弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2022年⒑月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告(処分変更)札幌弁護士会・田中燈一弁護士の懲戒処分の要旨

日弁連広報誌「自由と正義」は毎月発行です。特集の読み物も充実しています。

あなたが取った懲戒処分の記念にぜひ1冊。お申込みは、日弁連広報課 自由と正義担当 03(3580)9840年間購読費12000円(税別)1冊でも購入可能です。

報 道

札幌の弁護士が過大報酬請求で懲戒処分 夫婦間の争いで 2020年3月5日NHK

札幌弁護士会に所属する70歳の弁護士が依頼人に対して過大な報酬を請求したうえ、預かり金の返還を拒んだなどとして業務停止2か月の懲戒処分を受けました。

懲戒処分を受けたのは、札幌弁護士会に所属する田中燈一弁護士(70歳)です。
札幌弁護士会によりますと、田中弁護士は4年前、夫婦間の離婚をめぐる争いで一方から代理人としての依頼を受けた際、理由がないのに契約書を作成しなかったということです。さらに、その後、訴えが取り下げられたにもかかわらず、これを前提として報酬額を算出せずに依頼人に過大な金額を請求したうえ、預かり金の返還を拒んだということです。札幌弁護士会は、これらの行為は弁護士としての品位を失うものだとして田中弁護士を4日付けで業務停止2か月の懲戒処分にしました。
札幌弁護士会の坂口唯彦会長は「所属する弁護士が重大な非行に及んだことを厳粛に受け止め、信頼回復に努めていきたい」と話しています。

NHK 引用 https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20220305/7000044105.html#:~:text=

裁 決 の 公 告

札幌弁護士会が2022年3月4日に告知した同会所属弁護士 田中燈一会員(登録番号16524)に対する懲戒処分(業務停止2月)について同人から行政不服審査法の規定による審査請求があり、本会は2022年7月12日弁護士法第59条の規定により懲戒委員会の議決に基づいて、以下のとおり採決したので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第3号の規定により公告する。

 記

1裁決の内容

(1)審査請求人に対する懲戒処分(業務停止2月)を変更する。

(2)審査請求人の業務を1月間停止する。

2裁決の理由の要旨

(1)札幌弁護士会(以下「原弁護士会」という。)は、本件懲戒請求事件につき、審査請求人を業務停止2月の処分に付した。

(2)審査請求人の本件審査請求の理由は、原弁護士会懲戒委員会の議決書に記載のとおりなされた原弁護士会の認定と判断には誤りがあり、原弁護士会の処分に不服なので、その取消しを求めるというにある。

(3)当委員会が審査した結果、原弁護士会懲戒委員会の議決書の認定と判断に誤りはなく、その処分の程度も原弁護士会懲戒委員会の議決当時においてはやむを得ないところである。

(4)しかしながら、審査請求人から当委員会に新たに提出された証拠によれば、審査請求人は、原弁護士会の議決後において、懲戒請求者Aに対し、同人からの預り金158万0165円全額を返還したこと、本件紛争に関する非を認め、本件離婚事件に関する報酬請求権を放棄する旨を通知したことが認められ、かかる原弁護士会懲戒委員会の議決後に生じた新たな事情を斟酌すれば、原弁護士会懲戒委員会の審査請求人に対する処分は現時点においてはいささか重きに失するものになったと考えられ、これを業務停止1月に変更するのが相当である。

3 採決が効力を生じた日2022年7月20日  2022年10月1日 日本弁護士連合会

この処分変更について日弁連は懲戒処分の公表制度を自分たちの都合のいいように利用をしています。懲戒処分を受けて変更があったとしても初めの所属弁護士会の処分の要旨を自由と正義に掲載しなければなりませんが、日弁連は札幌のベテラン弁護士に忖度し札幌の下した処分を掲載せず、変更された処分を自由と正義に掲載しました。こういういいかげんな公表を黙ってするのが日弁連です。