弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2009年4月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・東京弁護士会・佐竹修三弁護士の懲戒処分の要旨

処分理由・事件放置、預り金流用

 

懲 戒 処 分 の 公 告

東京弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

          記

1 処分を受けた弁護士氏名 佐竹修三

登録番号 18927

事務所 東京都千代田区神田司町

2 懲戒の種別 業務停止10月 

3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は2006年5月17日懲戒請求者Aから動産仮差押命令申立事件を受任し、同年6月1日に着手金50万円の振込み送金を受け、同年8日には預かり口座に保証金300万円の預託を受けたがこの預かり金を私的に着服したばかりか1ヶ月以上も事件に着手せずAの督促を受けて同年7月14日にようやく動産仮差押命令を申し立てたしかし被懲戒者は裁判所に命じられた担保を供託することができず同年9月21日までの間3回にわたって申立と取り下げを繰り返し懲戒請求者の依頼の趣旨を実現しなかった
(2)被懲戒者は1999年11月30日懲戒請求者Bから(1)貸金業者甲を債権者として自宅不動産に設定された根抵当権仮登記の抹消登記の問題と(2)自宅不動産についてなされた貸金業者乙への所有権移転登記の抹消等の問題の解決を引受け十数回に分割して着手金140万円を受領した。ところが被懲戒者は2007年7月までの間、Bから頻繁に問い合わせを受けていたのに事件の経過について明確に説明せず(1)については2000年中に敗訴判決を受けていたのに報告せず(2)については約8年間にわたって事件処理にも着手しなかった

(3)被懲戒者は2006年8月14日懲戒請求者Cから(1)仮差押命令申立事件と(2)仮処分命令申立事件を受任し翌日預かり金口座に上記2件の保証金として6000万円の預託を受けたがその内5000万円について他の用途に流用してしまった。
(4)被懲戒者の上記の行為は(1)及び(3)については着手金及び預かり金の全額を返還し(2)については着手金全額を分割して返還する合意が成立していることを考慮してもいずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する
4 処分の効力の生じた日   2009年1月13日2009年4月1日  日本弁護士連合会