日弁連広報誌「自由と正義」2009年8月号に公告として掲載された弁護士懲戒処分の詳細・東京弁護士会・山下進弁護士の懲戒処分の要旨
(東京新聞報道)
破産宣告を受けた依頼人と共謀し、不動産売却代金1億円を隠したとして、破産法違反(詐欺破産)罪に問われた弁護士山下進被告(59)=東京弁護士会所属=に対し、東京地裁は17日、懲役2年(求刑懲役3年)の判決を言い渡した。 大島隆明裁判長は「具体的方法を指南することで犯行を主導し、大金を隠した結果は重大。依頼人らに責任転嫁して罪を免れようとする姿には弁護士の誇りの片りんすらなく、実刑は免れない」と判決理由を述べた。
破産宣告を受けた依頼人と共謀し、不動産売却代金1億円を隠したとして、破産法違反(詐欺破産)罪に問われた弁護士山下進被告(59)=東京弁護士会所属=に対し、東京地裁は17日、懲役2年(求刑懲役3年)の判決を言い渡した。 大島隆明裁判長は「具体的方法を指南することで犯行を主導し、大金を隠した結果は重大。依頼人らに責任転嫁して罪を免れようとする姿には弁護士の誇りの片りんすらなく、実刑は免れない」と判決理由を述べた。
判決などによると、山下被告は代理人を務めた女性(77)=破産法違反罪で懲役2年確定=らと共謀の上、女性は2003年6月20日に東京地裁で破産宣告を受け、財産の管理処分権がないのに、同24日に静岡県内に所有していた土地と建物を売却。同年7月上旬から中旬にかけて、売却代金約1億3500万円のうち、1億円を架空の借金返済に充てたように装って隠した。
懲 戒 処 分 の 公 告
1 懲戒を受けた弁護士氏名 山下 進 登録番号 14887 東京弁護士会
事務所 東京都新宿区新宿1-23
山下進法律事務所
2 懲戒の種別 戒告
3 処分の理由の要旨
被懲戒者はAから債務処理整理事件を受任しAが債権者から破産申立をされた後はAの訴訟代理人なる等していたが2005年10月18日Aとその娘である懲戒請求者
及びその夫が破産法違反で逮捕され同月26日被懲戒者もその共犯として逮捕された被懲戒者は2007年4月頃、同人に対する破産法違反被告事件の公判において提出した
同年3月6日付意見書の全文を同人のホームページに掲載した掲載された上記意見書にはAや懲戒請求者らを含む事件関係者の実名が記載され詐欺破産行為等について具体的かつ詳細に記述されていた職務上知りえた秘密の一部が報道や訴訟の場で公開された場合でも直ちに弁護士の職務上の守秘義務が失われるわけではなく「職務上知りえた秘密」
でなくなるということもできないし、また防御権行使に必要な行為であったとはいうことはできないなど正当ならしめるやむ負えない事情があったと
認めることもできない。
上記被懲戒者の行為は弁護士法第23条及び弁護士職務基本規定第23条に違反し弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する
4 処分の効力の生じた日2009年4月13日
2009年8月1日 日本弁護士連合会
なお山下進弁護士は過去業務停止を受けたことがあります
業務停止2月(1998年10月6日処分発効)
業務停止2月(1998年10月6日処分発効)
【処分理由の要旨】
懲戒請求者は、ビルの賃借人であるが、賃貸人から建物明渡請求を受けたため、10億円の立退料請求を前提として、山下に事件を依頼し、一審の着手金を3000万円とする旨合意した。 その後、一審では建物明渡請求が棄却され、控訴審で立退料を3億6000万円余とする和解が成立した。
こうした経緯に照らすと、10億円の立退料請求が過大であったことに疑問の余地がなくなったのであるから、着手金・報酬について真摯に話し合って見直しを行うべきだった。 ところが、山下は、合計4900万円(一審の着手金3000万円のうち未払分2000万円、合意のできていない二審着手金1100万円、一・二審の報酬金1800万円)の請求権があると主張し、これを受領した立退料から控除して懲戒請求者に支払った。
懲戒請求者は、ビルの賃借人であるが、賃貸人から建物明渡請求を受けたため、10億円の立退料請求を前提として、山下に事件を依頼し、一審の着手金を3000万円とする旨合意した。 その後、一審では建物明渡請求が棄却され、控訴審で立退料を3億6000万円余とする和解が成立した。
こうした経緯に照らすと、10億円の立退料請求が過大であったことに疑問の余地がなくなったのであるから、着手金・報酬について真摯に話し合って見直しを行うべきだった。 ところが、山下は、合計4900万円(一審の着手金3000万円のうち未払分2000万円、合意のできていない二審着手金1100万円、一・二審の報酬金1800万円)の請求権があると主張し、これを受領した立退料から控除して懲戒請求者に支払った。