2019年5月8日付官報に掲載された、弁護士懲戒処分の変更公告
第二東京弁護士会・新保義隆弁護士の処分変更
業務停止1月⇒処分取消
裁 決 の 公 告第二東京弁護士会が平成28年4月25日に告知した同会所属弁護士新保義隆会員(登録番号21768)に対する懲戒処分(業務停止1月)について同人から行政不服審査法の規定による審査請求があり、本会は、平成31年4月8日、弁護士法第56条の規定により、懲戒委員会の議決に基づいて、本件処分を取り消し同人を懲戒しない旨裁決し、この採決は平成31年4月12日に効力を生じたので懲戒処分の公告及び公表に関する規程第3条第3号の規定により公告する。
平成31年4月12日 日本弁護士連合会
業務停止処分が戒告になることはありますが、処分取消になることは珍しいことです。日弁連は、所属弁護士会の処分が重きに失したとだけしか処分理由を書かなくなりましたが、業務停止から処分取消ですから、所属弁護士会の処分が重きに失したではなく、所属弁護士会の判断が誤っていたということですので、今回は処分取消理由を自由と正義に公告として掲載すべきです。
取消された懲戒処分
「日弁連広報誌・自由と正義」2016年8月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・第二東京弁護士会・新保義隆弁護士の懲戒処分の要旨
懲 戒 処 分 の 公 告
第二東京弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告公表に関する規定第3条第1号の規定により公告する
1 処分を受けた弁護士
氏名 新 保 義 隆 登録番号 21768
事務所 東京都千代田区内幸町1-1
新保法律事務所
2 処分の内容 業 務 停 止 1 月 処分取消2019年4月12日
3 処分の理由の要旨
被懲戒者は、2007年以降A株式会社の取締役会の主導権を確保したA社の株主であるBらが代表者である米国のC社に対するA社の他の株主からの損害賠償請求を免れ、またA社のBらと対立する株主の権利を失権させるために、2008年6月にA社の自己破産申立て等をして破産手続開始決定を得ることを企画して事を進めていた経緯を認識した上で同年5月24日、A社との間でA社の使途不明金の支出先に対する不当利得返還請求訴訟事件について着手金を315万円とする委任契約書を作成し、同年6月2日A社の準自己破産申立事件について報酬を735万円とする委任契約書を作成し同年5月26日に上記両事件の弁護士報酬及び諸費用の預り金としてA社から先行して被懲戒者の銀行口座に2500万円を送金させる等して破産原因を存在が疑わしいA社について破産原因を演出して破産手続開始決定の取得を容易ならしめる行為に協力し、またBらの上記事情に乗じて、弁護士報酬として適正かつ妥当とはいえない過大な報酬を提示し受領した。
被懲戒者の上記行為は、弁護士職務基本規定第14条及び第24条に違反し、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。 4 処分が効力を生じた年月日 2016年4月25日
2016年8月1日日本弁護士連合会
弁護士職務基本規定
(違法行為の助長)
第十四条弁護士は、詐欺的取引、暴力その他違法若しくは不正な行為を助長し、又はこれらの行為を利用してはならない。 (弁護士報酬) 第二十四条 弁護士は経済的利益事案の難易時間及び労力その他の事情に照らして 適正かつ妥当な弁護士報酬を提示しなければならない。 |
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