第2東京弁護士会の弁護士が業務停止1月の期間中に訴訟代理人として裁判に出た。
東京地方裁判所は出廷した弁護士が業務停止中であることに気がつかなかったのか
弁護士会、日弁連は所属する弁護士が業務停止1月以上になれば裁判所に通知しなければなりません。(戒告は通知しない)
【懲戒委員会規約】(懲戒する場合)
第37条 6 被審査会員を懲戒したときは、本会は次に掲げる事項を議決書及び懲戒書の謄本を添えて日本弁護士連合会に報告し処分理由の要旨を付して本会会館内に掲示し、かつ当該懲戒の処分が戒告である場合を除き、最高裁判所、最高検察庁、本会の所在地を管轄する高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所、高等検察庁、及び地方検察庁、当該地方裁判所の管轄区域内の簡易裁判所、及び区検察庁その他必要と認める官庁に対して通知しなければならない。
1 被審査会員の氏名、登録番号、事務所及び住所
2 懲戒の種類(業務停止にあってはその期間を含む)
3 処分が効力を生じた年月日
とあります。
今回、業務停止中に裁判に出た弁護士がいたのですが,裁判所には業務停止中である旨通知されていたということです。
弁護士会から通知を受けた裁判所が見逃した?気が付かなかった?
昨年(2014年)に業務停止を受けた弁護士は32名でした(自由と正義掲載分)32人の弁護士の所属する地域の裁判所等に業務停止中であると通知されたということになります。(退会4名・除名4名も通知)
第2東京弁護士会の本河一郎弁護士は平成26年10月17日に業務停止1月の処分
を受けました。弁護士会は処分日以降には速やかに裁判所に通知しなければなりません。1月などすぐに経過してしまいます。
第2東京弁護士会が東京地裁に懲戒処分の通知をしたか、私たち『弁護士自治を考える会』は東京地裁に対し調査を行いました。
平成27年9月10日付【司法行政文書の開示請求】
東京地方裁判所長からの回答書 (10月13日付)
本河一郎弁護士が第二東京弁護士会から受けた処分(業務停止1月)について日本弁護士連合会の懲戒処分の公表等に関する規程に基づく日本弁護士連合会又は第二東京弁護士会から東京地裁への通知文については文書の探索及び精査について時間を要しているため30日以内に開示又は不開示の通知をすることができません。なお通知の予定時期につきましては、本日から1月程度かかる見込みです。
平成27年10月13日 東京地方裁判所長
そして11月10日 2回目の通知文が東京地裁から届きました。
まだ見つからないのとのことです。
3か月もかかって見つからないものはもう見つからないでしょう
二弁は東京地裁に懲戒処分の通知をしていないのではないでしょうか
二弁が裁判所に通知してあれば10月22日に裁判に出てきた本河弁護士に、裁判官や書記官があなたは今業務停止中ですよと言うことができたはずです。
現在、全国に3万6000人の弁護士がいます。
関東には東京・第一東京・第二東京、横浜、千葉、埼玉の弁護士会があり6つの弁護士会で約2万人を超える弁護士が在籍をしています。東京地裁をホームグランドにしているということです。
毎日、東京地裁、高裁、最高裁には何千人という弁護士が出入りしています。東京地裁もたいへんな事務処理に追われています。書記官、事務官の仕事はほんとうに大変だと思います。裁判の書証を見るだけでも大変な上に代理人の処分関係まで見なければならない。余計な仕事まで増やさないで欲しいと思っておられるのではと思います。
二弁は裁判所に処分の通知をしたのか?
弁護士自治とはこんな程度なのです。実にいいかげんな運用をしているのです。弁護士会は弁護士性善説で、まさか業務停止中に裁判に出ていくことはないと思っているのです。
二弁がきっちり裁判所に通知していれば本河弁護士も裁判に出る前に止められたかもしれません。ですから懲戒請求を出されることもなかったのです。
お気の毒なのは本河先生だったのかもしれませんね。
記者 京都 I N
11月11日 本河一郎弁護士に退会命令 時事通信