司法書士の会報「月報司法書士」に公表された司法書士の懲戒処分の要旨、

毎月何件かの処分が掲載されていますが、多くは登記の立合いや本人確認の不備があるとの処分内容です。

ただし成年後見人に就任した司法書士の処分は弁護士同様、問題のある処分もかなりあります。

【懲戒処分書】

                 

事務所 新潟柏崎関町333号  司法書士 瀨下 真人 

上記に対しとおり処分する

主  文 

令和566から3週間業務の停止する。 

理   

第1 事案の概要 

本件2成年後見人成年後見人就任司法書士瀨下真人 (以下処分という)その成年後見人辞任ところ後任ある弁護士A(以下申出という)から引継ぎ行うため資料提出求められにもかかわらず資料提出かっことから申出業務処理支障生じとして申出から懲戒申出事案ある。 

第2 認定事実 

以下事実新潟司法書士調査報告及び新潟地方法務局調査その他記録認められる。 

1 処分平成25115司法書士なる資格取得平成2883付け登番号新潟もって司法書士登録受け同日新潟司法書士入会司法書士業務従事いるありこれまで懲戒処分ない。 

2 処分平成309B成年後見人選任令和210家庭裁判所支部(以下家裁支部という) からB係る成年後見人辞任許可ところ処分には新た選任B成年後見人に対し 速やかその成年後見業務係る資料引き継い当該資料内容に関して説明べき義務あっ

ところが処分前記義務怠り令和210付けB成年後見人として 選任申出に対し財産目録記載のあっB銀行定期預金について申出から再三求めかかわら令和31月末なっ前記定期預金通帳又は 証書所在係る説明なかっその結果申出家裁支部に対して十分な報することできB係る成年後見業務支障生じ。 

3 処分令和21C成年後見人選任同年10 家裁からC係る成年後見人辞任許可ところ処分新たに選任C成年後見人に対し速やかその成年後見業務係る資料引継ぎべき義務あっ 。 

ところが処分前記義務怠り令和210付けC成年後見人として 選任申出に対し申出人の再三求めかかわら令和31月末なっC収入支出に関する資料原本提出なかっ

その結果申出 家裁支部に対して十分報告することできないなどC係る成年後見業務支障生じ

4 処分平成311D成年後見人選任ところ処分D財産 調査結果申立800流動資産2,500あること判明。 

処分令和24家裁支部に対し成年後見人辞任許可申請行うともに本人財産増加成果上げことから報酬付与立て行っ家裁支部処分辞任許可21報酬付与審判。 

D処分成年後見人として行っ確定申告及び成年後見業務終了資料 引継ぎ疑問覚え同年9家裁支部に対し処分報酬受領について申し立てところ家裁支部処分に対し21全額報酬付与取消し審判。 

処分報酬付与取消し21についてD又は同年月頃同人死亡 Dに対し速やか返還すべき義務あっにもかかわらずこれ怠り3年1まで放置返還なかっ。 

5 処分平成29年4E選任さ令和2E死亡E係る保佐業務終了ところ処分家裁支部に対し速やか終了告書財産引継添付提出する義務あっにもかかわらずこれ怠り令和32まで家裁支部財産引継提出しなかっ。 

第3 処分の量定 

1 上記22及び3掲げ処分行為成年後見人として引継ぎ義務怠っもの 司法書士2(職責)第23(会則遵守義務)新潟司法書士81(品位保持)会則100(会則遵守義務)違反する。 

2 上記24掲げ処分行為金員速やか返還義務怠っので司法2(職責)23(会則の遵守義務)会則新潟司法書士会則81(品位保持)会則100(会則遵守義務)違反する。 

3 上記25掲げた被処分行為として報告義務怠っもの書士2(職責) 23(会則遵守義務)新潟司法書士会則81(保持)会則第100(会則遵守義務)違反する。 

4 そして前記1及び3について成年後見業務又は保佐業務引継ぎ係る遅滞あっ裁判所から選任受任事件後処理として位置づけられることから司法書士及び司法書士法人に対する懲戒処分考え方(以下処分基準という)別表番号11 受任事件放置」該当懲戒処分量定として一般に戒告又は2以内停止相当れる前記2について処分基準別表番号22その他会則反する行為該当一般戒告相当れる。 

最も量定重い 受任事件放置についてみる処分B及びC成年後見人辞任その後任成年後見人ある申出から再三資料の提出求め無視し 約3月間放置適切説明なかった。 

またE保佐業務について処分比較的長期間いえる10月間財産継書提出放置この酌むべき事情うかがわない。 

そして処分いずれ業務において再三連絡求め無視業務遅滞発生ておりその態様として悪質ある。 

したがって実害発生ないものの申出なくいずれ事件に つい宥恕ないことから処分という選択することでき業務停止の懲戒処分もっ臨むべき事案あるいうべきある。 

そのほか5か月処分受け取っ21報酬について報酬付与消し審判あっにもかかわらず合理理由なくその報酬返還なかっ悪質あるいわざるない。 

他方処分非違行為について認めいること聴聞において反省いること懲戒処分ないこと処分にとって酌むべき情状いえる。 

よってこれら事情考慮司法書士472の規定により処分主文とおり処分する。 

565日 大臣 齋藤健