弁護士の懲戒処分を公開しています。
相手方に「きちがい」バカ」と法廷で言った弁護士に懲戒相当の議決
綱紀審査会という弁護士の非行を審議するところがあります
所属(原)弁護士会で懲戒処分がナシ、日弁連での審議で懲戒処分がない場合最後に綱紀審査会というところに審議を掛けることができます。
所属弁護士会と日弁連は弁護士が審議をするのですが綱紀審査会は弁護士なしで審議をします。しかし懲戒相当となるハードルは高く年間300件は綱紀審査会に審査請求を出されると思いますが年に2件ほどしか懲戒相当となりません。この後、もう一度所属弁護士会の懲戒委員会で処分の審議があります。
審査相当事案
民事訴訟に於いて対象弁護士が被告代理人に就任した。
原告は本人訴訟、原告の被告人質問に対し「きちがい」と発言したことが弁護士の品位を害するかどうか
綱紀審査会の議決
対象弁護士は被告本人尋問のやりとりにおいて「きちがい」と発言したことが認められこの発言は表現として極めて不適切であり、まして同文言が精神障がい者を指し示す差別語であって精神障がい者の弁護人になるなど精神障がい者の事件を扱う可能性ががある弁護士としては一般人以上に使用を避けなければならない文言である。
この点について原弁護士会綱紀委員会は「申し出人(原告)が質問を繰り返すことを終了させようとした」ものとして懲戒処分を相当とする非行は認められないとしている。
確かに同尋問に於いて原告が本人訴訟であるため必ずしも適切ではない質問に対して被告本人が回答を了しておりその直後になされた対象弁護士の当該発言は申出人(原告)の反対尋問に対する異議としての意味を有していない。
加えて対象弁護士が前記以外にも「きちがい」また「ばか」と発言していること。原告の質問に対して2度にわたって「愚問」と発言していること、原告の質問に対して尋問者に代わって回答をすることがしばしばでうち裁判官から4度にわたって発言を制止されていることが認められることを加味すると対象弁護士が民事訴訟規則によって適切な異議を申立てていたこととは到底認められず、「きちがい」という発言は懲戒処分を相当とする非行と評価すべきものと認められる
綱紀審査会の議決の年月日
平成24年11月20日
よくテレビドラマで検察の被告人尋問に対して弁護人が「異議あり!」というと裁判官が「異議を認めます」とかいう場面があります。今回は本人訴訟の原告が被告への尋問中に被告の弁護士が「きちがい」「ばか」と言ったということです。とんでもない発言ですが原弁護士会は質問するほうも悪いと処分しなかったのです。
この後、原弁護士会で処分が決められます
決定まで半年から1年ほどお待ちください
ちなみに自由と正義2月号の特集は【障がい者差別禁止法案】についてです
日弁連の取り組みなどが掲載されています。
「差別を許すな!人権を守れ!」という内容です。