懲戒処分(戒告)を取り消したのは不当であると、日弁連会長を訴えた!
「裁決の取消訴訟」
          訴 状
宇都宮地方裁判所御中          平成30年5月30日
原 告  懲戒請求者の相続人  (本人訴訟)
被 告  日本弁護士連合会会長  菊池祐太郎
【請求の趣旨】
1 被告日本弁護士連合会での平成29年4月10日付け、平成27年(懲)第20号審査請求事案、対象弁護士澤田雄二弁護士に対する懲戒処分(戒告)の取消しの裁決に関し被告日本弁護士連合会の「懲戒処分(戒告)取り消す」とする旨の裁決を取り消す
2 原告2名に対し精神的苦痛の慰謝料として、合計〇〇円を支払え
3 訴訟費用は被告の負担とする。
栃木県弁護士会において「戒告」処分となったものを日弁連懲戒委員会が「処分取消」としたのは不当であると「裁決の取り消し」と「慰謝料」を求めたもの。
そもそも、懲戒制度とはから説明をしなければなりませんが、
懲戒処分とは、所属する弁護士会が弁護士として品位を失った行為をした弁護士に対して処分をするもので懲戒請求者に「謝罪をしろ」「賠償をしろ」「盗った金は返してやれ」というものではありません。
ですから弁護士法第58条に「何人も懲戒請求ができる」となっております。
誰でも懲戒請求ができる、当時者でなくても懲戒請求ができる。弁護士の非行を知った人が請求できるが、懲戒請求者は誰でも構わないが、懲戒請求者にとっては何ら利益、名誉回復等々何もない、処分をするのは弁護士会であり、懲戒請求者には「議決書」「裁決書」が届くだけです。
所属弁護士会に懲戒請求を申立て、「処分しない」と請求が棄却された場合は日弁連に処分しないのは不当であると異議申立ができます。(懲戒請求者⇒異議申立人)
日弁連綱紀委員会で異議が棄却された場合は「綱紀審査会」に審査を求めることができます。(懲戒請求者⇒異議申立人⇒審査請求人)
つまり3回の処分の審査が可能です。
懲戒処分を出された弁護士は、日弁連に処分の取消を求め、棄却された場合は行政不服審査法に基づき東京高裁に被告を日弁連とする「処分の取消」裁判を提起できます。最後は最高裁まで判断を求めることができます。
今回の場合は、所属弁護士会で「戒告」の処分がなされ、対象弁護士が日弁連に処分は不当であると審査請求を出されました。(対象弁護士⇒審査請求人)
懲戒請求者も栃木弁護士会の戒告は不当に軽いと日弁連に異議申立を出されました。
そして、2つの申立のうち弁護士の審査請求が認められ、「戒告」が「処分をしない」となりました。
この「処分取消」を取り消せというのが今回の裁判。
慰謝料として〇〇万円とありますが、本来の懲戒制度の趣旨であれば懲戒請求者に慰謝料というのはハードルが高そうですが、原告は慰謝料が発生するという考えです。
また、民事裁判はいくらかの金銭を書かなければなりません。
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(処分取消)
所属弁護士会で戒告処分が出て、日弁連で処分が取消になった場合、この懲戒の事件としては終わりです、後は何もございません。懲戒請求者が処分は軽いと申し立てているのにもかかわらず、片方のみの主張を取り上げ、「処分取消」にした、
日弁連の審査請求(弁護士側申立)の審議に懲戒請求者の意見は何も反映されない。ここも不満のあるところです。
そして、原告の一番の不満は、処分の取消の理由が真実ではない。懲戒請求者の主張がまったく取り上げてくれていない上に対象弁護士(審査請求人)の言い分しか選択されていないのではないか・・・・
7月から宇都宮地裁で裁判が始まります。
原告は懲戒制度の実体、制度上の不備、仲間の庇い合いの実体などなどをしっかり
証明していただきたいと思います。

懲 戒 処 分 の 公 告   2015年10月 自由と正義

栃木県弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告公表に関する規定第3条第1号の規定により公告する
1 懲戒を受けた弁護士
氏 名          澤田 雄二
登録番号         24846
事務所          栃木県宇都宮市昭和179
             宇都宮中央法律事務所
2 処分の内容      戒 告
3 処分の理由の要旨
被懲戒者は20129月重度の認知症患者である懲戒請求者の母親Aが入所する介護老人保健施設Bから2010年4月にBの施設内で発生したAの転落事故についての損害賠償に関する交渉、上記事故後支払われなかったAの施設利用料の回収及び懲戒請求者のBの職員に対する不穏当な言動への対応について委任を受けたが、その事務処理のため、上記事故についてのAの損害賠償請求権でAの施設利用料の未納が解消される可能性が高いこと、Aは判断能力がなく法的に無防備であること等を考慮することなく2013611日及び同月14日付けで3週間以内に施設利用料の支払いがなければ介護施設利用契約を解除してAを退所させる等の内容の警告書を契約当事者ではない懲戒請求者に送付した。
被懲戒者の上記行為は弁護士法第56条第1項に定める弁護士として品位を失うべき非行に該当する。
 4 処分の効力を生じた年月日 2015630
2015101日 日本弁護士連合会


裁決の公告(処分変更)

栃木県弁護士会が2015年6月30日に告知した同会所属弁護士 澤田雄二会員(登録番号24846)に対する懲戒処分(戒告)について同人から行政不服審査法の規程による審査請求があり本会は2017年4月11日弁護士法第59条の規程により、懲戒委員会の議決に基づいて、以下のとおり裁決したので懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第3号の規程により公告する。
 
             記
1 採決の内容
(1)審査請求人に対する懲戒処分(戒告)を取り消す。
(2)審査請求人を懲戒しない。

2 採決の理由の要旨

 (1)被懲戒者は2012年9月、重度の認知症患者である懲戒請求者の母親Aが入所する介護老人施設Bから2010年4月にBの施設内で発生したAの転落事故についての損害賠償請求に関する交渉、上記事故後支払われなかったAの施設利用料の回収及び懲戒請求者のBの職員に対する不穏当な言動への対応について委任を受けたが、その後事務処理のため、上記事故についてAの損害賠償請求権でAの施設利用料の未納が解消される可能性が高いこと、Aは判断能力がなく法的に無防備であることを考慮することなく、2013年6月11日及び同月14日付けで3週間以内に施設利用料の支払がなければ介護施設利用契約を解除してAを対処させる等の内容の警告書を契約当事者でない懲戒請求者に送付した。
(2)栃木県弁護士会は上記認定につき、懲戒請求者の上記行為は、正常な判断能力を欠き、無力な弱者であるAのサービス利用契約上の権利・利益を正当な根拠なく不当に脅かすものであるとして弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当するとして被懲戒者を戒告の処分に付した。
(3)しかしながら、懲戒請求者がBの職員に対し、その対応に苦慮する言動を繰り返し、それが施設運営上相当程度支障となっていたが、懲戒請求者は入所者であるAの子であってAと面会していたことからすれば、直ちに施設への立ち入りや職員との面談禁止等の仮処分や告訴等の法的措置を採ることにちゅうちょせざるを得ない状況にあったといえる。
懲戒制球者はAの入所手続や利用料金の支払手続、さらには介護事故の損害賠償の交渉を行うなどして、事実上Aの代理人として行動してきた者であり、審査請求人は懲戒請求者に成年後見人手続の必要性を説明してきたが、懲戒請求者はこれに応じようとしていなかった。他方で施設利用料金の督促や示談の手続のため、懲戒請求者の意向を無視して、他の親族や市町村長に働きかけ、Aについて後見開始の審判の申立てをするよう促すのは必ずしも容易なことではなく、法的には問題がないわけではないとしても、まずは事態を打開する契機として、事実上入居者の代理人として行動していた懲戒請求者に対して上記警告書を送付したことは、あながち強く責められる行為とはいえない。懲戒制球者はBの対応に不満を持ちBに対し上記警告書が届く前からAを他の施設に移転させるよう申し入れており、Aは上記警告書だけを理由として本件施設を退所したものとは認められない。
そうすると、法律上は権限ある代理人とは認められない懲戒請求者に対して上記警告書を送付したことは、必ずしも適切な対処とはいえないとしても、その行為はいまだ弁護士としての品位を失うべき非行とまではいえない・
(4)したがって被懲戒者を戒告処分とした原弁護士会の処分を取り消して被懲戒者を懲戒しないこととする。
3  採決が効力を生じた年月日 2017年4月17日
2017年7月1日 日本弁護士連合会