弁護士の懲戒処分を公開しています
「日弁連広報誌・自由と正義」201412月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・奈良弁護士会・村嶋修三弁護士の懲戒処分の変更の要旨
 
これが弁護士の実態。弁護士会の実態か
 
2013117日に奈良弁護士会より戒告処分を受けました。
処分内容は勝訴の見込みのない裁判を行った。というものですが懲戒請求者はその処分を不服として日弁連に異議申立てを行ったもの。
戒告処分⇒業務停止1月に変更になった。
村嶋修三弁護士は元奈良弁護士会長という弁護士でした。奈良の綱紀も懲戒委員会も元会長に戒告しか出せなかった。戒告処分も精一杯だったのかもしれません。これが弁護士自治、弁護士懲戒制度の実態でしょう。
弁護士が元依頼者ともめたらここまでやるぞ、依頼人、客なんかと思っても
ないわ!という弁護士の姿勢がよくわかるものです。
 
 
懲 戒 処 分 の 公 告
 
奈良弁護士会が2013116日付でなし2013117日に効力を生じた被懲戒者に対する懲戒処分について、懲戒請求者から異議の申出があった。日本弁護士連合会は上記懲戒処分を変更して以下のとおり懲戒の処分をしたので懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第6号の規定により公告する
        記
1 懲戒を受けた弁護士
氏 名           村嶋修三
登録番号        13949
事務所          奈良県北葛城郡広陵町
              村嶋法律事務所
2 処分の内容     業務停止1月 
 
3 処分の理由の要旨
(1)本件は懲戒請求者から依頼されて提起した不当利得返還請求訴訟において提起前に被懲戒者が勝訴の見込みが乏しいのに適切な説明を」せず(懲戒請求事由1)またその訴訟において誠実な訴訟追行をしなかった(懲戒請求事由2)点が問題とされたものである。
(2)被懲戒者は懲戒請求者から奈良弁護士会(以下原弁護士会という)に紛議調停を申し立てられたが紛議調停委員会に出席せず紛議調停は不正立となった。
そこで懲戒請求者は本件懲戒請求を申し立てたが被懲戒者は懲戒請求者に対し懲戒請求者からの紛議調停や懲戒の申立てにより精神的な苦痛を被ったとして平成2411月20日損害賠償請求を提起した。
そして被懲戒者は上記損害賠償請求訴訟の提起により原弁護士会綱紀委員会の審判は何の意味もないと主張して同委員会の調査期日に出席しなかった。
また、原弁護士会懲戒委員会の審査期日において被懲戒者は同委員会の質問に誠実に対応せず途中で退席した。
(3)被懲戒者は日本弁護士連合会懲戒委員会(以下当連合会懲戒委員会という)が審査期日を通知し質問事項を送付したところ質問事項に対する回答書は提出したものの、審査期日には出席できない旨回答した。そこで当連合会懲戒委員会は審理期日を変更しその旨を改めて被懲戒者に通知したが、被懲戒者は変更後の審査期日に欠席した。なお欠席に至った理由を証明する書面の提出はなかった。
(4)その後、上記損害賠償請求訴訟及び懲戒請求者から被懲戒者に対する反訴請求事件においていまだ確定していないものの被懲戒者はいずれも全面敗訴し懲戒請求者に対して合計約100万円の支払を命じられている。
(5)原弁護士会懲戒委員会は被懲戒者が上記損害賠償請求訴訟を提起したのは本件懲戒請求に対抗する報復的なものであると認定し、さらに原弁護士会綱紀委員会及び同懲戒委員会における被懲戒者の態度い対し懲戒手続の態度も甚だしく、弁護士自治の意義に対する自覚も欠落しているといわざるを得ないと認定しながら、上記損害賠償請求訴訟に係る被懲戒者の行為については同綱紀委員会で懲戒事由とされていないことに鑑み、業務停止処分を選択せず戒告処分を選択したとする。
(6)しかし被懲戒者の原弁護士会及び当連合会懲戒委員会における対応を別におくとしても被懲戒者の懲戒事由1の行為は弁護士職務基本規定第29条及び第37条に違反し懲戒請求2の行為は同規定第37条に違反する。以上のとおり被懲戒者の行為は職業としての弁護士の専門性に対する国民の信頼を損なうものであり弁護士としての品位を失う非行といわざる得ず原弁護士会の戒告処分は軽きに過ぎる
(7)したがって被懲戒者を戒告とする旨の業務を1月間停止することが相当である。
20141021
2014121
 
 
(当初の奈良が出した戒告処分の要旨)
懲 戒 処 分 の 公 告
 
奈良弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告公表に関する規定第3条第1号の規定により公告する
1 懲戒を受けた弁護士
氏 名          村嶋 修三
登録番号         13949
事務所          奈良市内侍原町6
             村嶋法律事務所
2 処分の内容      戒 告
3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は懲戒請求者から懲戒請求者とAとの間で懲戒請求者がAに対し解決金として300万円を支払うこと等を内容とする訴訟上の和解が成立した事件について上記解決金の取戻しを相談され勝訴の見込みがなかったにもかかわらず、あたかも勝訴の見込みが多少あるかのように懲戒請求者を誤解させ事件の見通しについて適切な説明をせず2011913日上記解決金を取り戻す等を内容とする不当利得返還請求訴訟を着金35万円で受任した。
(2)被懲戒者は20111031Aに対し上記不当利得返還請求訴訟を提起した。被懲戒者は上記訴訟において上記解決金の受領は不当利得に当たると主張したのみで、和解の効力が否定されるべき理由その他不当利得の根拠について何ら主張及び立証をしなかった。
 
(3)被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士職務基本規定第29条第1項及び第3項に上記(2)の行為は同規定第5条に違反しいずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4 処分の効力を生じた年月日
 2013117
20142月1日   日本弁護士連合会
 
(新聞報道) 
<弁護士懲戒>勝訴困難の民事訴訟提訴で戒告処分 奈良
毎日新聞 1119()2125分配信
 奈良弁護士会は19日、勝訴の見込みのない民事訴訟を起こしたとして、同会所属の村嶋修三弁護士を戒告の懲戒処分(7日付)にしたと発表した。
 発表によると、村嶋弁護士の依頼人の男性は2004年、農地の小作権を巡り違約金を請求された訴訟で解決金を支払って和解したが、その後に和解内容を覆す資料があったとして村嶋弁護士に相談。「不当利得返還請求なら何とかなるかもしれない」という助言に従って11年10月に提訴したが、棄却された。
 弁護士会は、実際には和解内容を覆すのは極めて困難で、村嶋弁護士が着手金額を決める際に約束した「特殊な研究」をした形跡もないと指摘。一連の行為は弁護士職務基本規程に反し、「弁護士の品位を失わせる非行に該当する」と判断した。