弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2026年2月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・大阪弁護士会 乾彰夫弁護士 (処分変更)の要旨
日弁連広報誌「自由と正義」は毎月発行です。特集の読み物も充実しています。
あなたが取った懲戒処分の記念にぜひ1冊。お申込みは、日弁連広報課 自由と正義担当 03(3580)9840年間購読費12000円(税別)1冊でも購入可能です。
大阪弁護士会が2025年3月24日に告知した同会所属弁護士 乾彰夫 会員(登録番号39,030) に対する懲戒処分 (業務停止1年) について 同人から行政不服審査法の規定による審査請求があり、 本会は、同年12月9日、 弁護士法第59 条の規定により、 懲戒委員会の議決に基づいて、本件審査請求を棄却する旨の裁決を行った ところ (同年11月7日告知) 同人から裁決取消しの訴えが提起され、2025年2月13日、東京高等裁判所において前記裁決を取り消す旨の判決がなされ、 同判決は同月28日確定した。 本会は、同年8月19日、同条の規定により、審査請求人にかかる前記懲戒処分 (戒告) について審査した懲戒委員会の議決に基づいて、以下のと おり裁決したので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第3号の規定により公告する。
1 裁決の内容
記
(1) 審査請求人に対する懲戒処分 (業務停止1年) を変更する。
(2) 審査請求人の業務を10月停止する。
2 裁決の理由の要旨
(1)原弁護士会は、本件懲戒請求事件につき、審査請求人を業務停止1年の処分に付した。
(2)本会懲戒委員会が、審査請求人から新たに提出された証拠も含め審査した結果、次のとおり判断した。
(3)審査請求人が行った、自身の携帯電話を勾留中の被告人に使用させるという行為は、弁護人との接見交通権を濫用し、被告人が弁護人以外の者との接見の制約を潜脱することに加担する行為であって、接見交通に対する社会的信頼を揺るがす重大な非行である。
また、審査請求人の上記行為は、約2か月の期間において、20回という多数回にわたってなされており、その非行の程度は重い、その上、被告人は、審査請求人から借りた携帯電話で、複数名との間での集会ないし会合となるような通話をしたこともあり、弁護士にスクリーニングが困難な状況があったにもかかわらず、審査請求人は、その後も被告人に携帯電話を使用させ続けたものであり、その悪質性は強い。
(4)しかしながら、本件においては、当時、被告人に接見等を禁止する決定はなされておらず、また、審査請求人は、弁護活動の必要があれば例外的に被告人と外部との通話が許される場合があるとしていた以前の考えを改め、外部との通話が許される場合ないと考えるに至り、反省を深めている。
同様の先例における処分の程度も踏まえた上でこれらを考慮すると、原弁護士会のなした業務停止1年の処分は重きに過ぎ、審査請求人の業務を10月間停止することが相当である。
3 採決が効力を生じた年月日 2025年12月19日
(注)なお、本件業務停止の期間については、原弁護士会が業務停止1年を告知した2025年3月24日以降の期間が参入されるため、2026年1月23日までとなる。
2026年2月1日 日本弁護士連合会
2025年3月24日MBS 報道
配信 MBSニュース
拘置所での被告人との接見で、自分のスマートフォンを使い外部の者と通話させたとして、大阪弁護士会所属の弁護士が業務停止1年間の懲戒処分を受けました。
面会室のアクリル板の通気口にスマホを当てて… 被告が外部と計20回通話
1年間の業務停止の懲戒処分を受けたのは、大阪弁護士会に所属する乾彰夫弁護士です。 大阪弁護士会によりますと、乾彰夫弁護士は2023年3月~5月、自らが刑事弁護人を務めていて、大阪拘置所に収容されていた被告との接見の際に、自身のスマートフォンを使って、被告を外部の人と通話をさせたということです。 通話は被告が希望したということで、乾弁護士は計17回の接見の場で、アクリル板の通気口にスマホを当てる形で、被告にあわせて20回通話させていたということです。 そのうちの1回は、被告の関係者が集まる集会の場で被告が電話越しに“挨拶”をし、出席者から拍手喝采を受けていたことも明らかになっています。
「被告に保障された接見交通権の乱用と言わざるを得ず、それへの加担は弁護士の品位を失うべき非行」
通話が行われた接見は、拘置所職員が立ち会わない弁護人接見(秘密接見)でした。 大阪弁護士会は「被告人が弁護人以外の者と電話通話をする行為は、弁護人以外との接見の制約を逸脱するもので、被告人に保障された接見交通権の乱用と言わざるを得ない。そうした行為に加担することは弁護士の品位を失うべき非行」「秘密接見という機会でなされた外部との電話通話は、罪証隠滅等の危険を伴うものだ」と断じた
産経は電話の相手方を特定
勾留中の被告と接見した際、自身のスマートフォンを使わせて外部の人と繰り返し通話させる便宜を図ったとして、大阪弁護士会は24日、同会所属の乾彰夫弁護士(45)を1年間の業務停止処分とした。被告はワクチン接種に反対する団体の幹部で、通話先も団体の関係者だったという。
同会によると、令和5年3月16日~5月13日、窃盗と詐欺罪で大阪拘置所に勾留されていた被告と17回接見した際、自身のスマホで計20回、被告と外部の人を通話させた。1回あたりの通話は最長で約30分間に及んだ。
被告は通話を通じ、ワクチン接種に反対する団体の集会であいさつするなどしていたという。乾弁護士は弁護士会の調査に「罪証隠滅の恐れがなかったので貸した」などと弁明したが、弁護士会は「被告の接見交通権の乱用に加担する行為。弁護士の品位を失うべき非行」と判断した。
大阪弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。
記
1 処分を受けた弁護士氏名 乾彰夫 登録番号 39030
事務所 大阪市北区南森町1-3-27 南森町丸井ビル8階
南森町総合法律事務所
2 懲戒の種別 業務停止1年
3 処分の理由の要旨
被懲,戒者は、勾留されているAとの弁護人接見の際、被懲戒者の携帯電話を利用して、2023年3月16日から同年5月13日までの間、20回にわたり、Aに懲戒請求者一般社団法人Bの関係者と通話をさせた。
被懲戒者の上記行為はに、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4処分が効力を生じた日 2025年3月24日 2025年8月1日 日本弁護士連合会
業務停止2025年3月24日~2026年3月23日
法廷で録音、接見室で携帯電話、撮影、口止め、もみ消し、伝言、伝書鳩 『弁護士懲戒処分例』2026年1月更新
