弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2021年8月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・大阪弁護士会・山上耕司弁護士の懲戒処分の要旨

処分理由・会社側の弁護士として品位なき交渉

会社側の代理人として事件処理したが少し強引な手法であったと戒告

懲 戒 処 分 の 公 告

 大阪弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

          記

1 処分を受けた弁護士氏名 山上耕司

登録番号 26281

事務所 大阪市中央区高麗橋4-3-7 北ビル4階

エヴィス法律会計事務所 

2 懲戒の種別  戒告  

3 処分の理由の要旨

 被懲戒者は、A株式会社の要求に応じて懲戒請求者に対し、A社の元総務部長Bに対する懲戒請求者の言動につき、犯罪が成立し、立件される可能性がないにもかかわらず、懲戒請求者に対する聴き取り調査を行わず、弁明の機会を与えないまま、「刑事事件に発展する可能性がある」等と記載して、殊更に犯罪成立及び立件の可能性、懲戒事由該当の可能性を示して退職願の提出を迫り、これに応じないときは懲戒解雇、法的手段に及ぶことを告げるなど、懲戒請求者の意思の自由を確保することへの配慮を全くせず、退職勧奨を目的とする通知として著しく適切さを欠くばかりか、即時の自宅待機を命ずるなど懲戒請求者に不当な結果を強要し、さらに、違法な相殺を理由とする退職金不支給を一方的に通知するなど、A社の正当な利益の実現を求めるものとは認められない内容の通知書を送付した。

 被懲戒者の上記行為は、弁護士職務基本規程第21条に違反し、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

4 処分が効力を生じた日 2021年2月9日 2021年8月1日 日本弁護士連合会