弁護士自治を考える会

日本司法支援センター(法テラス)から事件を受けた弁護士の懲戒処分
日弁連広報誌『自由と正義』に掲載された弁護士懲戒処分の要旨、処分の分類をしています。法テラスの業務委託に関しての処分です。弁護士の多くは法テラスと契約をしています。弁護士が業務停止以上の懲戒処分を受けた場合、法テラスと契約を一定期間解除されます。法テラスの措置は法テラスのHPで確認することができます。戒告処分であれば法テラスからの出禁措置はありません。弁護士の処分が戒告ばかりというのは、法テラスに出禁にならないようにという弁護士会が庇ってくれているのです。
法テラスは誰でも事件を受けられることはありません、一定の要件基準があります。法テラスのHPで確認してください。
日本司法支援センター ウイキ
国選弁護人の懲戒処分は別にあります。(書きかけです新たに処分が出れば更新します。)

     

菅野高雄 登録番号 40580 仙台 戒告 2024年7月

離婚、婚費請求事件の放置 処分の理由 被懲戒者は、2021年9月ごろ、懲戒請求者から離婚及び婚姻費用分担請求事件を受任し、同月29日、法テラスより上記事件について調停申立てを前提とした援助開始決定が出されたところ、懲戒請求者から事件の進捗状況等の連絡が度々あったが不在等のためそれに対応できず、その後も折り返しの連絡をしなかったことが複数回あり、2022年8月頃、懲戒請求者の苦情申入れを受けた所属弁護士会市民窓口担当弁護士からの連絡を受け、懲戒請求者に連絡して事件が遅延していることについて謝罪した上で、すぐに調停申立てを行うので同年9月下旬から同年10月初旬に一度目の調停が行われる旨説明したにもかかわらず、その期間までに調停申立てを行わなかった。処分が効力を生じた日 2024年2月13日

青木一志 登録番号 38379  戒告 2023年8月号

事件放置処分の理由(1)被懲戒者は、2020年11月20日、かつて受任していた破産申立事件の依頼者Aの破産管財人から、Aの破産申立代理人として実際に行った業務について問い合わせを受けたが対応せず、同年12月24日及び2021年1月7日、上記問い合わせに関する進捗状況にの確認を受け、同月18日までには書面で回答する等答えたが、同月21日までに行われたAの財産状況報告集会までに回答せず、また、同日、上記破産管財人から説明書面を提出するよう求められたにもかかわらず、書面を提出せず、電話連絡等もしなかった。(2)被懲戒者はB及びCから依頼のあった労働審判申立事件につき法テラスから援助開始決定が出され、2020年9月10日、代理援助契約書を締結したところ、同年10月以降、労働審判申立てを行うことが可能であったにもかかわらず、2021年7月21日まで申立てを行わず、B及びCに対して事件の経過報告をしなかった。(3)被懲戒者は2021年8月4日から2022年6月27日までの間、9回にわたり、B及びCの各口座に金員を送金し、合計200万円、総合計400万円をB及びCに貸し付けた、(4)被懲戒者は2021年8月4日、上記(2)の事件につき、打ち合わせの上、労働審判申立てを取り下げて訴えを提起することとし、また同月17日、裁判所に対し上記申立てを2週間以内に取り下げる旨を伝えていながら、取り下げの手続きをとらず、裁判官から受けた労働審判申立書の補正命令にも応じなったため、同年9月15日に上記申立を却下され、事件の終結をいたづらに遅れさせた。また被懲戒者はB及びCに対し上記申立てが却下されたことを報告しなかった。処分が効力を生じた日 2023年2月28日

堀 孝之 登録番号 28083 業務停止6月 2024年6月号

法テラスの預り金25万円横領  処分の理由の要旨 (1)被懲戒者は、2019年7月9日付け後見開始審判により、成年後見人Aの成年後見人に選任されたところ、成年後見人の職務のために預かり保管中であった成年後見人名義の普通預金口座から、2021年11月9日から2022年9月29日までの間、23回にわたり、合計547万8110円を引き出し、私的に流用した。

(2)被懲戒者はBから依頼を受けた事件の相手方Cから被懲戒者名義の預り金口座に金員が入金されたところ、2022年1月7日、法テラス立替金残金30万8000円を上記預り金から法テラスに一括償還することが決定し、これを預り金保管していたにもかかわらず、同月13日から同月28日までの間、5回にわたり、合計25万7747円を上記預り金口座から引き出して私的に流用した4処分が効力を生じた日 2023年12月20日 

加島康介 35747 広島 業務停止1月 2022年11月号

基準にかからない案件で5500円2回不正請求 処分の理由(1)被懲戒者は日本司法支援センターの法律相談援助に基づく法律相談料請求の要件を満たさないにもかかわらず、上記センターに対し2019年7月8日及び同年8月2日の2回にわたり、法律相談料を請求し、うち1回はその支払として5500円を受け取った。(2)被懲戒者は、上記(1)の請求に関連して行われた所属弁護士会の弁護士職務の適正化に関する会規に基づく調査に応じなかった。

堀寛   23040 兵庫 戒告 2022年11月号
過払請求金から報酬を差し引き依頼者に残りを返還しない処分の理由 被懲戒者は懲戒請求者が日本司法支援センターを通じて依頼した自己破産申立てに関連して、遅くとも2015年7月までに債権者のうち1社から過払い金8万5000円を回収し同月24日付けで、上記センターが上記過払い金回収に対する報酬金を1万3770円と決定し、回収した過払い金から報酬を差し引いた清算金7万1230円について懲戒請求者との間で協議させることとして法律扶助代理援助事件を終結したが、懲戒請求者からの催促等にかかわらず清算手続きを行わず、清算金を懲戒請求者に返金しなかった。
大渕愛子 28914 東京 業務停止1月 2016年12月号

養育費等請求事件、不当な報酬を請求し受領 処分の理由、被懲戒者は、依頼者Aから元夫に対する養育費請求事件の依頼を受け、2010年11月下旬、法テラスに代理援助申込みを行い、その後援助決定を受けた。被懲戒者は法テラスで定めた代理援助契約条項に違反して法テラスの制度外でAから着手金、及び顧問料名下で金員を受領していたところ、その後、A及び法テラスから合計17万8500円をAに返還するよう求められていたにもかかわらず、2011年10月31日まで返還せず、返還を拒絶した。 

 森下忠 22831 神奈川 戒告 2014年9月号  

法テラスへ報酬不正請求 処分の理由 (1)被懲戒者は懲戒請求者から離婚事件の依頼を受け預り金として2011年7月8日に10万円、同年9月16日に5万円を受領した。被懲戒者は同日、懲戒請求者が日本司法支援センターが定める代理援助の資産要件を充足しないことを認識しながら事実と異なる記載をした懲戒請求者名義の援助申込書を作成して上記預り金の授受がなされたことを申告せずに代理援助の申し込みを行い、その結果、日本司法支援センターにより代理援助の決定がなされた。(2)被懲戒者は懲戒請求者が代理援助の申込みを取り下げて2011年10月19日に支援終結決定がなされた後に上記預かり金及び被懲戒者に預けた書類の返還を求めたにもかかわらず金銭を清算して預り金及び書類を遅滞なく返還しなかった。

 関谷理記 25448 第一東京 戒告 2019年2月号
依頼者の確認せず法テラスに援助申請 処分の理由 被懲戒者は、法律相談を受けるに当たり、相談者が日本司法支援センターの援助を利用する意思を有するか否か、また、上記センターの援助要件に該当するか否かにかかわらず、相談者全員に対し、上記センターの援助申込書に住所等を記入し、相談者署名欄に署名するよう求めていたところ、2015年1月18日、懲戒請求者の法律相談に対応した際、懲戒請求者が上記センターの援助要件に該当せず、これを利用する意思もないことを認識していたにもかかわらず、懲戒請求者をして援助申込書に署名させ、その後も援助対象外の記載をするなど援助の誤申請を防止する措置を講じることもせず、同年2月8日、上記センターに対し誤った援助申請を行った。
後藤貞和 50760 仙台 戒告 2019年10月号 
 法テラス案件の放置、説明、報告せず処分の理由 被懲戒者は、懲戒請求者の勤務先であった特定非営利活動法人に対する地位確認及び残業代請求の訴訟事件並びに仮処分申立事件の依頼を受け2016年5月26日付で代理援助実費として合計23万8600円のて替金を受けたが、被懲戒者が2017年10月30日に送付した訴訟原案について懲戒請求者が内容を確認し、手続を進めるよう回答したにもかかわらず、受任後3年余りの間、仮処分申立て及び訴訟提起をせず、そのことについて懲戒請求者に何らの説明や報告をしなかった。
中谷誼  30226 埼玉  戒告 2020年1月号

法テラス案件 怠慢な事件処理 処分の理由(1)被懲戒者は、日本司法支援センターでの法律相談を契機に、懲戒請求者Aから交通事故に基づく損害賠償請求事件を受任し懲戒請求者Aに民事法律扶助の申込書に署名させた上、申込みに必要な書類の交付をうけたにもかかわらず、申込みを行わなかった。また、被懲戒者は民事扶助を利用しないのであれば、弁護士費用など契約条件を明確にする委任契約書を作成すべきところ、委任契約を作成しなかった。さらに被懲戒者は上記事件について預り保管中の自賠責保険金から費用として金銭を受領するに当たり、懲戒請求者Aから民事法律扶助を利用しないことの同意を得なかった。(2)被懲戒者はBから懲戒請求者Cを被告とする訴訟事件を受任し2016年1月28日に請求棄却の判決が言い渡されたところ、控訴期間満了日の正午頃にBから控訴状の提出要請を受け、ほぼ間に合う可能性がないにもかかわらず、郵送による控訴状の提出を引き受け、同日の午後、B名義の控訴状を郵送で提出し、その結果、控訴状は控訴期間満了日の翌日に裁判所に到達した。

 福田尚友 39189 千葉 戒告 2017年9月号

 法テラス案件放置 処分の理由1)被懲戒者は懲戒請求者から、同人の離婚した元夫Aに対する損害賠償請求等に関する交渉事件を受任し、2011年9月29日内容証明郵便による通知書の文案を作成して同年10月7日にAに上記通知書を郵送することを懲戒請求者に約束したが、これを放置し2013年7月3日に懲戒請求者が法テラスに連絡するまで約1年9か月間、懲戒請求者に対して何らの連絡もしなかった。(2)被懲戒者は、上記事件の方針変更がなされ2014年2月16日懲戒請求者を原告としAを被告とする損害賠償請求事件を訴訟提起し、その後、上告審まで懲戒請求者の訴訟代理人であったが、裁判期日を懲戒請求者に事前連絡しなかったり、懲戒請求者が書面内容を事前に確認したいので十分な余裕を持って検討できるよう要請し、被懲戒者もこれを了解していたにもかかわらず、懲戒請求者の確認を得ないで裁判所に準備書面を提出したり、裁判所に重要な書類を提出するごとに懲戒請求者にその控えなどを交付しなかったり、懲戒請求者との間で十分な意見交換、聴き取り等をしないまま訴訟行為を進める等した。 

西山多一 20118 愛媛 戒告 2020年4月号                                                    
法テラス案件の放置 処分理由 被懲戒者は、懲戒請求者から離婚請求訴訟を提起することを依頼され、日本司法支援センターの援助決定を受けた後、2014年7月22日に代理援助契約書を作成したが、正当な理由なく、約1年5か月間、訴訟を提起しなかった。
五來則男 25854 茨城 戒告 2022年12月号

法テラス案件の放置 処分理由 被懲戒者は、懲戒請求者から損害賠償請求事件の依頼を受け、2018年1月30日、懲戒請求者、被懲戒者及び日本司法支援センターの三者間で代理援助契約を締結し、立替着手金5万3200円を受領したが、上記契約締結後、3年間にわたり、受任した事件の処理に着手しなかった。

小林和人 34638 東京 業務停止1月 2016年6月号
法テラス案件の放置 処分理由 被懲戒者は200936日、日本司法支援センターにおいて援助開始決定を得た懲戒請求者から自己破産申立事件を受任し、同月頃、書類の預託を受け債権者に受任通知をしたが、その後事件の処理を4年以上行わず、新たにA弁護士に自己破産申立てを委任した書類の返還を求められた後も書類を返還しなかった。
刑事事件の国選弁護人の処分

https://jlfmt.com/2016/03/31/30669/