでしたが、現在の日本の「離婚事件」「子ども親権」の問題の根深さ、そして解決の方法が無い、行き詰まりをみたような気がしました。

判決言渡し日のお知らせ

京都地裁 11月10日(木)1時10分 令和3年(ワ)1491外

「裁判のお知らせ」子ども取り合い裁判・父親が連れ去り⇒母親が連れ戻し⇒父親の愛人がその子は私が育てるのよ!⇒愛人が実母らを訴えた裁判・当事者尋問日9月12日京都地裁