当会会員に対する懲戒処分についての会長談話

昨日、当会は、2025年8月20日付け懲戒委員会の議決に基づき、当会の鈴木健会員に対し、業務停止1年の懲戒処分を行い、その効力が生じました。

当会の調査請求により懲戒手続を開始した案件と4人の懲戒請求者による4つの案件との計5件が、今回の懲戒処分の対象となったものです。

いずれも、同会員が、SNSを通じた投資詐欺・ロマンス詐欺等の詐欺被害事件について、被害金の返金請求業務を受任したことに関するものです。

同会員は、弁護士ではない者と提携関係を結び、専らその者らに事件の処理・対応を行わせていました。また、その者らが管理するホームページで誤導を招くような広告・宣伝を行って大量に集客した上、その者らの不適切な説明を放置し、報酬を分配していました。

以上のような同会員の行為は、弁護士職務基本規程第9条、11条、12条、19条、29条等に違反し、弁護士法第56条1項に定める弁護士としての「品位を失うべき非行」に該当するものです。

本件に関する同会員の業務は、昨年2月頃から6月頃にかけて行われたものですが、全国的にも、同様の案件が世間を騒がせ、弁護士に対する社会の信頼を揺るがす大きな問題となっていました。そこで当会といたしましても、昨年8月9日に会として懲戒手続を開始したことの公表を行い、同会員の依頼者の方々への注意喚起を促すとともに、これまで徹底的な調査を行い、厳正に手続を進めてまいり、本日の懲戒処分に至った次第です。

このような事案が再び生じないよう、そして、弁護士がそれぞれの矜持を保って市民の皆様のために活動できるよう、当会といたしましては、現状を厳しく受け止め、より一層精進し、弁護士の職務適正の確保に向けて全力で取り組んでいく所存です。

2025年10月30日神奈川県弁護士会 会長 畑中 隆爾

鈴木健弁護士が懲戒手続に付された事案の事前公表について

2025年04月02日更新

 当会は、鈴木健弁護士(事務所名所:鈴木健法律事務所、登録番号:25621)について、2024年8月9日付で「当会会員が懲戒手続に付されたことについての会長談話」を発表しました。 公表内容の詳細は「懲戒の手続に付された事案の事前公表について」をご覧ください。
 同会員については、「神奈川県弁護士会所属・鈴木健会員に関する情報提供(Q&A)」をご確認くださいますようお願いいたします。

 なお、弁護士法23条の2に基づく照会についての個別の状況については、受任弁護士以外からのお電話等に対してお答えすることは致しかねますので、受任弁護士に対して、個別の照会申出書等の写や弁護士会からの受理ないし拒絶の通知書面等の交付を求めていただく方法によりご確認いただきますようお願い致します。

弁護士資格のない事務職員らに法律業務 神奈川県弁護士会が懲戒手続き 2024年8月10日カナロコ
 神奈川県弁護士会は9日、弁護士資格のない事務職員らに法律事務に当たらせ、弁護士職務基本規程に反したとして、鈴木健法律事務所(横浜市中区)の鈴木健弁護士(55)の懲戒手続きを開始したと発表した。鈴木弁護士は弁護士法違反(非弁護士との提携)の罪で起訴された元衆院議員の今野智博被告(49)の共同受任先で、県弁護士会は事案の重大性や被害拡大防止の観点から、懲戒処分の決定前に公表した。

 県弁護士会によると、鈴木弁護士は2月下旬ごろから、被害回復の難しい事案が多い投資詐欺事案について「お金を取り戻します」「被害金が返金されて解決」などと被害者が誤認するような内容を事務所のホームページ上に表示させていた。
 また、受任する際も弁護士が行う事情聴取や弁護士報酬などの説明の多くを同被告の事務職員に行わせた上、事件処理の労力や回収可能性に見合わないおそれのある高額な着手金を提示していた疑いがある。

8月10日付 カナロコhttps://www.kanaloco.jp/news/social/article-1101592.html

鈴木健弁護士 登録番号25621 鈴木健法律事務所 横浜市中区桜木町2-2

◆着手金を支払ったのに弁護士と直接やりとりする機会なし

 共同受任先は神奈川県弁護士会所属の鈴木健氏。警視庁捜査2課は、鈴木氏の行為も同法違反に当たるか慎重に調べている。
 鈴木氏に依頼した詐欺被害者らによると、鈴木氏は複数の広告サイトで「詐欺被害の返金は弁護士にお任せください」「早めに弁護士に相談すれば返金の可能性が高くなる」などとPRし、今野容疑者を「共同受任先」と紹介。だが、当初から事務職員を名乗る男性が対応し、着手金を払った後も鈴木弁護士と直接やりとりする機会は一度もなかったという。
 本紙はサイトに掲載された依頼受け付けフリーダイヤルと事務所に電話をかけたが、いずれもつながらず、事務所が入る横浜市中区のレンタルオフィスを訪ねても応答はなかった。県弁護士会は「問題は把握している。会として対応を検討している」と説明した。

◆裏切られた「ここなら大丈夫だろう」

鈴木健弁護士の相談窓口のLINEアカウントから依頼者に送られてきたメッセージ=依頼者提供(一部画像処理)

鈴木健弁護士の相談窓口のLINEアカウントから依頼者に送られてきたメッセージ=依頼者提供(一部画像処理)

 投資詐欺で200万円を失った千葉県の30代男性会社員は4月、わらにもすがる思いで鈴木健弁護士のフリーダイヤルに電話を入れた。インターネットで見つけたサイトには「共同受任先」として今野智博元衆院議員の名前。詐欺に遭って疑心暗鬼になっていた男性も「ここなら大丈夫だろう」と信じた。
 電話に出たのは事務員の「アオヤギ」を名乗る男。まずLINEのトークに誘導され、そこで被害状況を説明した。やりとりが再び電話に戻ると、アオヤギは「被害から時間がたっていないから、お金が戻る望みはある」と強調。さらにLINEで「弁護士ができること」として、だまされて金を振り込んだ口座の照会などを挙げた。
 電話とLINEでやりとりを重ねた後、着手金の24万2000円を支払った。鈴木弁護士と直接話す機会は、一向に訪れなかった。時々LINEで口座情報の照会をかけたなどと報告が入る程度で、それもやがて途絶えた。同じ頃、共同受任先の今野容疑者が警視庁に逮捕されたとニュースで聞き、驚愕(きょうがく)した。
 すぐ鈴木氏のフリーダイヤルや事務所の電話に連絡したが、誰も出ない。LINEでメッセージを送っても返信がない。「まさか弁護士が依頼者を裏切るなんて…」。予期せぬ二次被害に遭った男性は「もう何を信じたらいいか分からない」とつぶやいた。
以上 東京新聞 https://www.tokyo-np.co.jp/article/337227