宮本孝一弁護士(第一東京)弁護士法違反・判決要旨
・事件名 弁護士法違反
・被告人 宮本孝一(第一東京弁護士会)
主 文 
被告人を懲役1年に処する。
この裁判が確定した3年間その刑の執行を猶予する。
理由の要旨
2・量刑の理由の要旨
被告人は多重債務者相手に報酬目的で業として法律事件に関する法律事務の取扱いを周旋していた分離前相被告人小林哲也から事務所や事務員、弁護士会費や税金を含む諸経費等を全て同人が負担し、月々数十万円から100万円程度の定額報酬を被告人に支払うとの条件の下、小林らが集客した多重債務者の債務整理に弁護士として関与し、その着手金や成功報酬等の収入は小林らに帰属させるという趣旨の提携を持ちかけられ事務所経営のリスクを回避して安定的な収入を確保できるとの思いからこれに応じ、3年余りの間に同人からおびただしい数の債務整理案件の周旋を受ける中で、判示の各周旋に及んだ。このように本件は厳格な資格制度と職務規律に裏打ちされて基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とするはずの弁護士がその矜持を脇に置き、自らの拠って立つ弁護士制度及びこれを包含する法秩序全般の維持・確立を害するものとして禁止されている非弁行為を金儲けのためにこれを手掛けているものと結託し、助長したもので、非弁提携のまさに典型事案というものである。長期間にわたり非弁の債務整理業者に丸抱え取り込まれた中での受周旋であり、この種事案の中でも犯情は芳しくない。そうすると周旋を受けて受任した事件の処理自体に別途問題が生じていないこと、前科前歴がないことや弁護士資格の喪失につながることなどを考慮しても、懲役刑の選択は免れない。その上で上述した酌むべき事情に加え、被告人が本件を重大に受け止め、反省の弁を述べていることなどを踏まえ、刑の執行は猶予すべきものと判断した。
(求刑 懲役1年)                以 上
 
見事な温情判決です。宮本弁護士が懲戒処分8回受けていたこと、
NPOに借金することになった、きっかけの問題なども酌量されています。
そして宮本弁護士は捜査段階から罪はすべて認めております。
 
懲役1年執行猶予3年という暖かい誠に涙あふれる温情判決に対し
宮本孝一弁護士は量刑不当であると控訴されました。
 

イメージ 1