弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2009年7月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・大阪弁護士会新谷勇人弁護士の懲戒処分の要旨

処分理由・[弁護士倫理第12条] 報酬は弁護士以外のものに分けてはならない

懲 戒 処 分 の 公 告

 大阪弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

          記

1 処分を受けた弁護士氏名 新谷勇人 

登録番号 11984

事務所 大阪市北区天神橋2

新谷勇人法律事務所

2 懲戒の種別 業務停止2月  

3 処分の理由の要旨

(1)被懲戒者は2004年2月頃当時弁護士であったAから共同受任の形式で処理してほしいと依頼され懲戒請求者Bを被害者とする交通事故について加害者から出されていた債務不存在確認調停事件を受任した。同事件はその後加害者側が3191万円支払うとの調停が成立して終了することとなったが被懲戒者はAの意向を受け自らの弁護士報酬364万円から160万円をAの関係者であるBの内縁の夫に分配する旨あらかじめ約束し、もしそのような事情をBに報告していればこれに応じなかった可能性があったにもかかわらずこれをBに対して一切報告しなかった

(2)被懲戒者は2004年5月から2005年11月までの間、非弁護士であるCが従前、Aの名前を借りて自賠責請求や示談行為をしていたことを知りながらCから依頼を受けて多数の交通事故事件を処理しその報酬をCと分配した

(3)被懲戒者は上記(1)の行為は廃止前の弁護士倫理第31条に違反し、また、上記(2)の一連の行為は弁護士法第27条及び廃止前の弁護士倫理第12条又は弁護士職務基本規定第11条に違反しいずれも弁護士法第56条第1項の弁護士としての品位を失うべき非行にあたる

4 処分の効力の生じた日  2009年3月30日 2009年7月1日  日本弁護士連合会

(注)弁護士法第27条 弁護士職務基本規定第11条は非弁提携の禁止