弁護士の懲戒処分を公開しています。
日弁連広報誌2015年4月号に掲載された弁護士懲戒処分の公告第二東京弁護士会・菊田幸一弁護士の懲戒処分の要旨
報道がありました。
困った弁護士…2度目の業務停止処分 依頼人に不適切融資

第二東京弁護士会は26日、トラブル解決を依頼した知人に不適切な融資をしたとして、明治大名誉教授の菊田幸一弁護士(80)を業務停止2カ月の懲戒処分にしたと発表した。菊田氏は刑事法学者で、死刑廃止論者として知られる。
 同会によると、平成22年、マンションの売買契約をめぐり金融業者とトラブルとなった知人の男性の相談を受け、解決のために現金750万円を融資するなどした。
 同会は「依頼人に対する金銭融資などが弁護士職務規程に反する」と処分理由を説明。菊田氏は同会に対し「問題解決に向け努力をしただけだ」と話している。 菊田氏は死刑囚の実父の成年後見人を務めた際に財産管理の不備があったとして、25年にも業務停止処分を受けている。
菊田先生2回目の懲戒処分となりました。二弁の懲戒委員会もずいぶんと皮肉な処分の要旨を書きました
学者弁護士の大先生に対し弁護士職務基本規定第7条を持ってきました。これで条文で処分されるのが弁護士として一番カッコ悪いのですが・・・

 

弁護士法第5条

大学で法律学を研究する大学院の置かれているものの法律学を研究する学部、専攻科若しくは大学院における法律学の教授若しくは准教授の職に在つた期間が通算して5年以上になること。

 

 第七条 (研鑽)
弁護士は、教養を深め、法令及び法律事務に精通するため、研鑽に努める。
菊田幸一弁護士
 
ウイキがあるような学者弁護士
懲 戒 処 分 の 公 告
第二東京弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下の通り通知を受けたので懲戒処分の公告公表に関する規定第3条第1号の規定により公告する
1 懲戒を受けた弁護士
氏 名          菊田 幸一
登録番号 31228
事務所  東京都千代田区神田小川町3
  菊田法律事務所   
2 処分の内容     業務停止2月
3 処分の理由  
被懲戒者は2010年5月、懲戒請求者から金融業者である株式会社Aに対する債務問題について相談を受けたが懲戒請求者所有のマンションにかかる懲戒請求者とA社との間の買戻特約付売買契約が譲渡担保契約であることに気付かず被懲戒者が懲戒請求者に代わってA社に対し750万円を支払い上記マンションを買戻し付きで売り渡すという根本的解決にならない対策しか講じず、またその過程で杜撰な契約書の文書を作成した。その後、被懲戒者    
は懲戒請求者との間で上記マンションに係る賃貸借契約を締結したが、その賃料は実質的には上記750万円の融資に対する利息と解されるところ、賃料を月額10万円とするなど、利息制限法に違反する契約を締結した。また、被懲戒者は上記マンションの賃料を月額10万円としたにもかかわらず、当初懲戒請求者が生活保護を申請するために月額5万円の賃貸借契約書を作成した。
被懲戒者の上記行為は弁護士職務基本規定第7条、第25条に違反し弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4 処分が効力を生じた日2015年1月26日 2015年4月1日 日本弁護士連合会
弁護士職務基本規定第25条
(依頼者との金銭貸借等)
第二十五条 弁護士は、特別の事情がない限り、依頼者と金銭の貸借をし、又は自己の債務について依頼者に保証を依頼し、若しくは依頼者の債務について保証をしてはならない。