弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2021年10月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・福岡県弁護士会・東武志弁護士の懲戒処分の要旨
処分理由・預り金の処理が不適切。
東武志弁護士は4回目の処分となりました。過去、福岡県弁護士会で4回を超える処分者はおりません。
報 道 報道がありました
配信九州朝日放送
交通事故の示談金として振り込まれた700万円を依頼者に無断で流用したなどとして、福岡県弁護士会は26日、77歳の弁護士を業務停止1年6カ月の懲戒処分にしました。 処分を受けたのは、福岡市博多区にある新未来法律事務所の東武志弁護士(77)です。
福岡県弁護士会によりますと、東弁護士は2019年4月、交通事故の裁判で示談金として口座に振り込まれた700万円を依頼者に無断で引き出し流用するなどしたということです。 依頼者が福岡県弁護士会に、「示談金の清算がされない」と相談したことで発覚しました。 東弁護士はその後、福岡県弁護士会による聞き取り調査に対し「示談金は清算した」とうその説明もしていたということです。 福岡県弁護士会は、東弁護士の一連の対応が不誠実で悪質として、1年6カ月の業務停止処分にしました。 東弁護士は示談金の流用を認めていて、依頼者との間で清算も済んでいるということです。
東弁護士は2015年と2019年にも、別の預り金の不適切な処理で懲戒処分を受けていました。 福岡県弁護士会の伊藤巧示会長は「預り金に対する懲戒処分が出たことを重く受け止め、会員に預り金の管理を適切にするよう求める」としています。
引用 https://news.yahoo.co.jp/articles/bba3070974f7d664d053e80bf584172012a261a6
福岡県弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。
記
1 処分を受けた弁護士氏名 東 武志 登録番号 14112
事務所 福岡市博多区中呉服町3-10ー2階
新未来法律事務所
2 懲戒の種別 業務停止1年6月
3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は、2015年3月24日、懲戒請求者の父であるAから事件を受任するに当たり、委任契約書を作成しなかった
(2)被懲戒者は、上記(1)の事件に関し、懲戒誚求者及びAに対し、当初B弁護士と共同受任するかのように対応しながら、その後B弁護士が共同受任を固辞した結果、被懲戒者が一人で受任し、職務を遂行することなったことを懲戒請求者らに報告しなかった。
(3)被懲戒者は、2019年2月頃、Cから交通事故の示談交渉事件を受任するに当たり連絡を取る窓口となっていたCの子であるDに対して、弁護士報酬についての適切な説明をせず、委任契約書の作成もしなかった。
(4)被懲戒者は、上記(3)の事件に関し、2019年4月18日、相手方保険会社から被懲戒者の預り金口座に振り込まれた示談金700万円を全額出金した後、弁護士報酬と清算することなく流用した上、同年7月12日、Dから苦情申入れを受けた所属弁護士会の市民窓口等対応室担当者からの事情聴取に対し、示談金が入金された後、弁護士報酬を差し引いてDに渡した等と虚偽の説明を行った。
(5)被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士の報酬に関する規程第5条第2項及び弁護士職務基本規程第30条第1項に、上記(2)の行為は同規程第29条第1項に、上記(3)の行為は弁護士の報酬に関する規程第5条第1項及び第2項並びに弁護士職務基本規程第29条第1項及び第30条第1項に、上記(4)の行為は預り金等の取扱いに関する規程第2条、弁護士職務基本規程第45条、所属弁護士会の業務上の預り金等の取扱いに関する規程第2条等に違反し、いずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4 処分が効力を生じた日 2021年4月26日 2021年10月1日 日本弁護士連合会