弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2024年9月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・第二東京弁護士会の猪野雅彦弁護士。採決の公告・処分変更の要旨

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裁決の公告

第二東京弁護士会が2023年6月12日に告知した同会所属弁護士 猪野雅彦会員(登録番号28946)に対する懲戒処分(業務停止1年6月)について、同人から行政不服審査法の規定による審査請求があり、本会は2024年6月11日、弁護士法第59条の規定により懲戒委員会の議決に基づいて以下のとおり裁決したので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第3号の規定により公告する。

処分変更 業務停止1年6月⇒業務停止1年
        記

1 裁決の内容

(1) 審査請求人に対する懲戒処分(業務停止1年6月)を変更する。

(2) 審査請求人の業務を1年間停止する。

2 採決の理由の要旨 

(1)原弁護士会は、本件懲戒請求事件につき、審査請求人を業務停止1年6月の処分に付した。

(2)審査請求人の本件審査請求の理由は、原弁護士会懲戒委員会の議決書(以下「原議決書」という)に記載の、原弁護士会の認定した事実及び判断には誤りがあり、原弁護士会の処分に不服なので、その取消しを求めるというにある。

当会懲戒委員会が、審査請求人から新たに提出された証拠も含め審査した結果、原議決書の認定及び判断に誤りはなく、審査請求人にはその経営する法律事務所で受任していた破産事件につき、事務職員に対する指導監督義務の重大な違反が認められ、これは弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。そして審査請求人がこれまで5回の懲戒処分を受けていること及びその内容も考慮すると、処分として業務停止の選択はやむを得ないところである。

(3)しかしながら、審査請求人の上記処分歴のうち、直近の2021年10月28日付の業務停止10月の処分(以下「前処分」という。)にかかる非行事実は、本件懲戒請求事由における上記破産事件の受任と同時期のものであり、前処分を受けて更に本件における非行に至ったわけではなく、前処分の非行事実と同時に処分を受けた場合と権衡、審査請求人が上記破産事件の着手金相当額を懲戒請求者の破産管財人に返還していることなどの事情に鑑みれば、原弁護士会の審査請求人に対する処分は重きに失すると言わざるを得ず、これを変更して、審査請求人の業務を1年間停止するのが相当である。

3 裁決が効力を生じた年月日 2024年6月14日 

★ なお、本件業務停止の期間については、原弁護士会が業務停止1年6月の処分を告知した2023年6月12日以降の期間が参入されるため2024年6月11日までとなる。

2024年9月1日  日本弁護士連合会

二弁の懲戒スター猪野先生、日弁連に愛されていますね。事務員の監督責任とありますが、その事務員とはどういう方だったのでしょうか?非弁提携ではなかったのでしょうか。
懲 戒 処 分 の 公 告 2023年10月号 6回目

1 処分を受けた弁護士氏名 猪野雅彦 登録番号 28946 事務所 東京都中央区銀座8-10-5 第4秀和ビル3階 RING法律事務所 

2 懲戒の種別 業務停止1年6月(2024年6月14日 業務停止1年に変更)

3 処分の理由の要旨 

被懲戒者は、2018年10月当時、自己が代表を務める法律事務所において、事務職員のみが依頼者と面談することがあることを認識しながらそれをやめさせず、事務職員が被懲戒者の指示に従っていないことや、業務に関し情報が秘匿されている可能性を十分認識していたが、同月1日、破産手続開始申立事件の弁護士費用として金30万円を支払った懲戒請求者に対して、事務職員が職印が押捺された被懲戒者作成名義の領収書を作成して懲戒請求者に交付し、また上記事件に対する事実確認等の調査や是正を行わず、事務職員に対する指導監督義務を果たさず放置した。

被懲戒者の上記行為は弁護士職務基本規程第19条に違反し、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。4処分が効力を生じた日 2023年6月12日 2023年10月1日 日本弁護士連合会

(報道) 61歳弁護士を業務停止 事務職員の指導・監督怠る=東京 2023年6月14日
 第二東京弁護士会は13日、同会所属の猪野雅彦弁護士(61)を12日付で業務停止1年6か月の懲戒処分にしたと発表した。

 発表によると、猪野弁護士が代表を務めていた弁護士事務所で2018年10月、事務職員が弁護士の同席なしに依頼者と面談したり、弁護士の指示なく領収書を発行したりした。依頼者が着手金を支払った破産申し立て案件も事務職員が弁護士に報告せず、19年10月まで放置された。同会は、猪野弁護士が事務職員に対する指導や監督を怠ったと判断した。 猪野弁護士は同会に対し、「部下が勝手にやったことで、私が指導や監督を怠ったつもりはない」という趣旨の説明をしたという。引用 読売新聞都内版 6月14日

懲 戒 処 分 の 公 告 2022年4月号(5回目)

1 処分を受けた弁護士氏名  猪野 雅彦 登録番号 28964 事務所  東京都港区芝4-3-2三田富洋ハイツ110 RING法律事務所 2 処分の内容 業務停止10月
3 処分の理由の要旨
(1) 被懲戒者は、2018年4月頃、懲戒請求者がAから貸金返還請求等の請求を受けた事件につき、懲戒請求者から交渉及び訴訟の受任をするに当たり委任契約書を作成しなかった。
(2)被懲戒者は、上記(1)の事件につき、Aの請求を認容する判決が言い渡され、2018年10月2日、判決正本が被懲戒者の事務所に送達されたにもかかわらず、上記判決の言い渡し及びその内容を控訴期間内に懲戒請求者に報告しなかった。
(3) 被懲戒者は、上記(1)の事件に関し、Aに対する弁済費用として懲戒請求者から合計金20万円を預かったが、その保管を事務員に任せきりにし、保管状況すら把握せず、懲戒請求者との委任関係が終了したにもかかわらずこれを返還しなかった。
4 処分が効力を生じた年月日 2021年11月10日  2022年4月1日 日本弁護士連合会

懲 戒 処 分 の 公 告 2021年6月号 (4回目)

1 処分を受けた弁護士氏名 猪野雅彦 登録番号 28946 事務所 東京都港区芝4-3-2 三田富洋ハイツ110 RING法律事務所 2 懲戒の種別  業務停止2月  

3 処分の理由の要旨

被懲戒者は、ウェブサイト運営者Aの訴訟代理人として、Bに対しウェブサイトの利用代金を請求する訴訟を提起するに当たり、懲戒請求者がBの代理人としてAに通知していた内容等から、上記訴訟の提起がAの詐欺的取引を助長することに当たる可能性を認識すべき状況にあったのだから、Aに対して資料を徴求する等して事実関係を検討した上で、Bの主張に反証できる可能性が相当程度存在すると判断できなければ訴訟提起の受任には消極的であるべきであったにもかかわらず、十分な調査を行わないまま、2016年11月21日、Bに対し訴訟を提起してAの違法行為を助長した。4 処分が効力を生じた年月日 2020年10月30日 2021年6月1日 日本弁護士連合会

懲 戒 処 分 の 公 告 2019年4月号(3回目)
1 処分を受けた弁護士 氏名    猪野雅彦  登録番号28946
事務所 東京都港区新橋1-18-19 キムラヤ大塚ビル8階  雅法律事務所 
2 処分の内容  業務停止3月
3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は、2014年6月1日に、Aとの間でAが被懲戒者の名義でヤミ金整理業務を行いその報酬を被懲戒者との間で配分する内容の契約を締結した。
(2)被懲戒者は2016年2月26日に所属弁護士会から業務停止2月の懲戒処分を受け、業務停止期間中は、日本弁護士連合会の被懲戒弁護士の業務停止期間中における業務規制について弁護士会及び日本弁護士連合会の採るべき措置に関する基準第二に規程する事項を遵守するよう指導、監督を受けたにもかかわらず、上記業務停止期間中、一部の顧問先との間の顧問契約解除しなかった。被懲戒者は上記業務停止期間中、家庭裁判所に係属していた被懲戒者受任に係る成年後見開始申立事件について裁判所に辞任届を提出せず、被懲戒者の事務所の事務職員であるBに上記基準第二に規定する事項を遵守するよう指示、徹底せず、同年3月23日にBが被懲戒者の事務所に立ち入り上記裁判所との間で上記事件に関し、電話連絡及びファクシミリの送受信などの弁護士業務を行う結果を招来させた。
(3)被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士法第27条、弁護士職務基本規定第11条及び第12条の趣旨に違反し上記行為は、いずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4  処分が効力を生じた年月日 2018年12月19日    2019年4月1日日本弁護士連合会
弁護人が無断欠席 仙台地裁で開廷できず 2015年12月2日

河北新報 2015年122()1238分配信 

仙台市の高齢者らが被害に遭った特殊詐欺事件に絡み、仙台地裁で1日予定されていた詐欺罪などに問われた男(21)の公判が、連絡もないまま弁護人が法廷に現れなかったため、開廷できないトラブルがあった。担当裁判官は「弁護士の活動として極めて問題だ」と指摘した。
公判を無断欠席したのは男の私選弁護人で、第二東京弁護士会所属の猪野雅彦弁護士。開廷時間を過ぎても現れず、裁判官は約15分後、公判を開かないことを決めた。この日の公判は男の追起訴された事件を審理する予定だった。地裁は追って期日を指定、あらためて公判を開く。男は法廷で「このところ連絡がつかなくなって困っていた」などと話した。 猪野氏の弁護士事務所の担当者は「弁護士は入院している。無断欠席した詳しい事情は分からない」と釈明。第二東京弁護士会は「個別の事案にはコメントしない」としている。

懲 戒 処 分 の 公 告 2016年11月号(2回目)

1 処分を受けた弁護士氏名猪野雅彦 登録番号 28946

事務所 東京都港区新橋1-18-19 キムラヤ大塚ビル8階  雅法律事務所
2 処分の内容 業務停止2月
3 処分の理由の要旨
被懲戒者は、2014117日、知り合いであった受刑中の懲戒請求者と刑務所にて面会し刑務所の処遇に対して提起した多数の行政訴訟について相談を受けた。被懲戒者は実際には事件と向き合う意欲を持たなかったにもかかわらず、その後1件の訴訟事件について受任し同年522日に行われた上記事件の口頭弁論期日に出頭して、このまま訴状が補正されなければ却下するとの裁判所の意向を聞いたが特段の手立てを採らなかった。
また被懲戒者は同年630日に出所した懲戒請求者と面会し、大量の事件関係記録を預かり、他の全ての案件、概観を自分が見通すから、残りがあれば全部送るよう伝え、積極的な姿勢を示すかの言動をしたが、ほとんど検討しなかった。さらに被懲戒者は、事務職員が懲戒請求者から預かった訴訟委任状を裁判所に提出した別の訴訟について、同年94日に裁判所から来た問い合せに対し対応するかのようなファックスを送ったが適切な処理を一切行わなかった。
被懲戒者の上記行為は、弁護士職務基本規定第5条、第34条及び第35条に違反し、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4  処分が効力を生じた年月日 2016年727日 2016111日 日本弁護士連合会
懲 戒 処 分 の 公 告 2016年7月号(1回目)
懲戒処分の公告(業務停止2月) 
被懲戒者は、2010年2月25日、有限会社A社らから債務整理事件を受任したが事務職員BがA社らに対し、A社らの財産の名義を変更すること、破産開始決定後も破産管財人に秘して事業を継続すること等、破産法に違反する指示を行い、実施させている事を重大な過失により認識せず、放任し、結果として不作為により助長した。 
また、被懲戒者は、上記事件を含む債務整理事件の処理をほぼ全面的にBらに委ね、依頼者と直接面談を行わず、事件の見通し等の説明、経過の報告等をしなかった。
 被懲戒者の上記行為は、弁護士職務基本規定第19条、第29条第1項、第36条等に違反し、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。4  処分が効力を生じた年月日 2016年2月26日 201671日日本弁護士連合会
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