弁護士自治を考える会
弁護士の懲戒処分を公開しています
201311月「日弁連広報誌自由と正義」に掲載された弁護士の懲戒処分の要旨/青森県弁護士会の猪原健弁護士(27815)の懲戒処分の要旨
 2000年  弁護士登録
2004年  刑事事件の国選弁護人になったが雑誌記者に被疑者が書いた上申書を許可なく見せて雑誌に掲載された。
     (被疑者が懲戒請求者)
2007年  懲戒請求者から損害賠償を提起される
2009年  判決が確定
201389日 懲戒処分「戒告」
 
2004年国選弁護人が当時の被疑者が書いたものを勝手に雑誌記者に見せた。
この時に弁護士の行為は守秘義務違反だと懲戒請求を出したのではありません。後日、懲戒請求者が提起した損害賠償請求訴訟の裁判の中で弁護士が何度も雑誌記者には上申書を見せていないという虚偽の主張を証拠として提出したことが弁護士として品位を失うとされたもの。 
懲戒処分を取るとしたら当初の守秘義務違反を問うた方が早かったかもしれません。守秘義務違反ではなく虚偽の陳述を証拠として出してきたことが処分の理由です。裁判で弁護士が虚偽の主張、弁明をしたら懲戒処分になるのだということです。
青森県弁護士会は大変いい懲戒処分を出したと思います。
懲 戒 処 分 の 公 告

 

青森県弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下の通り通知を受けたので懲戒処分の公告公表に関する規定第3条第1号の規定により公告する
1 懲戒を受けた弁護士
氏 名         猪原 健
登録番号        27815
事務所         青森市古川1
            猪原法律事務所
2 処分の内容      戒 告
3 処分の理由
被懲戒者は懲戒請求者の国選弁護人であったところ200449日雑誌記者の取材に応じ懲戒請求者の作成による92枚の上申書を雑誌記者に見せ同月発行の雑誌に懲戒請求者に関する記事が掲載された。
被懲戒者は懲戒請求者の承諾なく上記上申書を雑誌記者に見せたこと等を理由として懲戒請求者から200752日付けで提起された損害賠償請求訴訟において比較的容易に可能な記憶喚起を怠り、かつ、不十分な記憶であるにもかかわらず、複数回にわたって断定的に、雑誌記者に上記上申書を含む便箋束を示したが内容は見せていない旨の客観的真実に反する主張を行い、同旨の陳述書を作成して証拠として提出した。上記訴訟については被懲戒者が上記上申書の内容を示した事実を認定することができないとの理由で請求棄却の判決がなされ2009331日確定した。
被懲戒者の上記行為は弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4 処分の効力を生じた年月日 201389日 201311月1日   日本弁護士連合会