第14条
少女らにアダルトビデオ(AV)への出演を強要したなどとして有罪判決を受けた元DVD販売サイト運営者の男に対し、違法行為を止めるよう助言しなかったのは弁護士の品位を失う非行にあたるとして、第二東京弁護士会が、男の顧問弁護士だった菅谷幸彦弁護士を戒告の懲戒処分にしたことが26日、分かった。処分は20日付。
同弁護士会の懲戒委員会や綱紀委員会の議決によると、元サイト運営者の男は平成26~28年、インターネット上でコスプレモデルの募集を装って少女らを集め、東京や大阪のスタジオでAV出演に勧誘。当時18歳だった少女を脅し、承諾書に「わいせつ行為は私の意思です」と書かせたなどとして強要や職業安定法違反などの罪に問われ、30年3月に大阪高裁で懲役2年6月、罰金30万円の実刑判決を受けた。
男は23年、女子中学生の上半身裸の写真を撮ったとして、児童買春・ポルノ禁止法違反(児童ポルノ製造)容疑で警視庁に逮捕され、24年3月に懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を受けた。この事件で男の私選弁護人だった菅谷弁護士は同月、月3万円で男と顧問契約を締結。男の服役まで顧問弁護士を務めた。
男はAV出演に難色を示す少女らに対し、「こっちには弁護士がいるので断ったら大変なことになる。(撮影前にかかった)美容院代を返せ」などと迫っていたことが大阪府警の捜査で判明した。懲戒委は菅谷弁護士について、「漫然とそのような事業主の顧問弁護士となったことが根本的な問題だ」と指摘した。
菅谷弁護士は「(男の行為が)職業安定法上の有害業務に該当するかどうか思いを致すことが現実的に困難だった」と弁明したが、懲戒委は「(同法の)有害業務の概念について知らなかったことは弁解の余地がない」と非難。一方で「法的知見を提供し、違法行為を助長した証拠はない」として、戒告とした。
菅谷弁護士は産経新聞の取材に対し「法令を知らなかったことはミス。男の顧問に就いたのは結果としては適切ではなかったと言わざるを得ない」とした。
懲戒処分は重い順に(1)除名(2)退会命令(3)業務停止(4)戒告-がある。各弁護士会の決定に不服がある場合は、日本弁護士連合会(日弁連)に申し立てることができる。
引用産経https://www.sankei.com/affairs/news/200126/afr2001260014-n1.html
第二東京弁護士会は菅谷弁護士に戒告の処分を下しました
日弁連は16日、アダルトビデオ(AV)制作業の男がAV撮影目的で女性を募集していると知りながら、やめさせなかったとして、第二東京弁護士会から戒告の懲戒処分を受けた菅谷幸彦弁護士の処分を、より重い業務停止1カ月に変更したと明らかにした。 日弁連は、職業安定法が禁じる「有害業務に就かせる目的での募集」に加担し、助長していたと認定。「若い女性の被害を生じさせており、戒告は軽すぎる」とした。
日弁連によると、菅谷弁護士は平成24年、児童買春・ポルノ禁止法違反事件で弁護人を務めたのをきっかけに男と顧問契約を結んだ。男が未成年を含む女性をAVに出演させていたと認識しながら、やめるよう助言しなかったほか、出演を強要されたと主張した女性と男のトラブル処理にも従事した。 第二東京弁護士会が今年1月に戒告とし、懲戒請求者が異議を申し出ていた。
引用産経 https://www.sankei.com/affairs/news/201116/afr2011160036-n1.html
第二東京弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。
記
1 処分を受けた弁護士 氏名 菅谷幸彦 登録番号 24173
事務所 東京都港区赤坂2-2-21永田町法曹ビル406
菅谷・来司法律事務所
2 懲戒の種別 戒告
3 処分の理由の要旨
被懲戒者は、成人向けDVDの製作、販売を業とするAと2012年3月に顧問契約を締結したところ、A自身が上記DVDに出演する女性をウエブサイト上で直接募集していることを上記契約時締結当初から認識していたにもかかわらず、上記募集が公衆道徳上有害な業務に就かせる目的での労働者の募集として職業安定法違反にならないかについて必要な調査を行わず、Aに対し違法行為を行うことをやめさせるよう助言等しなかった。
被懲戒者の上記行為は弁護士職務基本規程第37条第1項に違反し、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4処分が効力を生じた日 2020年1月22日 2020年7月1日 日本弁護士連合会

《異議申出の理由》
異議申出人の本件異議申立理由は要するに対象弁護士の行為は、弁護士職務基本規程第37条のほかにも、同規程第14条に違反し対象弁護士は○○の違法行為を止めることもせず、結果的に被害を多数発生させたのであり、処分が不当に軽いということにある。
《当委員会が認定した事実》
1当委員会が審査したところ、下記の事実が認められる。
(1)対象弁護士は平成24年に〇〇の児童ポルノ禁止法違反の刑事事件の弁護人になった後、同年3月29日付けで、〇〇との間で法律顧問契約を締結したが、同契約締結当初から、〇〇が(ア)成人男性向けのDVDに出演させるという本当の目的を隠し、コスプレモデル募集等の虚偽のウエブサイトを開設して18才19才を含む若年女性を反復継続して募集していたこと(イ)応募してきた女性に、性交あるいは性交類似行為を伴うアダルトDVDに出演させていたことを認識していた。
(2)それにもかかわらず、対象弁護士は、〇〇の顧問弁護士として上記(ア)のような違法又は不正な募集行為を止めるよう〇〇に助言せず、その結果、〇〇は判断能力が十分とはいえない18歳等の未成年者をターゲットにして採用して、中には意に反してアダルトDVDに出演させられたという被害を訴える未成年者の被害者を生じさせた。
2 原弁護士会の多数意見では対象弁護士は〇〇が職業安定法第63条第2項に該当する違法行為である『公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で労働者の募集を行っていた』という外形的事実を認識していたのであるから、〇〇の顧問弁護士として、同法による規制について必要な調査を行うべきであったにもかかわらず、これを行わず、○○に対して違法行為を止めることを助言しなかったことは、弁護士職務基本規程第37条第1項に反し、品位を失うべき非行に該当するが、職業安定法第63条第2項の規定を知らなかったので〇〇の行為が違法であるという認識を欠いていたと判断し対象弁護士を戒告処分とした。
3 しかしながら、対象弁護士は上記第3の1(1)(ア)の事実を知りながら〇〇に対しこのような違法行為又は不正な行為を止めるよう助言等することなく、平成24年3月に締結した法律顧問契約を維持し、また〇〇が当該DVDに出演した女性の間で強要されたという主張がなされてトラブルになった際には顧問弁護士としてその処理に当たるつもりでいたのであり、実際にもその処理に従事した。
したがって対象弁護士は職業安定法第63条第2号の規定を知らなかったとしても、○○の行っていた上記第3の1(ア)の違法行為は不正な募集行為に加担し、それを助長していたと認められ、対象弁護士の行為は、弁護士職務基本規程第14条に違反するものである。
《結 論》
対象弁護士の行為は、〇〇の違法行為に加担し助長して若年女性の被害を生じさせたものであり、また弁護士一般の社会的信用を著しく棄損する行為であり、戒告の処分は軽きに過ぎて不当であり、変更せざるを得ないものがある。業務停止1月とするのが相当である。よって主文のとおり議決する。
2020年11月9日 日本弁護士連合会懲戒委員会委員長 高博一 印(14名の懲戒委員の署名押印)
〇〇はAV業者の氏名

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