弁護士自治を考える会
弁護士の懲戒処分を公開しています
2012年11月号 自由と正義に掲載された弁護士懲戒処分の要旨
東京弁護士会の正野嘉人弁護士の懲戒処分の要旨(別件で処分があります)
弁護士が懲戒処分になるケースはパターンがあります。
① 所属弁護士会で処分が決まったもの
② 所属弁護士会では懲戒処分ナシ、日弁連で懲戒処分となったもの
③ 所属弁護士会で処分ナシ日弁連でも処分ナシ綱紀審査会で処分がなされたもの
他にもパターンはありますが、今回の処分は綱紀審査会で処分がなされたものです。綱紀審査会は弁護士が委員ではなく一般人が委員となり処分が相当であるかないかを審議します。懲戒相当となった場合は所属の懲戒委員会で処分の審査をします。
年間2件ほどしかない珍しいものです。
綱紀審査会とは日弁連ホームページから
【今回の処分まで】
東京弁護士会綱紀委員会 処分ナシ
↓
日弁連異議申し立て(日弁連綱紀委員会)処分ナシ
↓
綱紀審査会 処分相当の議決
↓
東京弁護士会懲戒委員会 戒告処分
【処分理由】医療事件の依頼をしたが打ち合わせの無断欠席等怠慢な業務をした。
懲 戒 処 分 の 公 告
東京弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下の通り通知を受けたので懲戒処分の公告公表に関する規定第3条第1号の規定により公告する
1 懲戒を受けた弁護士氏名 正野 朗
職務上の氏名 正野 嘉人
登録番号 19816
事務所 東京都中央区日本橋小伝馬町 正野嘉人法律事務所
2 処分の内容 戒 告
3 処分の理由
被懲戒者は懲戒請求者の依頼を受けて2008年12月4日後遺症等級認定の変更のための担当医師との面談に同席する予定であったが懲戒請求者に事前の連絡をすることなく欠席した。また被懲戒者は同月26日被懲戒者の事務所において懲戒請求者と打ち合わせを行う予定であったが事前の連絡をすることなく欠席をした。被懲戒者の上記行為は弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する
4 処分の効力を生じた年月日
2012年8月8日
2012年11年1日 日本弁護士連合会
【綱紀審査会の決議 】
① 事案の概要
対象弁護士が依頼者に事前に連絡をしないまま欠席を繰り返したことが、弁護士の品位を害する非行に当たるかが問題となった事実
② 綱紀審査会の議決の理由の要旨
綱紀審査申出人が対象弁護士に対して交通事故による後遺症等級認定交渉等を委任した事件において、対象弁護士は依頼者である申出人が行う病院での医師面会への同行を約束していたのに欠席し、その旨を連絡したのは待ちあわせ時刻を過ぎた後であった。またその22日後には予定されていた打ち合わせを事前の連絡がないまま欠席した。医師面会に欠席しているのであるから同様の事態を繰り返さないよう注意すべきであったのに、その注意を漫然と怠り予定されていた打ち合わせを無断欠席したのであって弁護士に対する信頼を損なったというほかない
そして対象弁護士の上記の行為を総合的に評価すると弁護士としての品位を害するものと言わざるを得ない
(3)綱紀審査会の議決の年月日 平成24年2月21日