弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2009年9月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・東京弁護士会・副島洋明弁護士の懲戒処分の要旨

処分理由・相続事件の怠慢な事件処理

懲 戒 処 分 の 公 告

 東京弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

          記

1 処分を受けた弁護士氏名 副島洋明  登録番号 17100

事務所 東京都荒川区東日暮里5
根岸いんくる法律事務

2 懲戒の種別  戒告  

3 処分の理由の要旨

(1)被懲戒者はA及びその妻B各自の1993年2月11日付自筆証書遺言及び同月25日付公正証書遺言において遺言執行者に指定されていた、自筆証書遺言はいずれもAとBの4人の子えある懲戒請求者C同D同E及び後に死亡したFのうちFにすべての財産を相続させるとの内容であった公正証書遺言はいずれも各自の所有不動産を法定相続人に共有あるいは単独で相続させるとの内容であったところAの公正証書遺言については1993年11月13日にAが死亡した後、Dが他の法定相続人を被告として遺言無効確認訴訟を提起し2000年9月28日に無効確認判決が確定した
(2)2003年11月24日Bが死亡し被懲戒者は2004年1月20日にBの自筆証書遺言の検認を申し立てたが相続人らに対しBの公正証書遺言を開示しなかった
(3)被懲戒者は2004年2月26日にBの自筆証書遺言の検認が実施されるまで相続開始から10年以上の間Aの自筆証書遺言を開示せずC,D及びEの遺留分減殺請求権を無効消滅させた
(4)遺言執行者を指定した遺言がある時は法定相続人は相続財産の処分行為など行い得なくなり、また、遺言の内容は法定相続人が相続を承認するか放棄するかを判断する重要な資料となるものであるから、遺言によって遺言執行者の指定を受けた者は、直ちに就任の可否を明らかにし、就任した場合は遅滞なく相続財産の目録を調製して法廷相続人に交付しなければならず、それと並んで
法定相続人その他の利害関係人に対して遺言書の存在及び内容を明らかにすることが求められるこの点に鑑みると被懲戒者の上記(2)の行為はこの義務に違反し(3)の行為は弁護士の職務を果たさなかったものであって、いずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する
4処分の効力の生じた日  2009年5月7日 2009年9月1日  日本弁護士連合会