弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2004年6月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・和歌山弁護士会・市野勝司弁護士の懲戒処分の要旨

日弁連広報誌「自由と正義」は毎月発行です。特集の読み物も充実しています。

あなたが取った懲戒処分の記念にぜひ1冊。お申込みは、日弁連広報課 自由と正義担当 03(3580)9840年間購読費12000円(税別)1冊でも購入可能です。

処分理由・仮差押え物件の解体工事を中止させなかった。

目の前でアパートが解体されているにもかかわらず、内容証明郵便を出せば対応すると答えた。解体工事は終了し駐車場が完成した。

1994年度 和歌山弁護士会長

懲 戒 処 分 の 公 告

和歌山弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

          記

1 懲戒を受けた弁護士氏名 市野勝司 

登録番号 15186

事務所 和歌山市三番丁75 第一ビル4階

第一法律事務所 

住所 和歌山市黒田・・・・・・

2 懲戒の種別 戒告

3 処分の理由の要旨 

懲戒請求者は1999年7月1日、Aに対して同人が所有する2棟のアパートを仮差押するとともに、同年9月10に本案訴訟を提起した。

ところが2002年12月16日、懲戒請求者は「アパートを取り壊し始めている」との知らせを聞き、自らも上記アパートの1室が解体されている状況を確認した。

そこで、懲戒請求者の代理人である弁護士がAの代理人である被懲戒者に電話し、アパートが解体していること及び同アパートは仮差押物件であることを指摘したところ、被懲戒者は同弁護士に対し、内容証明郵便を出せば対応を検討する旨答えたのみで、何ら行動もとらなかった。

そして、解体工事はそのまま続けられ同月20日には青空駐車場が完成した。

被懲戒者は仮差押物件を取り壊しているとの抗議を受けた時点で直ちに解体工事の進捗状況を確認し、同工事の中止を求めるべき職務上の義務があったにもかかわらず、何ら現場の確認すらしようとせず放置したことで、弁護士に対する信頼を失わせる結果となったと言わざるを得ない、以上被懲戒者の上記行為は、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

4処分が効力を生じた日 2004年3月30日 2004年6月1日 日本弁護士連合会