弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2004年1月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・大阪弁護士会・谷口進弁護士の懲戒処分の要旨
処分理由・債権回収事件の処理が不適切
当会は2008年からの処分要旨を公開していますが、この度(2023年2月)被懲戒者は4回目の処分になりましたので未投稿分を公表します。
大阪弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。
記
1 処分を受けた弁護士
氏名 谷口進
登録番号 13658
事務所 大阪市中央区瓦町4丁目3番2号 本町UMビル5階
旭総合法律事務所
住所 大阪府豊中市×××
2 懲戒の種別 業務停止3月
3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は2000年10月23日、Aから8500万円の債権回収事件を受任し着手金320万円を受領し同年11月2日、この事件の処理のために債権仮差押命令を申し立てるために担保としての保証金当として800万円を預かった。
被懲戒者はこの800万円のうち600万円を仮差押事件の保証金に充当し、残200万円については「今後のこともあるので預かっておく」旨伝えてAの了解を得てこれを会う仮金口座に入金することなく保管していた、しかし仮差押事件及びその後の債権回収のために行った破産の債権者申立手続も奏功しなかった。
被懲戒者はその後の2001年3月頃、前記200万円をAの了解を得ることなく事務所の諸経費及び自己の借入金返済等のために費消して流用した。
被懲戒者は健康状態が芳しくないことからAとの委任契約を合意解約して清算するため同年5月14日、着手金320万、預り金200万円と仮差押の担保に充当した600万円を分割して返還する旨訳した。ところが担保に充当した600万円については供託書等を交付して約定の期日までに返還したものの、その余の520万円については約定の期日までに返還せず、紛議調停の手続を経て2002年7月30日になって完済した。
(2)被懲戒者はB社から土地の所有権移転登記請求の被告事件を受任し第1審で敗訴したが、これをB社に報告せず、かつB社と協議することなく余分に受領していた委任状を利用して控訴したが所定の印紙を納付しなかったため控訴却下となった。
(3)被懲戒者がこれらの行為時に種々の病気を患っていたことを考慮しても被懲戒者の責任は重大である。被懲戒者の行為は弁護士法第56条第1項に規定する品位を失うべき非行に該当する。
4処分が効力を生じた日 2003年10月2日 2004年1月1日 日本弁護士連合会