弁護士法違反(非弁提携・名義貸し)に問われた岩渕秀道弁護士(東京)の懲役1年執行猶予3年の判決要旨が入りました
 
【弁護士】岩渕 秀道
【事務所】新日本橋法律特許事務所
【所属】東京弁護士会
【登録番号】9571
【所在地】東京都千代田区鍛冶町2丁目7-5 K・Kビル4階
 

 

2014年7月9日の報道
無資格であっせん…弁護士ら4人を在宅起訴
日本テレビ系(NNN) 7月9日(水)20時42分配信
 弁護士が、弁護士資格のないNPO法人の元代表から顧客の紹介を受けていたとして、東京地検特捜部は、弁護士の宮本孝一被告(46)と岩渕秀道被告(81)、吉田勧被告(53)とNPO法人の元代表・小林哲也被告(49)の4人を弁護士法違反の罪で在宅起訴した。

 

在宅起訴された3人
宮本孝一弁護士(一弁)懲役1年執行猶予3年 控訴
岩渕秀道弁護士(東京)懲役1年執行猶予3年 控訴
吉田勧 弁護士(東京)裁判中

 

 

 

 

 

【判決要旨】

 

事件名 弁護士法違反

 

被告人 岩渕秀道

 

【主文】

 

被告人を懲役1年に処する。
この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する。
【理由の要旨】
被告人は多重債務者相手に報酬目的で業として法律事件に関する法律事務所の取扱を周旋していた分離前相被告人小林哲也から、事務所や事務員、弁護士会費や税金を含む諸経費全て同人が負担し、月々数十万円の定額報酬を被告人に支払うとの条件の下、小林らが集客した多重債務者の債務整理に弁護士として関与し、その着手金や成功報酬等の収入は小林らに帰属させるという趣旨の提携を持ちかけられ、バブル期の投資の失敗による多額の債務を抱えていたことなどからこれに応じた。そして約1年8か月余りの間にわたり同人から数多くの債務整理案件の周旋を受ける中で判示の各受周旋に及んだ。このように、本件は厳格な資格制度と職務規律に裏打ちされて基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とするはずの弁護士が、その矜持を脇に置き、自らの拠って立つ弁護士制度及びこれを包含する法律秩序全般の維持、確立を害するものとして禁止されている非弁行為を、金儲けのためにこれを手掛けている者と結託し、助長したもので非弁提携のまさに典型事案というべきものである。加えて、上述のとおり、動機、経緯に格別酌量できるものはなく、債務整理の側面では長時間にわたり非弁の債務整理業者にほぼ丸抱えで取り込まれた中での受周旋であり、この事案の中でも犯情は芳しくない。そうすると、周旋を受けて受任した事件の処理自体に別途問題を生じていないこと、前科前歴がないことや弁護士資格の喪失につながることなどを考慮し、さらに弁護人が指摘する弁護士会内における懲戒事例の趨勢や被告人のこれまでの活動の事績を踏まえても懲役刑の選択は免れない。

 

その上で、上述した酌むべき事情に加え、被告人が本件を重大に受け止め反省の弁を述べていること、高齢であることなども踏まえ、刑の執行は猶予すべきものと判断した。(求刑・懲役1年)

 

岩渕弁護士は反省の弁を述べて執行猶予付きという温情判決に報うことなく
量刑は不当であると控訴いたしました。