弁護士会の怠慢問う 福岡の詐欺事件 被害者 賠償求め提訴
 福岡県弁護士会に所属していた男性元弁護士(53)から現金をだまし取られた同県内の会社2社と不動産業の男性(69)が、被害に遭ったのは県弁護士会が指導監督を怠ったためだとして、県弁護士会に被害金など計約2億3千万円の賠償を求め福岡地裁に提訴した。県弁護士会には、問題を公表する約2年前から元弁護士に対する苦情が繰り返し寄せられていたが、踏み込んだ調査をしておらず、その責任が法廷で問われることになった。
元弁護士は「仮処分の費用が必要」などとうそを言って、原告の2社からは2010年10月~11年12月にそれぞれ約1億6千万円と5600万円を、不動産業男性からは12年1月に600万円をだまし取った。元弁護士は原告を含む4社と6人から計約4億6900万円を詐取、横領したとして同年10月、福岡地裁で懲役14年の判決を受けて服役中。自己破産が確定している。
訴状によると、県弁護士会に「(元弁護士が)相手方からの示談金を支払ってくれない」と苦情が寄せられたのは10年夏ごろ。当時の弁護士会幹部は、元弁護士と依頼者との面会に立ち会って約1千万円を支払わせたが、支払いが遅れた理由などは調べず後任の執行部にも引き継がなかったという。
11年度にも複数の依頼者から「預けた金を返してくれない」などの苦情があったが、県弁護士会は詳しい調査をせず、懲戒手続きを始めたのは12年3月だった。被害者から批判を受け、県弁護士会は当時の対応を検証し「不適切だった」とする調査結果をまとめた。
取材に対し県弁護士会は「訴状を確認した上で対応を検討したい」と答えた。
●「顔なじみばかり。何の調査もない」 服役の元弁護士 身内意識 犯行誘発
「調査に訪れた弁護士会の幹部は顔なじみばかり。厳しい追及はほとんどなかった」。詐欺罪などで服役中の元弁護士(53)は、原告側の聞き取りに対し、福岡県弁護士会のずさんな調査実態を明かした。国の不当な圧力を防ぐため、弁護士の懲戒処分権限は弁護士会に与えられているが、身内に甘い“自治”が被害を拡大させた形だ。
県弁護士会の指導や調査内容を聞き取り、陳述書にまとめて証拠として福岡地裁に提出した。

陳述書などによると、元弁護士は2010年夏、同じ大学出身で1期下の副会長(当時)から「あなたが示談金を払ってくれない、という相談が来ている」と電話があった。数カ月前に交通事故の示談金約1千万円を受け取りながら流用していた案件だった。

元弁護士は「忙しかったので支払いが遅れていた」と釈明。別の預かり金を流用するなどして支払いを済ませると、県弁護士会から事情聴取は受けなかった。
以降、元弁護士は「弁護士会は何の調査もしない」と大胆になった。預かり金の横領だけでなく、依頼者にうそを言って多額の現金をだまし取るようになった。

翌11年5月と8月にも、同じ大学出身の同期の副会長(同)たちから「弁護士会に苦情が来ているので心配している」などと言われ、請け負っている訴訟の一覧表提出を求められたが、面談を断ると、それ以上の追及はなかった。

元弁護士は「甚大な被害を与えた私が、自分のことを棚に上げて弁護士会の監督責任などを訴える資格はない」と認めつつ、「弁護士会が積極的な調査をしていれば、もっと早く明らかになった可能性が高いと思う。弁護士には互いに尊重し合う土壌があるので、監督が遠慮がちで慎重になる傾向があると考えていた」と明かした。

提訴に当たり、原告側は刑務所で元弁護士と10回以上面会。
 原告の会社社長らは「元弁護士を許せないのはもちろんだが、弁護士会の姿勢も仲間同士のかばい合いとしか思えない」と憤っている。
西日本新聞
http://www.nishinippon.co.jp/wordbox/word/7415/10542
ついに福岡県弁護士会の被害者が弁護士会に損害賠償請求を提起しました。詐欺を起したのは福岡県弁護士会所属の元弁護士高橋浩文弁護士逮捕された時は既に元弁護士でした。多額の詐欺横領をし逮捕される前に「自己破産」を申請し弁護士登録を抹消し記者発表の時は元弁護士になっており福岡県弁護士会は被害者対応はしませんでした。
1審の懲役14年の判決を受けて現在服役中です。
原告は高橋浩文が弁護士の時に福岡県弁護士会に多くの苦情が寄せられていたにもかかわらず、処分をしたり社会に事前公表をしなかった。
被害は防ぐことができた。福岡県弁護士会も共同責任があるという内容です。
各弁護士会は『仕事はくれ!』しかし弁護士が詐欺横領しても弁護士会に関係がない!という態度、苦情が出ようが懲戒が出ようが庇い続けて事実を隠ぺいし被害者を増やした。逮捕が近いと知ると自己破産させて弁護士会とは関係がないという態度、これが弁護士自治の実態です。
この裁判の一番重要な点は
提訴に当たり、原告側は刑務所で元弁護士と10回以上面会。
原告らは高橋受刑囚と面会をして話を聞いているのです。弁護士会に会員弁護士の不祥事の弁済義務があるかどうかは
裁判所の判断に委ねられますが、何があったのか!弁護士会が
どのような指示をしたのか!苦情処理や懲戒の対応はどうしたのか
などなど、高橋元弁護士が正直にしゃべったとみるべきでしょう。
高橋浩文元弁護士に懲役14年の判決(2012年10月11日
https://jlfmt.com/2012/10/11/29127/
高橋浩文弁護士。預り金横領か。自己破産申請(2012年3月23日)
 https://jlfmt.com/2012/03/23/28957/
破産発表 5月
https://jlfmt.com/2012/05/24/29013/