当会会員に対する懲戒処分について

 千葉県弁護士会は、弁護士法第56条に基づき、下記会員を懲戒しましたので、お知らせいたします。

1 処分を受けた弁護士
  氏 名 三浦義隆
  事務所 千葉県佐倉市上志津1785-4
      京葉弁護士法人支所 佐倉志津法律事務所
  登録番号 44217

2 処分の内容 業務停止2月

3 処分の理由の要旨
(1)第1事件
 被懲戒者は、平成29年8月21日、懲戒請求者Aから亡父の遺産分割についての交渉に関する依頼を受け、同日又は同日後、着手金21万6000円及び預り金1万円を受領した。しかしその後、被懲戒者は、事件を放置し、事件処理の報告を一切行わず、令和5年以降、懲戒請求者Aから状況の問合せを複数回行っても、被懲戒者は連絡、報告を怠った。令和5年11月6日、懲戒請求者Aは、被懲戒者に対して委任契約の解除を通知し、事件の状況報告、預り品等の返還及び費用の清算を求めたが、被懲戒者は、これらを行わなかった。
 これら被懲戒者の行為は、弁護士職務基本規程第36条、第35条及び第45条に違反する。
 その後、懲戒請求者Aからは、本懲戒請求と並行して紛議調停申立がされ、令和6年6月14日、被懲戒者が着手金・預り金全額を返金、預り品等を返還すること、懲戒請求者Aが本件懲戒申立を取り下げることを約して調停が成立し、被懲戒者は、懲戒請求者に対し、約定どおり返金、返還を実施したが、懲戒請求者Aからは、本懲戒請求申立の取下げは行われていない。
(2)第2事件
 被懲戒者は、令和5年7月6日、懲戒請求者Bから発信者情報開示請求、損害賠償請求事件を受任し、同日着手金の一部として11万円と預り金1万円を受領した。
 しかしその後、被懲戒者は、事件を放置し、ログ保存期間経過により発信者情報開示請求及び損害賠償請求ができなくなった。令和6年4月5日、被懲戒者は、懲戒請求者Bに対し、謝罪し、削除請求のみに方針を転換して受領済の着手金の半額を返金することを提案し、同月12日、削除請求は完了したことを報告、同月15日着金で返金する旨のメッセージを送信した。もっとも、その後も被懲戒者は返金することなく、懲戒請求者Bは、被懲戒者について、紛議調停申立及び懲戒請求申立を行った。同年9月10日、紛議調停において、被懲戒者と懲戒請求者Bとの間で調停が成立し、被懲戒者が懲戒請求者Bに対して解決金50万円を支払ったものの、被懲戒者が同年9月末日限り発信者情報開示書面を返還する、これが履行できないときはその履行に変えて同日限り10万円を支払う、という約定につき被懲戒者が履行したか否か明らかではない。
 被懲戒者のこれらの行為は、弁護士職務基本規程第35条及び第36条に違反する。
(3)第3事件
 被懲戒者は、令和6年9月9日及び同月12日、懲戒請求者Cの法律相談を行った。この時、被懲戒者は、事件を受任する前提で、懲戒請求者Cより着手金33万円、実費預り金1万円の合計34万円を現金で受領した。
 しかしその後、被懲戒者は、懲戒請求者Cからの委任契約書の内容に関する質問に回答をせず、送付する約束をしていた受任案件の相手方に送付する書面案は送らず、懲戒請求者Cからの問合せへの連絡を途絶えさせ、懲戒請求者Cから委任をキャンセルし返金を求めたいとのEメールにも返信しなかった。
 これら被懲戒者の行為は、弁護士職務基本規程第36条、第35条及び第45条に違反する。
 その後、懲戒請求者Cは、被懲戒者に対し、令和6年10月15日、紛議調停の申立を行い、令和7年1月6日、本懲戒請求を申し立てた。懲戒請求者C及び被懲戒者は、同年2月5日、被懲戒者が懲戒請求者Cに対して34万円の返還義務があることを認める内容の調停を成立させ、同日被懲戒者は懲戒請求者Cに同金員を支払った。
(4)以上の通り、本件各懲戒申立事件は、いずれも事件の受任をした後に、事件処理を適切に行わずに放置し、問い合わせにも対応せず、紛議調停や懲戒の申立を受けて初めて対応したものであり、不十分な対応に終始しているというものである。
 第1事件の事件放置は約6年間に及び、第2事件については急いで処理しないとログが消されて目的を達成できなくなると自ら説明しながらこれを放置し、目的が達成できないという実害が発生しており、第3事件では、着手金を受領した直後から実質的な連絡が取れない状況とするなど、いずれも事情は軽視できない。
 上記3事件に関する対象弁護士の弁護士職務基本規程第35条、第36条及び第45条違反の各事実は、弁護士としての品位を失う非行と言うべきである。
 よって、当会は、業務停止2月の処分とした。

4 処分の効力が生じた日  2026年(令和8年)6月15日

依頼放置の弁護士を懲戒処分 6年対応せずの案件も 千葉 6月17日 毎日新聞
 複数の事件処理を放置したなどとして、千葉県弁護士会は17日、京葉弁護士法人支所佐倉志津法律事務所(佐倉市)の三浦義隆弁護士を業務停止2カ月の懲戒処分にしたと発表した。処分は15日付。  県弁護士会によると、三浦弁護士は2017~24年に依頼を受けた遺産分割交渉や損害賠償請求など3件の処理を放置するなどした。このうち17年に受任した遺産分割交渉は、依頼者が問い合わせをしても対応せず、委任契約の解除や着手金の返金などを求められても応じなかった。依頼者が県弁護士会に紛議調停を申し立て、24年に返金されるまで放置は約6年間に及んだという。  記者会見した県弁護士会の牧田謙太郎会長は「不十分な対応に終始し、弁護士としての品位を失う非行」と断じた。
以上毎日新聞