2012年度 各弁護士会の回顧
自由と正義6月号には各弁護士会の役員が2012年度の弁護士会の回顧を語っています。懲戒処分者、逮捕者を出した弁護士会はどのようなコメントを出しているのでしょうか、全国の全弁護士会の会員数と併せてご紹介します
■ 旭川弁護士会 (会員数69名) 処分者・逮捕者ナシ
■ 札幌弁護士会 (661名) 戒告3名 逮捕者1名 (横領)
逮捕に関してのコメントなし
■釧路弁護士会 (70名) 横領して自殺した元弁護士会長がいたがコメントなし1986年から処分者がない弁護士会?
■函館弁護士会 (46名) 2004年から処分者なし
■青森県弁護士会 (107名) 2006年から処分者ナシ
■岩手弁護士会 (92名) 逮捕者1名(渡邉栄子弁護士)
◆所属会員の不祥事について
2012年度には当会所属の会員について金銭の取り扱いを巡る不祥事が発覚しと
して懲戒を請求しました。弁護士、弁護士会への信頼を損なう行為であり極め
て遺憾です。会としても会員の預り金の取り扱い等について一層の自覚を促し
ていかねばなりません。
■仙台弁護士会(395名) 2012年度懲戒者2名 コメントなし
■秋田弁護士会(73名) 2005年から処分者なし
■山形県弁護士会(168名)2011年から処分者なし コメントなし
鈴木興治弁護士、町内会長と妻を殴って逮捕には触れず、
(業務停止1年は2013
年度)
■福島県弁護士会(168名) 懲戒処分者1名 コメントなし
■茨城県弁護士会(223名)処分者1名退会命令1名は2013年度コメントなし
■栃木県弁護士会(188名)処分者2名
◆不祥事について
当会は2011年には業務停止の懲戒処分が2012年には戒告の懲戒処分があるが
そして2013年にも既に戒告処分がそれぞれなされました。何らかの懲戒処分が
毎年度行われるような状況は決して誇れるものではありません。日弁連全体の
問題状況もありますが会員それぞれ法曹としての自覚を持つことが大切だと思
っています。そのような会になれるよう努力したいと思います
■群馬弁護士会(255名)業務停止8月の処分者1名 コメントなし
■埼玉弁護士会(674名) 処分者2名 コメントなし
■千葉県弁護士会(640名)処分者1名 ひき逃げで逮捕されるが不起訴
コメントなし
■横浜弁護士会(1355名)処分者3名
◆総合的な不祥事防止対策
2012年度当会としては目立った不祥事が発生して報道を賑わせたことはなかっ
たが現時点でできる手立てを講じるべく、綱紀、紛議調停委員会に対するバッ
クアップ策の検討、預かり金に関する会規の改正、市民窓口に寄せられた情報
の更なる活用等を短期集中的に検討するプロジェクトチームを発足させ2013年
3月22日に開催された臨時総会において総合的な不祥事防止対策に会として全
力を挙げて取り組む旨の決議がなされた。
■新潟県弁護士会(243名) 2011年から処分なし、飲酒交通事故1名
■山梨県弁護士会(107名)2008年から処分者なし
■長野県弁護士会(213名) 2011年から処分者なし 2013年1名コメントなし
■静岡県弁護士会(401名)処分者2名 児童買春1名 コメントなし
■東京弁護士会(6952名)逮捕者多数 懲戒処分者 多数
◆会員不祥事の対応
近時問題となっている会員不祥事の発生を未然に防止するための対策を検討し
た。市民窓口情報や会費納入状況といった会員の不祥事をうかがわせる各情報
を理事者会で結合させ対象会員を呼び出して事情聴取をおこなったり会員の事
務所に赴き確認するなどといった対応をする
■第一東京弁護士会(4235名)処分者多数
◆弁護士不祥事対応と弁護士自治
当会では2013年3月弁護士不祥事対応について関連委員会からの委員を集め準
備会を立ち上げた。法曹人口の急速な増加は弁護士会と会員間そして会員相互
のコンセンサス欠如、そして弁護「士」業の倫理観も揺れ動かしている。各地
で相次ぐ不祥事は対岸の火事ではない、弁護士の心身の問題から生じるトラブ
ルも多い。市民窓口への相談内容も明らかに従来ものとは異なってきている。
不祥事発生防止と弁護士の心のケアまで広い範囲で検討しなければならない。
「倫理」以前の犯罪ともいえる会員の不祥事にこれまでと同様の対応で社会
は納得するのであろうか弁護士自治の重さを改めて見直す時期に来ている。
■第二東京弁護士会(4492名)痴漢の逮捕者あり、処分者多数 コメントなし
■富山県弁護士会(99名) 2011年より処分者なし
■金沢弁護士会(153名)2011年から処分者なし 2013年既に2名
■福井弁護士会(95名)2007年から処分者なし
■岐阜県弁護士会(163名)2005年より処分者なし2013年1名盗撮逮捕1名
■愛知県弁護士会(1615名)処分者3名 コメントなし、
城正憲弁護士逮捕は2013年
■三重弁護士会(159名) 1995年から処分者なし
■滋賀弁護士会(135名) 1995年から処分者なし
■京都弁護士会(632名) 処分者5名 コメントなし
■大阪弁護士会(3998名)逮捕者多数 処分者多数 コメントなし
■兵庫県弁護士会(757名)処分2名 逮捕1名 2013年逮捕1名
◆会員の不祥事への対応
当会では10年ぶりに業務停止の懲戒決議がなされたことからその対応に追われ
ました。業務上横領のおそれのある会員に対し会による懲戒を申立て(懲戒請
求)も行いました。さらに市民窓口で多数苦情が寄せられた会員に対する指導
をおこなったり法律相談遅刻する会員への対策を講じたりしました。
(西村義明弁護士の件)
■奈良弁護士会(152名) 処分者1名 コメント」なし
■和歌山弁護士会(131名)2011年元弁護士会長の逮捕以後処分なし
■鳥取県弁護士会(64名)処分者1名 コメントなし
■島根県弁護士会(67名)1996年から処分者なし
■岡山弁護士会(340名) 2009年から処分なし2013年2名処分
福川律美弁護士、巨額詐欺横領事件で逮捕
◆会員不祥事について
2012年12月10日当会の告発により当会会員が文書変造・同行使・有印私文書)
偽造・同行使の嫌疑で岡山地方検察庁に身柄拘束され同月28日に起訴された。
この2件の文書偽造事件を端緒に相次ぎ業務上横領事件が立件されるに至った。
起訴された事件の被害総額は9億円余(2013年3月8日追起訴段階)に及んで
いる。当会執行部は身柄拘束により当該会員の執行不能となっている事件につ
き対処すべく当会の有志100名によりさらなる。
「依頼者対応センター」を立ち上げてもらいこれに対処している。当会執行部
は判事・検事経験者及び学識経験者の外部委員を」含めた検証委員会を設置し
事実関係の解明、当会の過去の指導監督体制のあり方につき徹底的な調査と忌
憚なき意見を求めている。弁護士及び弁護士会が失われた信頼を取り戻すべく
当会としては関係機関とも協力し適切に対処し全会員一丸となり地道な」努力
を続けるほかないと考える
■広島弁護士会(500名)2012年は処分者なし 前年逮捕者1名
■山口県弁護士会(145名)1996年から処分なし
■徳島弁護士会(90名) 2010年から処分者ナシ
■愛媛弁護士会(154名) 処分者3名 地方にしては多い コメントなし
■高知弁護士会(87名)2009年から処分者なし
■福岡県弁護士会(1039名)昨年は逮捕者・処分者なし
◆不祥事問題対策
2012年の活動として当会では不祥事問題に触れないわけにはいきません。
残念ながら当会では2011年3月以降、当会元会員による多数の被害者に高額な
損害を与える不祥事が複数発生し弁護士自治を揺るがしかねない重大な問題に
直面しました。当会執行部はこの問題を本年度の最重要の課題と位置づけ年間
を通して複数の不祥事防止策の策定を行いました。一つは会員サポ―トの充実
の方向での対応、もう一つは会員に対する指導連絡監督権限の適切な行使とし
て市民窓口機能の強化や会員等からの情報提供窓口機能の強化や会員等からの
情報提供窓口の設置、そして預り金規程の前面改定などを行いました
この活動は2013年度にも引き継がれることになりますが市民の信頼回復に向け
て確実に活動を続けてまいります。
■佐賀県弁護士会(92名) 2003年以降処分者なし
■長崎県弁護士会(154名)2011年以降処分者なし
■熊本県弁護士会(230名)2008年以降処分者なし
■大分県弁護士会(133名) 2000年以降処分者なし
■宮崎県弁護士会(121名)1名処分 コメントなし
■鹿児島県弁護士会(175名)2010年以降処分者なし
■沖縄県弁護士会(243名)処分者2名 コメントなし