弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2023年4月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・大阪弁護士会・中西裕人弁護士の懲戒処分の要旨

日弁連広報誌「自由と正義」は毎月発行です。特集の読み物も充実しています。

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処分理由・日弁連異議 処分変更

依頼事件放置の弁護士を業務停止 懲戒5回目 大阪 2021年11月1日

着手金を受領したのに依頼された事件を放置したとして、大阪弁護士会は1日、同会所属の中西裕人(ひろと)弁護士(69)を業務停止3カ月の懲戒処分とした。処分は10月30日付。中西弁護士が懲戒処分を受けるのは5回目。同会によると平成30年6月、大阪府内の法人から損害賠償請求事件の訴訟提起を依頼され、3回にわたり着手金として計100万円を受け取った。しかし翌年2月までの間、依頼者に説明なく事件を放置し、着手金の返還にも応じなかったとしている。中西弁護士は同会の調査に対し「処理に時間を要した。何もしなかったということではない」などと説明したという。 業務停止は除名、退会命令に続き3番目に重い懲戒処分。中西弁護士は今回と同様の事件放置などを理由に戒告や業務停止などの処分を過去に受けている。産経新聞https://www.sankei.com/article/20211101-PGSDLDFQABNBVD5WZKFAVIAYR4/photo/GQRAKGJBMJJQHOIR4ZXHVB5TM4/

 

中西裕人弁護士 登録番号17540 処分歴

2013年12月 戒告  怠慢な事件処理

2014年6月  戒告 事件放置

2017年12月 業務停止3月 事件放置

2018年12月 戒告 弁護士会費滞納

2022年3月  業務停止3月 事件放置→業務停止4月に変更

こちらの活動は熱心です

法律家六団体との共闘、そして大阪弁護士会デモ参加へ 自由法曹団通信 1065号 有事法制阻止

大阪支部の活動に関する中間総括について

団大阪支部としては、右のような府下連絡会組織での活動とともに在阪法律家他団体とともに、立場の違いを超えて有事法制反対の一点でともに闘う姿勢を重視した。この点では六団体(民法協、国法協関西支部、青法協大阪支部、大阪社文センター、大阪労働者弁護団、団大阪支部)での共同アピール発表や、五月一六日には軍事ジャーナリストの前田哲男氏をお招きしての市民集会を六団体共催で大成功(一九〇名)させることができた。

そしてさらにここでの共闘で得られたエネルギーが、大阪弁護士会を動かす形で、実に拘禁二法案以来一七年ぶりとなる弁護士会主催デモに結実することになったのである(この間の経過に関しては団通信一〇六〇号に城塚団員が詳細な報告をされているが、城塚団員、そして梅田章二団員の卓越した指導力とともに、大阪弁護士会人権委員会「平和と人権部会」での中西裕人団員、岩田研二郎幹事長はじめ弁護士会内で日ごろから地道に活動している各団員の活躍が極めて大きかったことは改めて確認したい)。この弁護士デモは当初の参加目標を超える四五〇名の参加を得て大成功した。佐伯照道大阪弁護士会会長はじめ役員が勢ぞろいしてデモの先頭に立つ姿は、マスコミ各社に報道され、世間に強烈にアピールするものがあった。この弁護士会デモには、鈴木支部長のポポロ法律事務所はじめ、お昼休みに(事務所を閉めて)所員総出で参加した法律事務所もいくつか存在した。

(元の処分) 懲 戒 処 分 の 公 告 2022年3月号

大阪弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。          記

1 処分を受けた弁護士氏名 中西裕人 登録番号 17540

事務所 大阪市中央区石町2-1-7 天満橋グリーンコ―ポラス1114  中西法律事務所 

2 懲戒の種別 業務停止3月  2023年2月10日 業務停止4月に変更

3 処分の理由の要旨

 被懲戒者は、2018年6月、懲戒請求者から損害賠償請求事件を受任し、着手金を受領したが、懲戒請求者に対して、事件の経過及び事件の帰趨に影響を及ぼす事項を報告し、懲戒請求者と協議することなく、懲戒請求者が委任契約を解除した2019年2月に至るまで、有意な事件処理を行わなかった。また、被懲戒者は、上記事件の委任契約の終了に当たり、費用清算を請求されたにもかかわらず、金銭の清算、返還をしなかった。被懲戒者の上記行為は、弁護士職務基本規程第35条、第36条及び第45条に違反し、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。4処分が効力を生じた日 2021年10月30日 2022年3月1日 日本弁護士連合会

懲 戒 処 分 の 公 告 (処分変更)

大阪弁護士会が2021年10月12日付けでなし2021年10月30日に効力を生じた被懲戒者の懲戒処分について懲戒請求者から異議の申出があった、本会は上記懲戒処分を変更して、以下のとおり懲戒の処分をしたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第6号の規定により公告する。

          記

1 処分を受けた弁護士氏名 中西裕人  登録番号 17540

事務所 大阪市中央区石町2-1-7 天満橋グリーンコーポラス1114 中西法律事務所 

2 懲戒の種別 業務停止4月

3 処分の理由の要旨 

(1)被懲戒者は、懲戒請求者から、その元従業員であるAによる会社資産の横領、着服について同人に対する損害賠償請求あるいは不当利得返還請求手続を受任したものの、委任契約の締結から8か月が経過した2019年2月まで有意な事件処理を行わず(弁護士職務基本規程第35条違反)事件の経過を報告することも、依頼者と協議することもせず(同規程第36条違反)、委任契約解除後において着手金100万円の清算をし、その全部又は一部の返還をすることもなかった(同規程第45条違反)

(2)被懲戒者は、有意な事件処理は行わなかったとする原弁護士会の認定は事実誤認でありAの横領額を記載したBメモの記載内容とこれと併せて交付された添付資料が符号せず、これを解明するために多大な時間を費やしたのであり、事件処理を遅滞した事実はない旨主張する、

しかし、被懲戒者は原弁護士会綱紀委員会がBメモと添付資料との間で符号しない部分等を具体的に説明するよう求めたもののこれに応じず、日本弁護士懲戒委員会が同じ質問をしても具体的な説明をしないのであるから、被懲戒者の上記主張を信用することはできない、

(3)被懲戒者は、不合理な弁解を繰り返しており、反省の情は皆無であるといっても過言ではない。加えて、被懲戒者は、着手金100万円を清算しておらず、将来においても行う予定はないとのことであり、懲戒請求者に大きな損害を被らせたまま、これを4回にわたる懲戒処分があり、特に3回目の懲戒処分と同種の本件非行を繰り返したものであって、被懲戒者の弁護士倫理を軽視する傾向は顕著である、

(4)以上からすれば、原弁護士会がなした業務停止3月の処分は軽きに過ぎて不当であって、変更せざるを得ず、上述した諸般の事情に鑑みると、被懲戒者に対する懲戒処分を業務停止4月に変更することが相当である。

4処分が効力を生じた日 2023年2月10日 2023年4月1日 日本弁護士連合会